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妊婦さんの希望による帝王切開の是非

日本では経腟分娩が自由診療なので、妊婦の希望による帝王切開(CDMR: cesarean delivery on maternal request)は一般的ではありません。しかしながら近年、妊婦自身の主体的な出産において「希望すれば帝王切開をする」という文化が広まってきています。

これには医学的に賛否両論ありますが、国際産婦人科連合(FIGO)より声明が発表されています。

CDMRは、産科的または医学的な理由がない単胎妊娠に対して、予定期に実施される初回の選択的帝王切開と定義されます。CDMRを減少させるためには、妊婦とそのパートナーへの適切なカウンセリングが重要で、エビデンスに基づく情報提供が推奨されます。また、CDMR率を把握することで、CDMRそのものを減少させる重要な戦略と考えられます。

帝王切開そのものは、経腟分娩と比べて、出血量も多く、出産後の回復も遅い。医療コストという面では、どの国の医療制度においても高いデメリットがあり、安易に選択されるべきではありません。

しかしながら、医療消費者からのニーズが高まっていることも確かです。そのためにも、わかりやすく正しい情報を提供し、CDMRを最小限とすることは重要となるでしょう。

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