医師の給与
我々の生活は全て経済活動につながっています。また、経済的な不安定さは、質の低下にもつながります。しかしながら、なかなか日本では、給与について語られることが多くはありません。
医師働き方改革が進む中、当直業務(宿日直)に対する対価の設定が求められます。とはいえ、なかなかバランスを取るのは難しいです。
当直業務は,いくらが妥当?
以前働いていたカナダの病院。ユダヤ系だったこともあり、お金のバランスが絶妙でした。 医療業界が大変な一つの理由は「当直」。事実、医師の求人では「当直フリー」という文言が連なっています。
私が働いていた麻酔科では、週5日+当直ありの勤務による給与が100%とすると、当直なしは70%。さらに、週5日勤務は、週4日(-20%)、週3日(-40%)と選択できました。
この感覚は,実際に計算してみるとバランスがとれていることが一目瞭然。
週5日+当直あり=月100万円(年収1,200万円)
週4日+当直あり=月80万円(年収960万円)
週3日+当直あり=月60万円(年収720万円)
週5日+当直なし=月70万円(年収840万円)
週4日+当直なし=月56万円(年収672万円)
週3日+当直なし=月42万円(年収504万円)
週6日+当直あり=月120万円(年収1,440万円)
週6日+当直なし=月84万円(年収1,008万円)
*月100万円は、2021年の厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」による医師の平均年収は約1,248万円というファクトを参照。
このバランスが崩れてしまうと、不平不満がうまれてしまいます。実際に、いくつかの施設で、当直もしてフルタイムで働いている医師よりも、時短勤務者の方が優遇されているという不満は、しばしば見聞きします。 チームのリーダーは、そのあたりも考慮して、給与形態を決めていく必要があります。