これからeスポーツに業務をシフトさせるときに意識したいこと
これまでは、スポーツビジネスのバックオフィス業務をメインとしながら、
数年前からeスポーツ事業を兼務する、という形で何とかやってきましたが、対応はできるものの、どちらもスピード/精度が鈍化し、それぞれにとってよろしくない、と判断しました。
じゃあどちらにシフトするの、どちらを捨てるの、となったときに、後任が確保しやすい、という点も考慮しましたが、最終的には自分がやりたいことを選択しました。
この選択を了承してくれた会社には本当に感謝です。
1年ほどかけて徐々に業務を引き継ぐ予定です。
引継ぎをしながらも頭の中はeスポーツ事業でいっぱいなのですが、eスポーツ事業に携わるにあたり、意識していること、意識していきたいこと、をまとめます。
①eスポーツで稼ぐことにこだわる
この数年、eスポーツ界隈に身を置き、いろいろなチームを見てきました。
北海道の他、地方にも本格的なeスポーツチームも登場し、トップシーンでも活躍されています。
ただ、関東圏の一部のチームを除き、ほとんどがオーナーさんの情熱と財力の上に成立しているチームです。
オーナーさんのポケットマネーや別事業での稼ぎを投入し、選手を養っているような状況です。
情熱のあるオーナーが勝つために私財を投じ、高額な選手に、高額な機材を用意してくれる…。
この状況は一見、選手にとって良さそうに見えますが、私はよろしくないと考えています。
オーナーさんの情熱がなくなり、またお金がなくなった時点で、そのチームは終了するから、です。継続性の問題です。
eスポーツ事業もスポーツビジネスには変わりなく、しっかりと稼ぎ、その稼ぎの中から適正な投資をする、この循環を作ることが、継続性を生み、安心して選手が所属できるチームになる、と考えます。
eスポーツで稼ぐにはどうしたら良いか、ここにこだわりたい。
そして関東圏のトップチームと同じことはできない、とも思っていますので、地方チームとして何ができるか、地方チームしかできない事業があるのではないか、そこを追求したいと思っています。
自分がいなくなっても、チームはなくならない、選手が路頭に迷わない、そういうチームにしたいです。
②選手の強さ以外の魅力を創る
チームを持ってから、所属選手と契約を更新しない、という判断を数回しています。
契約更新する/しないの判断は大変難しいものですが、
"強さ(ゲームの上手さ)"以外、何も持っていない選手が試合で勝てない場合、その選手とは契約更新しない、という判断しかできない、ことに気づきました。
何故なら、彼の特長は試合で勝つことでしか証明されず、勝てなかったら何もないから、です。
当然、チームを退団してからも、ゲーム以外にできることはなく、次へのチャレンジは相当難しいものになります。
その状況を目の当たりにしたときに、チームとしても何もしてあげられなかった、とものすごく後悔しました。
なので今所属している選手たちには、強さ以外の武器を持たせてあげたい、と思っています。
動画が編集できる、ライブ配信ができる、イベント/大会運営した経験、おしゃべりがうまい、、、
もしプロじゃなくなっても、プロでの経験が糧となり、次のチャレンジにつながる、そういう取り組みをしたいです。
③成長を見せる、魅せる
自分自身、『アイデアとストーリーを生み出す仕事』をしたいと思っています。
eスポーツにかかわった当初、関係者の方が『プロチームは成果か成長を見せるべき』とおっしゃっていて、今でも本当にその通りだな、と思っています。
成果はもちろん勝つことですが、勝ち続けるのは本当に難しいです。
ただ成長は自分たちの意識だけで、いつでも見せることができる、チームと選手の成長する様を、たくさんの人に見てもらいたい、と思っています。
大事なのは、まずチームを成長させること、そしてそれを皆さんに届けること、だと考えます。
アイデア、ストーリー、プロセス、、、をしっかりを見せる仕掛けをしていきたいです。
最後に、スポーツビジネスに携わりたい方、たくさんいらっしゃいますが、
eスポーツはリアルスポーツと比較しても初期投資が少ない、選手が遠方でも成立するなど長所がある一方で、ビジネス構造は類似しているため、スポーツビジネスのとっかかりとしては、非常にコンパクトに経験できる良環境だと思いますので、
是非、興味を持ってもらえたら嬉しいです。