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日本のポーカー界のトナメにおけるバンクロール管理の考え方
この2025年に入ってから、毎週のように、六本木界隈のアミューズでは5万〜10万出しのハイローラートナメが行われるようになりました。
そして先日、Xにて、「一瞬にしてコインなくなった。。」と嘆くツイートを見ました。
ほんとにポーカー上手くならんと毎日ハイローラーありすぎて
— ウチハ (@yukimaru98224) February 7, 2025
今日とか12万だしレイトちょい前に行ってぴってやってリしてぴってやって飛んで2時間弱で24万じゃん?
こんなんタコ負けしたら余裕で月1000万ぐらい行くじゃんwwww
一瞬にしてコイン砂利になった🥹🥹
そこでふと疑問が湧きました。
トナメにおいてバンクロールって、どれぐらいが適正なんだろう?
何を基準に、どう考えるのが適正なんだろう?
キャッシュならバイインの20倍の2000BBという基準を聞いたことがありますが、キャッシュより運要素が強く、分散の激しいトーナメントだとどうなるのか?気になったので調べました!
長期的にポーカーを楽しむためにも、この考え方は、めちゃ重要!と思ったので、noteの記事に残るようにしてみました。
1. はじめに
ポーカーは長期的なスキルゲームでありながら、短期的な結果には運の影響を大きく受けます。そのため、適切なバンクロール管理を行わなければ、一時的なダウンスウィングにより資金が枯渇し、ポーカーを続けることができなくなるリスクが高くなります。
本稿では、日本のポーカーにおけるバンクロール管理の考え方、それが欠如することによる問題点、どうすればよいかについてまとめました。
2. バンクロール管理の基本原則
ポーカーにおけるバンクロール管理とは、長期的にプレイを続けるための資金管理戦略を指します。特にトーナメントポーカー(MTT)は分散が大きく、適正なバンクロールがなければ、実力があるプレイヤーであっても一時的な不運により破産する可能性があります。
一般的に、適正なバンクロールは**プレイヤーのROI(Return on Investment:投資利益率)と**トーナメントの還元率(RTP: Return to Player)によって決まります。
適切なバンクロールの目安を以下に示します。
海外トーナメント(還元率85-90%)
ROI 30%:100-150バイイン
ROI 10%:200-300バイイン
日本トーナメント(還元率65-85%)
ROI 30%:120-250バイイン
ROI 10%:250-500バイイン
例えば、バイインが10万円の場合、適正なバンクロールは1200万~2500万円が必要となります。
還元率が低い日本のトーナメントでは、適切なバンクロールの必要額が海外と比較して1.5倍から2倍に増加することが分かります。
3. 日本のポーカープレイヤーの現状
日本のポーカープレイヤーの多くは、適切なバンクロール管理を行わずにトーナメントへ参加しています。特に、本来のバンクロール基準を超えたハイステークストーナメントへ参加する傾向が強いです。この要因として、以下の点が考えられます。
短期的な成功体験の影響
一度の優勝や高額キャッシュが、プレイヤーの資金管理意識を麻痺させることがあります。特に、大規模トーナメントで一度の好成績を収めたプレイヤーが、その後適正なバンクロールを無視して高額バイインのトーナメントへ参加するケースが散見されます。還元率(RTP)の低さによる資金消耗
日本のトーナメントの還元率は65-85%程度であり、海外の85-90%と比較すると、同じROIを維持することが極めて困難です。これは、長期的に見た場合、日本のトーナメントプレイヤーは海外プレイヤーよりも速く資金を失うことを意味します。
4. 適正なバンクロール管理を怠るリスク
適正なバンクロール管理を怠ると、以下のようなリスクが発生します。
破産リスクの増大
分散に耐えられるバンクロールがないと、一時的な負けがそのまま破産に直結します。ROIが高いプレイヤーでも、適正なバンクロールを持たずにプレイしていれば、資金が尽きた時点でゲームオーバーとなります。プレイの質の低下
バンクロールに余裕がないプレイヤーは、プレッシャーにより本来のプレイができなくなります。例えば、マネースケア(ITM狙いの消極的プレイ)になったり、適切なブラフやバリューベットを打てなくなったりします。ポーカーを続けられなくなる
バンクロールがなくなれば、プレイヤーはポーカーを続けることができません。これは、せっかく培ったスキルが無駄になるだけでなく、キャリアとしての成長機会を失うことを意味します。精神的なダメージ
無理なバンクロールでプレイし、資金を失った場合、ポーカーを続けることが精神的に困難になるケースも多いです。金銭的なダメージだけでなく、自信喪失やストレスが蓄積し、結果としてポーカーの継続が困難になります。
5. 結論とサマリー
日本のポーカープレイヤーは、適正なバンクロール管理を行わずにトーナメントへ参加する傾向があり、それが長期的にポーカーを続ける上で大きなリスクとなっています。特に、日本のトーナメントは還元率が低く、海外と比較して1.5〜2倍のバンクロールが必要であることを認識しなければなりません。
ポーカーを長期的に成功させるためには、以下のポイントが重要です。
適切なバンクロール管理を徹底する
還元率の高いトーナメントを優先する
一時的な成功に惑わされず、長期的視点でプレイを続ける
ポーカーはスキルゲームであり、長期的に勝ち続けることが可能なゲームです。しかし、それを実現するためには、バンクロール管理という基礎的な部分を徹底し、安定してプレイを継続できる環境を構築することが不可欠です。