国際バカロレアの学びの基盤「知の理論」②

国際バカロレアの学びの基盤「知の理論」=「Theory of Knowledge(TOK)」をまとめてみる。

 現行TOKでも新TOKでも「知識とは何か」に代表される知識に関する問い(KQ: Knowledge Question)の探究がTOKの中心を担っています。ですので、KQについて理解することがTOK理解への第一歩などと確信しています。あまりにも重要すぎるがゆえに新TOKではこのKQに対する扱いが大きく変わったように感じました。


 さて,TOKで「知識とは何か」を探究するんだ,とだけ言うのは,栢野が担当している物理で「自然とは何か」とだけ言うのと変わりがありません。次の一歩として我々は,その問いをより具体的なものに変化させていくという手法を取ります。例えば「物体の運動に隠された規則は何か」という問いに取り組むことによって,自然の一部分について理解しようとします。それを積み重ねることによって,最終的に自然全体の理解に近づこうとしているのだと考えています。

では、「知識とは何か」を明らかにするための問いとは…

「私たちはどのようにしてそれを知るのか」

 すべてのKQはこの問いの言い換えでしかありません。TOKの学びの中ではこの問いから派生した問いを探究していくことになります。

 この問いの派生のさせ方は次回以降に譲るとして、具体的な問いの紹介を。TOKでは、「知識とは何か」の理解に近づくために,「ある知識の応用限界を我々はどのように知るのか」「直感的に生み出された知識と理性的に生み出された知識との価値は異なるのか」「有効なエビデンスとは学問領域によって異なるのか」といった問いの探究を行っていきます。
 TOKでは,これらの問いを探究することによって帰納法的に知識への理解を試みているように感じています。

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