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日本のポーカー界のトナメにおけるバンクロール管理の考え方

この2025年に入ってから、毎週のように、六本木界隈のアミューズでは5万〜10万出しのハイローラートナメが行われるようになりました。

そして先日、Xにて、「一瞬にしてコインなくなった。。」と嘆くツイートを見ました。

そこでふと疑問が湧きました。

トナメにおいてバンクロールって、どれぐらいが適正なんだろう?
何を基準に、どう考えるのが適正なんだろう?

キャッシュならバイインの20倍の2000BBという基準を聞いたことがありますが、キャッシュより運要素が強く、分散の激しいトーナメントだとどうなるのか?気になったので調べました!

長期的にポーカーを楽しむためにも、この考え方は、めちゃ重要!と思ったので、noteの記事に残るようにしてみました。


1. はじめに

ポーカーは長期的なスキルゲームでありながら、短期的な結果には運の影響を大きく受けます。そのため、適切なバンクロール管理を行わなければ、一時的なダウンスウィングにより資金が枯渇し、ポーカーを続けることができなくなるリスクが高くなります。
本稿では、日本のポーカーにおけるバンクロール管理の考え方、それが欠如することによる問題点、どうすればよいかについてまとめました。

2. バンクロール管理の基本原則

ポーカーにおけるバンクロール管理とは、長期的にプレイを続けるための資金管理戦略を指します。特にトーナメントポーカー(MTT)は分散が大きく、適正なバンクロールがなければ、実力があるプレイヤーであっても一時的な不運により破産する可能性があります。

一般的に、適正なバンクロールは**プレイヤーのROI(Return on Investment:投資利益率)と**トーナメントの還元率(RTP: Return to Player)によって決まります。
適切なバンクロールの目安を以下に示します。

  • 海外トーナメント(還元率85-90%)

    • ROI 30%:100-150バイイン

    • ROI 10%:200-300バイイン

  • 日本トーナメント(還元率65-85%)

    • ROI 30%:120-250バイイン

    • ROI 10%:250-500バイイン

例えば、バイインが10万円の場合、適正なバンクロールは1200万~2500万円が必要となります。
還元率が低い日本のトーナメントでは、適切なバンクロールの必要額が海外と比較して1.5倍から2倍に増加することが分かります。

3. 日本のポーカープレイヤーの現状

日本のポーカープレイヤーの多くは、適切なバンクロール管理を行わずにトーナメントへ参加しています。特に、本来のバンクロール基準を超えたハイステークストーナメントへ参加する傾向が強いです。この要因として、以下の点が考えられます。

  1. 短期的な成功体験の影響
    一度の優勝や高額キャッシュが、プレイヤーの資金管理意識を麻痺させることがあります。特に、大規模トーナメントで一度の好成績を収めたプレイヤーが、その後適正なバンクロールを無視して高額バイインのトーナメントへ参加するケースが散見されます。

  2. 還元率(RTP)の低さによる資金消耗
    日本のトーナメントの還元率は65-85%程度であり、海外の85-90%と比較すると、同じROIを維持することが極めて困難です。これは、長期的に見た場合、日本のトーナメントプレイヤーは海外プレイヤーよりも速く資金を失うことを意味します。

4. 適正なバンクロール管理を怠るリスク

適正なバンクロール管理を怠ると、以下のようなリスクが発生します。

  1. 破産リスクの増大
    分散に耐えられるバンクロールがないと、一時的な負けがそのまま破産に直結します。ROIが高いプレイヤーでも、適正なバンクロールを持たずにプレイしていれば、資金が尽きた時点でゲームオーバーとなります。

  2. プレイの質の低下
    バンクロールに余裕がないプレイヤーは、プレッシャーにより本来のプレイができなくなります。例えば、マネースケア(ITM狙いの消極的プレイ)になったり、適切なブラフやバリューベットを打てなくなったりします。

  3. ポーカーを続けられなくなる
    バンクロールがなくなれば、プレイヤーはポーカーを続けることができません。これは、せっかく培ったスキルが無駄になるだけでなく、キャリアとしての成長機会を失うことを意味します。

  4. 精神的なダメージ
    無理なバンクロールでプレイし、資金を失った場合、ポーカーを続けることが精神的に困難になるケースも多いです。金銭的なダメージだけでなく、自信喪失やストレスが蓄積し、結果としてポーカーの継続が困難になります。

5. 結論とサマリー

日本のポーカープレイヤーは、適正なバンクロール管理を行わずにトーナメントへ参加する傾向があり、それが長期的にポーカーを続ける上で大きなリスクとなっています。特に、日本のトーナメントは還元率が低く、海外と比較して1.5〜2倍のバンクロールが必要であることを認識しなければなりません。

ポーカーを長期的に成功させるためには、以下のポイントが重要です。

  • 適切なバンクロール管理を徹底する

  • 還元率の高いトーナメントを優先する

  • 一時的な成功に惑わされず、長期的視点でプレイを続ける

ポーカーはスキルゲームであり、長期的に勝ち続けることが可能なゲームです。しかし、それを実現するためには、バンクロール管理という基礎的な部分を徹底し、安定してプレイを継続できる環境を構築することが不可欠です。



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