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わかりやすく話すための7箇条
コンサル時代に何度も、それこそ数えきれないくらい「お前の話はわかりづらい」と指摘されました。
会議が終わるたびに「貴様は"~だと思う"という表現を10回使っていた。ちゃんと言い切らんか」と怒られる。
そんな日々を過ごしていたので、大変ありがたいことに、たくさんの生々しいフィードバックをいただいたわけです。
そんな大量のフィードバックを集約してまして、「この7つを守れば及第点は取れるな」と思ったポイントをまとめました。
X(Twitter)でも万バズ(いいね!が1万をこえる投稿)までいったので、それなりにいい事を言っているはず。
コンサル時代の鬼上司に「話すときに絶対守って」と言われた7箇条 pic.twitter.com/jmmXL0R7It
— もとやま📚著書『投資としての読書』 (@ysk_motoyama) September 16, 2024
万バズいったので、改めて背景ふくめて詳しく解説してみました。
①「結論から話す」に固執しない
よく「結論から話しましょう」と書いてある本がありますが、この教えは半分合っていて、半分間違っています。
普段からよくやりとりしている上司とか同僚であれば、結論から端的に伝えたほうがスムーズでしょう。
なぜなら、同じ程度の情報量をお互いに共有できているからです。普段から同じ景色を見ている仲間であれば、前提情報を端折っても「あれ」「これ」で伝わります。
一方で、前提や持っている知識レベルが違う相手に対して、結論から伝えたとしても、相手には理解してもらえません。
例えば、営業業務の効率化のためにどのツールを導入するか、検討していたとしましょう。
そして、月1回しか接点がないような2~3階層上の偉い人に、いきなり「結論、Aというツールを導入したいと考えています」と伝えても、偉い人から「え?何のことだっけ?」と言われることがあります。
自分と相手の脳内にある「前提知識」は揃っているか?を考える
2~3階層上の偉い人は、あなた以外にも、50人とか100人とかから日々報告とか相談をされているわけです。
あなたが行っている「営業業務の効率化に向けたツールの検討」という案件は、偉い人からすれば100分の1の案件にすぎないんですよ。
そんな中で、いきなり「結論、Aというツールを導入したいと考えています」とだけ報告されても、偉い人は困るだけです。(たまに恐ろしいくらい記憶力が高いスーパーマンもいますが)
あるいは、ITリテラシーがほとんどない相手に対して「我が社に導入しているSalesforceですが、最新版のLightning Experienceを使うユーザーを増やすべきです」と結論だけ伝えても、相手からするとただただ理解不能でしょう。
なぜなら、結論を理解できるだけの前提知識が相手に備わっていないから。
したがって、常に「自分と相手の脳内にある前提情報は揃っているか」を気にしておかなければなりません。
前提知識が揃っている相手に対しては、結論から伝える。
前提知識が揃っていない相手に対しては、前提を共有したあとに結論を伝える
「結論から言うと~」という枕詞は不要
ちなみに、話が逸れますが・・・
よく枕詞を「結論から言うと~」で話し始める人を見かけますが、この枕詞は不要です。
枕詞なんてつけずに、結論から答えれば済む話です。
ちなみに、私も新卒で入社したばかりの時期に「結論、○○です」「結論から言うと、○○です」と枕詞をつけていました。
するとクライアントから「ああ、君はまだ、枕詞を矯正ギプス的に使わないと、結論から話せないフェーズなんだね。まあ、頑張って」と言われました。
顔が真っ赤になったエピソードTOP10には入る瞬間でしたね。
「結論から言うと~」という枕詞、ダサいんでやめたほうがいいですよ。
②事実と意見を区別する
事実と意見をごちゃ混ぜで話すと、聞き手にとっては理解不能な話に仕上がります。
例えば、次の会話を読んでみてください。
上司:「今日の商談だけど、お客さんはウチのシステムを入れてくれるって決めてくれた?」
ぼく:「そうですね、大丈夫だと思いますよ」
上司:「(は?大丈夫ってなんだよ)えっと、それは受注したということかな?」
ぼく:「いや、受注はしてないっすよ」
上司:「(何が大丈夫だよ。クソが)そっか。じゃあどうして大丈夫だと思ったんだい?」
ぼく:「お客さんがめっちゃ頷いて笑顔で聞いてくれていたからです。あと"社内で検討しときます"と言ってくれてましたよ」
上司:「(それ断り文句だって…)なるほどね。お客さんは何か懸念点については話していたかな?」
ぼく:「確かに、なんか不安そうでもありましたね」
上司:「(こいつ、ぶっ〇すろすぞマジで)えっと、不安だと実際に言っていたのかしら?」
ぼく:「いいえ、不安とは言ってなかったっすけど。でも、システムの初期設定にかかる工数について質問をいただきましたね」
上司:「そっか。初期設定の工数は説明したんだよね?」
ぼく:「はい、説明しました。そしたら納得してそうでした」
上司:「だ・か・ら・さ!実際に何て言ってたんだよ?おい!」
ぼく「ひえー、ごめんなさい(なんで怒られているか知らんけど)」
どうでした?上司目線に立つと、クソみたいにストレス感じますよね。
事実と意見を区別しない奴と会話していると、こんな思いをするんですよね。
事実と意見はちゃんと区別しましょう。
事実の価値を侮るなかれ
事実を集めるって誰にでもできそうなイメージがあって嘗められがちですけど、めちゃくちゃ価値ありますからね。
特に若いうちって、意見に耳を傾けてもらえないんですよ。
経験量が少ないので、当然っちゃ当然です。
だからこそ、事実で勝負するんです。
例えば、むかし官公庁の案件を担当したことがありまして。
とある省庁の政策がありまして、47都道府県でバラバラなフォーマットで調査結果がまとまっているわけですよ。
それを、目を真っ赤にさせながら、1つのフォーマットに集約して、分析結果を算出しました。
そしたらクライアントから超感謝されたんですよね。
他にも、紙で集めたアンケートを1つひとつ集計するとか。
意外とそういう泥臭い作業から、信頼を勝ち得て、「かっちょよくてビッグな仕事」を任せてもらえることもあります。
事実を集めることを、軽んじてはいけません。
意見(スタンス)は必ず示そう
事実の価値を上げに上げまくった後で恐縮ですが。
意見がついていないと、偉い人から「それで?」と一蹴されますからね。
賛成か、反対か
事実をどう解釈したか
解釈を踏まえると、どんな行動を次に取るべきか
…といった意見まで必ずセットで示したいところ。
事実と意見はちゃんと区別して。
さらにセットで伝える。
これが、わかりやすく、かつ納得感あるコミュニケーションの秘訣です。
③聞き手のNHKを事前に分析する
「NHK」
私の記事を読んでいれば、何度か耳に目にした言葉でしょう。
もう一度おさらいしておくと
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