Bリーグの数字の話⑨Bクラブ2023-24決算分析

今年もこの時期がやってまいりました。
Bクラブの決算情報が開示されました。

https://www.bleague.jp/files/user/about/pdf/financial_settlement_2023.pdf

Bリーグでは毎年、各Bクラブの決算情報を開示してくれていますので、各クラブの経営的な傾向を分析してみようと思います。
目新しいことも時間がなくてできないのですが、毎年楽しみにしてくれている一部の方(ホント数人かなと)のために今年もやります。

前提としまして、以下の点にご留意ください。
①数字はあくまで"傾向値"です。点で見ても判断は難しく、他社との比較で判断する必要があります(普通の企業と一緒です)。
②Bリーグで開示されている財務情報は2023-24シーズンのものになりますので、現在進行しているシーズン(2024-25シーズン)のクラブの状況とは異なります。
③全Bクラブ(38)の情報が開示されていますが、B1クラブ(24)に絞って分析しています。

開示されている数字と分析したデータ

まず、先ほどご紹介したBリーグが開示している各クラブの経営情報を活用しています。
プラス、「平均入場者数」「勝率」「SNS(Xフォロワー数)」を使っていますが、「平均入場者数」「勝率」は公式データ、「SNS」は公式なデータをみつけることができなかったので、ネットの有志による開示データを利用させていただきました。

できあがったデータが以下になります。

視認性を向上させるため、数値上位3クラブを青セルに、下位3クラブを赤セルにしています。青っぽいクラブは経営的に優秀、と捉えてください。
また「ランキング」というカテゴリは、主要項目についてランキングを表示させています。
こちらには加えて、上位次点の3クラブは薄青色セル、下位次点の3クラブは薄赤色セル、にしています。

上位に変動アリ。そして戦国時代へ…

Bリーグ黎明期から続いた3強時代(宇都宮、千葉J、琉球)、その後、川崎、A東京が加わり昨シーズンはトップ5を形成したわけですが、2023-24シーズンは順位の変動が見られます。
まず琉球とA東京は相変わらず。
そして宇都宮、千葉Jが若干ですが、トップ帯から少し落ちてきています。(とは言っても安定感はバツグンですが)
さらに川崎は、中位帯にランクを落とした格好です。

状況的には経営が悪化したというよりは「周りのクラブがどんどん経営を強化してきている」ため相対的に順位を下げた、とみるべきかと思っています。
だって20億円超のクラブがすでに10クラブありますからね。
まさに戦国時代で突入です。

売上高・チーム人件費率(チーム人件費÷売上高 %)

そして私がいつも注目しているプロスポーツクラブのバロメーター、売上高・チーム人件費率を見ていきましょう。
売上高・チーム人件費率の説明は👇

2023-24シーズンの平均は39.9%でした。
2022-23シーズンは44.6%でしたので、もしかするとBリーグはじまって以来の前年割れかもしれません。
昨シーズンも横ばいで、今年は減少。

現象の原因としては、おそらく「計画よりも売上が伸長して、相対的に率が下がった」だと思っています。
昨シーズンは集客も飛躍的に伸び、ビジネス的には大成功だったBリーグ。
おそらくここまで盛り上がることは、さすがに各クラブ予想してなかったと思います。よきこと、ですね。

プレーオフ進出にはいくら必要か?

プレーオフ(上位8チーム)に進出するためには、どのぐらい投資したら良いか、を見ていきます。
2022-23シーズンのボーダーは6.5億円と見ていましたが、2023-24シーズンはまた値上がりしまして、8.5億円は必要だったという結果に。
昨シーズンの記事で「来年は8億円ぐらい」と予想していましたが、的中しましたね🎯

まとめ

①Bクラブ経営は、戦国時代に突入(どのクラブも経営頑張ってます!)
②売上高・チーム人件費率は前年割れの40%
③プレーオフ進出にはチーム人件費に8.5億円の投資が必要

今シーズンはもしかすると、2,023-24シーズンの飛躍を受けて、積極的に「投資」に転じるかもしれませんね。
また来年の今ごろが楽しみになってきました!

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