シン・子育てと仕事
私はだめな父親でした。
いや、「でした」と言う過去形は正しくありません。
今もまだ自分の理想とする父親像には程遠い存在です。
それでも、子供を持つ親として、毎日子供と対峙しなければいけません。ときには、家内の力を借りながら、日々子育てと仕事と自分のやりたいことを追求してます。
多くの親、特に中高生以上のお子さんを持つ親御さんは、子供たちの姿を見ていると、将来不安でしかありません。もっと勉強してほしい。もっと自分軸を持ってポジティブに生きてほしい。こういった親の欲目とも言えるような願望を持ってます。
ときには、それが口から出てしまい、子供と口論になることも。
でも、それが普通の親だと思います。
世の中の99.9%は、私を含めて凡人です。
凡人は本人なりの考え方で、子育てをしていかなければいけません。
子供に夢を持って欲しい、将来人の役に立つ仕事をしてほしい、生き生きと元気になってほしい。
子供にとって1番身近な大人は親です。
でも、その親が夢を持ったり、人の役に立つ活動したり、生き生きと過ごしたりしていないと、子供たちは「な〜んだ。結局なんだかんだ言って、夢とか希望とか言うけども無理なんじゃん」って思ってしまいます。
なので、私はある時期から自分を変えました。
夢とか希望とかやりたいこととか、そういったことを口にして、子供たちと共有するようにしました。
そうすると、少しずつ変化が出てきました。
長男は、心の病気を抱えながらも、抗いつつ前に向きに学ぶようになっていきました。
高校でほとんど友達がいない次男は、ちょっと明るくなって、自分の趣味を見つけました。
三男は相変わらずマイペースですが、パソコンで音楽を作って、YouTubeにアップして、1万回再生を達成しました。
3人とも、それぞれやりたいことがやれるようになってきました。
子供と言うものは、いくら親が「挑戦しろ、失敗しても問題ない、がんばれ」と口で伝えても、理解してくれません。
挑戦して、うまくいかなくても、歯を食いしばって前に進む。そんな姿を見なければ、子供の心には響きません。ですので、子供の目の届くところで、そういった活動をする事は、子育ての観点からも重要だと思います。
今は多くの仕事がリモートで、自宅でもできるようになってきました。だから、子供たちも親がどんなふうに仕事をしているのかを見るチャンスがあります。以前、カナダで生活していた時は、休日になるとカフェでお父さんに連れられて、子供が絵本を読みながら、お父さんはパソコンで仕事をしながらと言う姿をよく見かけました。それぞれ興味が違う。でも同じ空間を共有すると言う事は、とても重要。
そう思ってから職場で仕事を終わらせてから帰るのではなく、自宅でもできる仕事は自宅でする。そういうスタンスに変えました。もちろん職場の方が仕事もはかどりますが、子育てと仕事をバランスよくやっていくためには、仕方がありません。
子供たちと夕食を食べる機会も昔に比べると圧倒的に増えました。休日に仕事に行く機会も減りました。もちろん収入が増えてると言うわけではないんですけれども、後から子供たちと過ごす時間をお金で買うことはできません。
お金を稼ぐということ自体の意味を考えると、子供とのかけがえのない時間を削ってでも仕事をすると言うのは、人生そのものの意義を見失ってるような気もします。
私は医療者ですので、仕事そのものが他人の命に関わってます。でも一方で、家族の存在と言うものは、私の存在意義でもあります。だから、残された子供と一緒に過ごせる時間を楽しみながら、かつ自分の夢を追い続けることをしています。
今一度、本当の意味で働くことと、家族と過ごす時間を考え直してみては、いかがでしょうか?