時間について
春です。
ついこないだまで朝の4時なんて真っ暗だったのに、最近はうっすらと地平線に光が指すようになりました。そう、朝4時に起きなきゃならない。あーあ、鉄道事業の辛いとこね、これ。
さて、今回は鉄道業界において、鉄の掟である『時間』についてです。
日本の電車の運行ダイヤは世界一精密、なんて言われていますが、それは鉄道会社のこの『時間絶対主義』が大きく関係しています。
まず、始業時間。
1分遅刻したらアウトです。
上司による事情聴取が始まります。
昨日はどんな活動をして、何時に家に帰ってきて、何時に寝たのか。
酒は飲んだのか。
朝は何時に起きたのか。
目覚ましは何個セットしたのか、などなどなど。
場合によっては反省文です。
運行に関わる現場はさらに大変です。
分刻みどころか秒単位での仕事。
実は電車は15秒単位(首都圏は10秒単位)で運行されているため、20秒早く発車するだけで会社が謝罪する事態となります。
いやいや、20秒くらい問題ないでしょ?
と、普通は思うかもしれません。
実際BBCなど海外メディアでもこの謝罪事件は取り上げられました。
、現役の運転士の立場としては、本質は『20秒』にあるのではない、と考えています。
問題は、普段とは違う『20秒』の時間差に、『気付けなかった』ことにあるのです。
鉄道の運行はルーチンワークです。
普段は信号は青だし、標準時間が定められているので、運転操作も基本的に変えません。
しかし、例えば普段は青信号のところが、事故で赤信号だったとしたら?
それに『気付かず』、停止しなかったら?
最悪の場合、脱線、転覆、そして対向列車と正面衝突という事態もあり得ます。
だからこの『20秒』事件の謝罪は、鉄道関係者は当然であると感じているのです。
さて、今回は『時間』について書かせていただきました。
鉄道会社に勤めるものとして、時間は絶対!
そう、このコラムの締切もね!
この時点で締切まであと、15分···!
なんとか間に合いますように!
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