しなやかに生きる-レジリエンスを鍛えるー
変化や不確実性の多い昨今、注目されているキーワードの一つに、
「レジリエンス(resilience)」という言葉があります。
この力を鍛えることで、逆境に遭遇してもうまく乗り越えやすくなったり、逆境を成長の原動力に変えることもできるようになると言われています。
簡単な方法でレジリエンスを鍛えられるので、ぜひ実践してみましょう。
レジリエンスとは?
全米心理学会では「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」と定義されていますが、もう少しかみ砕くと、
「しなやかで折れない心」とか、「回復力」「復元力」「弾力性」という言葉で表現されることが多いようです。
イメージでいうと、頑丈で動じない「大木」というよりかは、強風が吹いてもしなやかに上手に受け流し、また元に戻ろうとする「竹」のような感じです。
レジリエンスが強いとどうなるの?
逆境に遭遇してもうまく乗り越えることができる。逆境を成長のための原動力に変えることができる。
・気持ちの切り替えがうまい
・考え方が柔軟で多様性を受け入れる
・自分の強み、良い面を認識している
・周りの人と協力関係を築ける
・失敗してもチャレンジし続ける
レジリエンスが強くないとどうなるの?
仕事上でたびたび訪れる逆境に対して弱いため、通常のパフォーマンスを発揮できるレベルに回復するまで時間がかかる。
・気持ちの切り替えが苦手
・考え方の柔軟性が乏しい
・自分のネガティブ面にばかり注目する
・一人で抱え込む/対人緊張が強い
・失敗を恐れチャレンジしない
レジリエンスはどうやって鍛えられるの?
以下の3点を実践してみましょう。
①「3つのよいこと」を毎日記録する
②自分の強みを自覚する
③信頼できる人と共有する
①「3つのよいこと」を毎日記録する
「その日寝る前に、その日にあった良いことを3つ書き留める、それを1週間続ける」というシンプルなものです。ポジティブ心理学の権威、マーティン・セリグマン博士が推奨する方法で、抑うつ傾向の緩和、幸福度の向上が実証されたそうです。
物事の良い側面を捉える力が磨かれ、ポジティブ感情が高まることが期待されます。
例.
・朝、予定通りに早起きして、読書ができた
・上司に企画をほめられた
・ランチのカレーが美味しかった
→このようなレベルで構いません。毎日、まずは1週間、続けられるなら続けられるだけ、やってみてください。
②自分の強みを自覚する
自分の強みが分かっていれば、それだけ逆境を切り抜けるのも早くなり、自信をもって速やかに立ち直ることができます。
無料診断ができるウェブサイトもありますし、信頼できる家族や友人、職場の同僚や先輩、また第3者視点でキャリアコンサルタントなどから助言をもらうのも良いでしょう。こちらもぜひ、記録しておきましょう。
③信頼できる人と共有する
上記①②について、ぜひ信頼できる方に共有してみてください。もちろん対面コミュニケーションでも良いですが、お互いの時間制約や、ソーシャルディスタンスの要請など、時期的に難しい部分もあります。
そこでお勧めなのは、「Googleスプレッドシート」など、ウェブツールを活用した「交換日記」です。
上記のように、日々感じる取り留めのないことでも、誰か(信頼できる人)に見てもらい反応が得られると、とても嬉しいものです。スプレッドシートの共有機能や通知機能をフル活用して、互いに都合の良い時間に書くことで、時間の制約や負担感も最小限に済みます。
私もこの方法により同僚の方と数カ月やってみましたが、結構短期間で、同僚の表情が変わり、仕事への取り組み方が前向きになっていったのが非常に印象的でした。
信頼できる人が身近にいない…
国家資格「キャリアコンサルタント」は、キャリアの悩み、仕事や人生のモヤモヤを聴き、気付きを促すプロです。マッチングサービスも拡充しつつありますので、ぜひ相談してみてください。
レジリエンスを鍛え、しなやかに、前向きに、人生を楽しみましょう♪
参考:りそなーれ2019年1月号「新人・若手社員のレジリエンス実践トレーニング 上司とともに取り組む『しなやかで折れない心』の鍛え方(窪田晃和)」