2024/10/31 Apple FY24/4Q 決算

2024年10月31日に開催されたApple 2024年度4Q 決算のプレゼンテーション訳です。

Chief Executive Officer
Timothy Donald Cook

皆様、こんにちは。本日はお電話にご参加いただき、ありがとうございます。本日、Appleは94.9億ドルの収益を報告いたします。これは9月期としての過去最高記録であり、前年同期比で6%の増加です。iPhoneはすべての地域で成長し、このカテゴリの新しい9月期の収益記録を樹立しました。また、サービス部門も過去最高の収益を達成し、前年同期比で12%増となりました。

さらに、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、そしてアメリカ、ブラジル、メキシコ、フランス、イギリス、韓国、マレーシア、タイ、サウジアラビア、UAEなど、多くの国で9月期のセグメント別収益記録を更新いたしました。また、インドでの勢いには引き続き興奮を感じており、こちらでも過去最高の収益を達成いたしました。今年はAppleにとって革新の年となりました。2月にはApple Vision Proという革新的な製品をお客様にお届けし、未来の技術を今手に取っていただけるようになっています。

6月に、Appleは「Apple Intelligence」を発表しました。これは、生成モデルのパワーと個人のコンテキストを組み合わせ、非常に役立ち、関連性の高いインテリジェンスを提供する画期的な個人向けのインテリジェントシステムです。このApple Intelligenceは、Appleの革新における新たな章の始まりであり、プライバシーとAIの概念を再定義するものです。プライバシー重視のクラウドコンピュートを導入し、当社の革新的なプライバシーアプローチをクラウドに拡張しています。

今週初めには、最初のApple Intelligence機能セットを、iPhone、iPad、Macの米国英語ユーザー向けに提供しました。これには、文章を洗練させるためのシステム全体で使えるライティングツール、自然で会話的なSiri、説明文を入力するだけで映画を作成できるインテリジェントな写真アプリ、通知の要約や優先メッセージを通じて今この瞬間を大切にする新しい方法が含まれています。

さらに、12月にはより強力なライティングツール、新しいビジュアルインテリジェンス体験、ChatGPTとの統合、そしてイギリス、オーストラリア、カナダなど複数の国でのローカライズされた英語対応が追加される予定です。これらの機能はすでに開発者向けに提供され、好評を得ています。今後数ヶ月にわたりさらに多くの機能と言語サポートが展開される予定で、これはほんの始まりに過ぎません。それでは四半期の業績に移ります。まずはiPhoneからです。

iPhoneの収益は前年同期比で6%増加し、46.2億ドルとなり、9月期の過去最高記録を達成しました。全ての地域で成長が見られ、Apple Intelligenceの導入により、iPhoneの新たな時代が始まろうとしています。iPhone 16はA18チップにより、48メガピクセルの新しいFusionカメラや素晴らしい写真体験、アクションボタンとカメラコントロールが搭載されました。そして、iPhone 16 Proはこれまでで最も高度なiPhoneで、A18 Proによってさらに大きなディスプレイ、業界トップレベルのプロ用カメラシステム、スタジオ品質のマイク、そして大幅に向上したバッテリー寿命を備えています。

次にMacについてです。収益は前年同期比2%増の77億ドルとなりました。今週、私たちはMac向けの新しいAppleシリコン「M4」「M4 Pro」「M4 Max」を発表しました。これらの最新チップは、非常に複雑な作業を簡単にこなせるほどの高速性能と、Appleで最も高度なニューラルエンジンを備えています。これにより、最新のMacはAI対応のパーソナルコンピューターとして最適な選択肢となります。

新しいMacのラインアップでは、世界で最高で最も美しい一体型のiMac、スタートメモリが2倍になった世界で最も人気のあるMacBook Air、最高のプロノートブックであるMacBook Pro、そして初のカーボンニュートラルMacである驚異的な新しいMac miniと、お客様のニーズに合ったMacを選ぶことができます。iPadの収益は前年同期比8%増で、70億ドルとなりました。

iPadは今日の市場で他に類を見ない製品であり、今では家庭、学校、あらゆる規模の企業にとって欠かせないデバイスとなっています。最近、私たちはApple Intelligence向けに設計された超コンパクトなデザインの新しいiPad miniを、Apple Pencil Pro対応とともに発表できたことに喜びを感じています。今年はiPadにとって大きな年となりました。iPad Airは新学期に合わせて学生や教師に人気があり、クリエイターはM4チップ搭載のiPad Proで可能性の限界に挑戦しています。

ウェアラブル、ホーム、アクセサリー部門の収益は90億ドルで、前年同期比で3%減少しました。この四半期では、新しいApple Watch Series 10を発売し、美しい新しいデザインと新機能を世界で最も人気のあるスマートウォッチにもたらしました。これはこれまでで最も薄いApple Watchであり、最高で最も先進的なディスプレイを備え、さらに快適になりました。watchOS 11では、睡眠時無呼吸症候群の通知を含む重要な健康およびフィットネスの洞察を提供し、見過ごされがちな重大な症状の検知に役立ちます。

私たちは、Apple Watchの健康に関する革新が人々の生活に与える影響を誇りに思っており、人々の生活に重要な役割を果たしているという感謝のメッセージをいただくたびに感動しています。AirPods 4では、快適さとデザインにおいて新たな地平を切り開き、初めてアクティブノイズキャンセリングを備えた最高のオープンイヤーヘッドフォンを提供しています。さらに、AirPods Pro 2では、聴覚保護、聴覚テスト、補聴機能を含む革命的なエンドツーエンドの聴覚健康機能を発表できたことを非常に嬉しく思います。これらの機能は今週のソフトウェアアップデートで利用可能となり、ユーザーの生活に有意義な変化をもたらすと信じています。

お客様から「人生が変わった」との声をいただき始めています。そして、Apple Vision Proは、これまで不可能だった特別な体験を提供し続けています。新しい短編映画『Submerged』のような没入型エンターテイメントでは、空間コンピューティングによって可能となる独自のストーリーテリングの力を実感いただけます。Vision Proには2,500以上のネイティブ空間アプリと、visionOS 2に対応する150万以上のアプリがあり、企業が業務の再構築を目指して開発中のアプリも数多くあります。Vision Proはユーザーに驚きと感動を提供し続けており、まだ可能性の一端に触れたに過ぎません。

そして昨日、Vision Proを韓国とUAEでも展開することを発表しました。先ほども申し上げたように、サービス部門は収益で過去最高の250億ドルを達成し、前年比で12%の増加となり、ほとんどのカテゴリで過去最高の収益記録を更新しました。Apple TV+では、素晴らしいストーリーテリングを披露する才能ある制作者たちの作品を称えることに情熱を注いでいます。視聴者は、『Wolfs』のような新しい映画の発見や、『Disclaimer』といった評価の高い新シリーズの視聴、さらに『Slow Horses』や『Shrinking』などの人気シリーズに再び浸ることを楽しんでいます。

Apple TV+の作品は、現在までに2,300以上のノミネートと500を超える受賞を達成し、授賞式の常連となっています。Appleはまた、MLSシーズンパスを通じて、独自のライブスポーツ体験を提供しており、加入者はMLSカッププレーオフでお気に入りのチームを応援しています。今月はApple Payの10周年も迎えました。Appleデバイスで、日常の買い物や映画のチケットをシームレスに購入できるという体験には、常に魔法のような魅力があります。

現在、Apple Payは世界中の数千万の小売店で購入に利用されており、私たちは、クレジットカードやデビットカード、その他のローン提供者から報酬ポイントを利用したり、分割払いでの支払いが可能になることで、Apple Payの体験がさらに向上することを楽しみにしています。特別な瞬間を祝うとき、Apple Storeはお客様とその喜びを分かち合う最高の場所です。9月の新製品発売日には、Apple Fifth Avenueのチームと一緒に多くのエネルギーと熱意を感じながら素晴らしい時間を過ごしました。

世界中のApple Storeでも、お客様が最新の革新に触れることを楽しみにしています。この四半期には2つの新店舗を開設し、さらにインドには4店舗をオープンする予定で、心待ちにしています。私たちは教育への情熱を持ち、技術が教師が生徒を刺激する手助けをしたり、生徒が周囲の世界について学ぶ役割を担うと確信しています。世界教師デーに合わせ、Appleは教師が生徒を簡単で楽しく学べる方法で指導できる新しいリソースを提供できたことを誇りに思います。

さらに、教育助成プログラムを100の新しい学校や地域に拡大し、技術へのアクセスから教師用リソース、奨学金や経済的支援に至るまで、さまざまなサポートを提供しています。年末が近づくにつれ、私たちは2030年までに全事業のカーボンニュートラルを実現するための進展を誇りに思っています。先ほども述べたように、最新のMac miniで初のカーボンニュートラルMacを発表できたことに大変嬉しく思っています。さらに、すべてのApple Watchにもカーボンニュートラルオプションを選択できるという新たなマイルストーンも達成しました。

これらの成果は、Appleの全員にとって素晴らしいものであり、私たちは2030年の目標達成に向けて全力を尽くしています。Appleでは、常に次に来るもの、次の大きな挑戦、次の革新的なアイデア、次の大きなブレークスルーを考えながら、長期的な視点で経営しています。年末を迎え、Apple Intelligenceをはじめとするこれまでで最高の製品ラインアップを揃え、ホリデーシーズンに臨みます。Apple Intelligenceは、私たちの製品の新たな章の始まりを示しており、生成AIが可能にする未来の始まりにすぎません。これからの展開にとてもワクワクしています。

Lucaに引き継ぐ前に、Apple内で新しい役割に移行するルカにとって、今回が最後のコール参加となりますので、彼のCFOとしての特別な貢献に敬意を表し、彼とのパートナーシップに深く感謝の意を表したいと思います。この10年間、ルカはAppleの今の姿を築く上で本当に素晴らしい仕事を成し遂げました。

彼はAppleを長期的に見据えて慎重に管理し、世界中の多くの人々の生活を豊かにする手助けをしてきました。彼は多くの人々が目標とし、多くを学んできたリーダーです。新しいCFOであるケヴァン・パレクをとても信頼しており、皆さんがこれから彼と会い、共に仕事をすることを楽しみにしています。それでは、Lucaに引き継ぎます。

Senior Vice President, Chief Financial Officer
Luca Maestri

皆さん、こんにちは。そして、Tim、温かいお言葉をありがとうございます。AppleのCFOとして務めることは、本当に光栄で素晴らしい旅でした。また、投資家の皆様やアナリストの皆様からの長年にわたるご支援に心から感謝しています。ケヴァンは優れた人材で、今後、皆様が彼との交流を楽しんでいただけると確信しています。それでは、当社の第4四半期の業績をご紹介いたします。

当社は、9月期の収益が前年比6%増の949億ドルとなり、新記録を達成できたことを大変嬉しく思います。追跡しているほとんどの市場で成長を遂げ、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域で9月期の収益記録を更新しました。製品収益は前年同期比4%増の700億ドルで、iPhone、iPad、Macの成長が主な要因です。顧客満足度とロイヤルティの非常に高いレベルに加え、当社製品を初めて使用する多くのお客様のおかげで、アクティブデバイスのインストールベースは全製品および全地域で過去最高を記録しました。

サービス収益も過去最高の250億ドルに達し、前年同期比で12%増加しました。先進国および新興国の両方で二桁成長を遂げ、ほとんどのサービスカテゴリーで記録的な成果を挙げるなど、世界中で幅広い強さを見せました。会社全体の粗利益率は46.2%で、ガイダンス範囲の上限に近い水準です。製品の粗利益率は36.3%で、主に有利な構成により四半期ごとに100ベーシスポイントの上昇となりました。

サービス部門の粗利益率は74%で、前四半期と変わりません。営業費用は143億ドルで、四半期初めに提供したガイダンス範囲の中央値に位置し、前年比6%増加しました。この四半期中、欧州一般裁判所による国家援助判決の取り消しの影響に関連する一時的な所得税費用として102億ドルを計上しました。この一時的な費用を除くと、純利益は250億ドル、希薄化後の1株当たり利益は1.64ドルとなり、前年同期比で12%増加し、9月期の新記録となりました。

営業キャッシュフローは268億ドルと非常に強く、こちらも9月期の新記録を達成しました。次に、各収益カテゴリーの詳細に移ります。iPhoneの収益は462億ドルで、前年同期比6%増加し、米国、中東、韓国、南アジアを含む複数の市場で9月期の新記録を達成しました。iPhoneのアクティブインストールベースも、全体およびすべての地理的セグメントで過去最高を記録しました。

9月期には、多くのiPhoneモデルが世界中でトップセリングのスマートフォンにランクインしました。Kantarの調査によると、iPhoneは米国、中国の都市部、イギリス、オーストラリア、日本でトップセリングモデルとなりました。また、iPhone 15ファミリーの顧客満足度は引き続き高く、米国では451 Researchによる最新の調査で98%と評価されています。Macの収益は前年同期比2%増の77億ドルで、これはMacBook Airの強さが主な要因です。

お客様はMacでのAppleシリコンのパフォーマンスを大変気に入っており、最新のM4チップファミリーをラインアップに加えることにとても興奮しています。Macのインストールベースは過去最高に達し、この四半期でMacを初めて購入したお客様が約半数を占めました。また、451 Researchの最新レポートによると、米国での顧客満足度は95%でした。iPadの収益は70億ドルに達し、前年比8%増となりました。

先進国での成長に加え、メキシコ、ブラジル、中東、インド、南アジアなど多くの新興市場でも二桁の成長を遂げました。iPadのインストールベースも過去最高を更新し、四半期中にiPadを購入したお客様の半数以上が新規ユーザーでした。また、米国での顧客満足度は97%と最近測定されています。ウェアラブル、ホーム、アクセサリーの収益は90億ドルで、前年比3%減少しました。

Apple Watchのインストールベースも過去最高に達し、この四半期でApple Watchを購入したお客様の半数以上が新規ユーザーでした。451 Researchの最新レポートによると、米国でのApple Watchの顧客満足度は96%でした。サービス部門の収益は過去最高の250億ドルに達し、前年比12%増となりました。サービス部門は、アクティブデバイスのインストールベースの成長が将来的なエコシステムの拡大の基盤を築く中で、強い勢いを保っています。

サービス提供に対するお客様の関心はさらに高まっており、取引アカウントと有料アカウントの双方が過去最高を記録し、有料アカウントは前年比で二桁成長を遂げました。有料サブスクリプションも二桁成長を示しており、現在、当社プラットフォームのサービス全体で10億以上の有料サブスクリプションがあります。これは、わずか4年前の2倍以上の数です。

また、Apple Arcadeの新しいゲームやApple Payによる分割払い機能「Tap to Cash」、Apple TV+での成功を収めた新番組や復活番組など、サービスの幅と質の向上に引き続き注力しています。この四半期にはApple Cardの5周年を祝いました。Apple Cardは、J.D. Powerによるコブランドクレジットカードの顧客満足度で4年連続の第1位に選ばれました。

エンタープライズ市場に目を向けると、当社の製品およびサービスに対する強い需要が続いています。NVIDIAはAppleCare for EnterpriseとApple Professional Servicesによるサポートのもと、Macを選択するプログラムを導入し、10,000台以上のMacが世界中で導入されています。また、グローバルな製薬会社であるノバルティスは、すべての従業員向けの標準モバイルデバイスとしてiPhone 16を採用しました。

Apple Vision Proはエンタープライズ分野でも勢いを増し続けています。UCサンディエゴヘルスは、手術室で患者の手術のための空間コンピューティングアプリをApple Vision Proで臨床試験する世界初の病院です。次に、当社のキャッシュポジションと資本還元プログラムについてご説明します。四半期末時点で現金および市場性証券は1,570億ドルに達しました。

満期を迎えた債務を26億ドル返済し、コマーシャルペーパーを70億ドル増加させ、合計債務は1,070億ドルとなりました。結果として、四半期末のネットキャッシュは500億ドルでした。この四半期中に、株主に対して290億ドル以上を還元しました。その内訳は、38億ドルの配当および同等額と、公開市場での1億1,200万株のApple株の買戻しによる250億ドルです。12月期に向けて進む中で、冒頭でSuhasiniが言及した将来の見通しに関する情報も含めて、当社の見通しをお伝えしたいと思います。

本日お伝えする見通しは、今四半期における当社の予測が前提としており、マクロ経済の状況がこれ以上悪化しないことを想定しています。12月期の当社全体の収益は、前年比で一桁台前半から中盤の成長を見込んでいます。サービス収益については、2024会計年度で報告した成長率に近い二桁成長を期待しています。粗利益率は46%から47%の間になると予想しています。

営業費用(OPEX)は153億ドルから155億ドルの範囲になると見込んでいます。営業外収益および費用(OI&E)は、少数株主の投資に対する時価評価の影響を除き、約2億5,000万ドルのマイナスになると予測しています。また、税率は約16%になると見込んでいます。最後に、本日、取締役会は2024年11月11日時点の株主を対象に、1株当たり0.25ドルの現金配当を11月14日に支払うことを決定しました。それでは、ご質問をお受けいたします。

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