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龍が如く7感想:好きだけど、荒いところが気になった作品。好きだけど、過去作よりは評価低め。

ちょこっとネタバレあります。



龍が如くシリーズは、0,1,2,3,4,5,6をクリアし、クロヒョウをクリアしてきました。ついに龍が如く6をクリアしたので、最新作7を買い、遊んでみたのですが、結論から言うとあまり自分には合わなかったかな~というところです。

そう思う一番の原因は、物語のご都合主義的なところを感じてしまったところ。目的の人物を探していたら、偶然にも近くのbarに入っていくところをその場で目撃するとか、目的の場所に入ろうとしたら入り口が封鎖されていたことを知った瞬間、「そういえば昔どこどこのビルのエレベーターを使っていた、あそこは知ってる人が少ないから封鎖されていないはず」など..。.

このあたりは、作中に何度も出てきている「ドラクエ」というか、90年代RPGの、次々と目的地が提示される感じと似たような印象だったのでもしかしたらそこをモチーフとしているのかもしれません。しかし、それにしてもプレイヤー側からすると考える暇もなく次の目的地が提示されていたので、理解が追いつく前に話が進み、気持ちが入りにくかったかなと思います。

また、個人的な印象ですが声優さんの演技もちょっと気になるところがありました。
なんか棒読みっぽいな...と感じるキャラクターがいることで、話が頭に入らないということもあり、これはゲームプレイ中ずっとつきまとっていました。もちろん個人差はあるので、まさに「自分には合わない」という感じでした。

戦闘がコマンド式になったのは賛否両論だと思いますが、どちらかというとエンカウントの多さが面倒でした。また、技による強さや敵とのバランスもやや粗削りに感じたこと、敵との位置調整が困難なことなどから、終盤はほぼ強力な範囲技や極み系の技でごり押しが続きました。それはそれでひとつのコマンド戦闘の形なのですが、この戦闘の形だとどうしても他のコマンド戦闘RPGと比較してしまうので、評価的には低くなってしまう部分でした。
職業も同じで、確かにドラクエ的ではあるのですが、逆に各キャラの個性という部分が活かされきれないシステムになってしまっているのではないかなと思います。男女の差以外にどんな区別がつけられるのか、ちょっと実感することが出来なかったです。


物語としては、横浜から神室町までのストーリーの流れは非常に良く練られているなと思いました。
特に、東城会と近江連合の今後についての大きなシーンはまさに一番の盛り上がりで、シリーズキャラの登場も相まって素晴らしかったです。
ただその分、ちょっと細かいところが気になるというか...。
例えば、再序盤の「若が歩けなく、薬を使って一時的に歩けていた」という設定、必要だったでしょうか。あの薬の副作用とか、何かがきっと影響してくるのだろうと思っていましたが、手術して治った、ということで片付けられているのはもったいない気がしました。もちろん、その後の若の考え方やあの日の事件に影響していることはそうなのですが、インパクトのある設定な分惜しいように感じました。

というか、どうしても、過去作品のキャラクターに比べると今作のキャラクターの個性が薄い気がしたんですよね。
例えばシリーズ途中から参加した冴島なんかは、じっくり数時間をかけたからこそ、物語の中の地位を確立しています。
だからこそ、各登場キャラクター、操作可能なキャラクターにももう少しじっくりと時間をかけた設定、感情移入出来る設定が欲しかったように感じました。まあでもそこはやはり、どうしても声優さんの演技が気になってしまったので私にはちょっと難しかったのかもしれません。
あと、メインストーリーで結構な額のお金を集めるミッションがありましたが、あれって面白かったんでしょうか。これは他の人も意見も聞いてみたいなと思いました。私はやや苦痛寄りで、攻略サイトを見ながら時間をかけてなんとか達成しました。攻略サイトが無かったらもしかしたら投げ出していたかもしれなかったです。龍が如くシリーズはいつも「セレナへ向かえ!」とか、「ミレニアムタワーへ向かえ!」なんかの、プレイヤーの誘導が懇切丁寧な印象だったので、「じゃあお金集めてね。やり方は自分で探してね」というこのミッションは驚いたと同時に、少し辛かったです。


ミニゲームの作りこみは圧巻です。
レースゲームなんかはミニゲームの域を超えていましたし、会社経営なんかもじっくり考えるだけではなく、株主総会ではまた別タイプのミニゲームも混ざってくるという充実っぷり。その作りこみは素晴らしかったです。
これって、メインストーリーが極道などのシリアスな話だからこそ、サブのイベントやクエスト、ミニゲームが「何やってんのww」と笑えるものになる対比があると思うんですよね。極道の怖い人が赤ちゃんになってバブバブ言ってるとか、桐生さんがタクシードライバーになってレースするとか、冴島がマタギになるとか。意味がわからないからこそ笑えるというか。
春日一番がそれをやるのも面白いんですが、でもやっぱり冗談一つ言えない桐生さんがそういうバカっぽいことをやるほうが、ギャップが生まれて面白いなあと思いました。
春日一番は、バカで熱くて仲間思いで行動する情熱派。もちろん桐生さんもそうなんですが、比較すると、前者はその思いを雄弁に語りどんどん行動するタイプ。後者は、特に語らないもののいざというときにはちゃんと行動し、多くは語らないタイプ。そんな風に感じました。
だからこそ、桐生さんのほうが行動一つ一つに重みがあるような印象だったんですよね。今作はそういう意味だと、もちろん春日一番はいいヤツなんですが、既視感のあるいいヤツというか、多くのRPGで見かける熱いキャラクター感が出てたんですよね。良くも悪くも。
そこを桐生さんと比較しちゃうと、やはり桐生さんの唯一無二感が勝って、ちょっと薄いキャラクターに成り代わってしまうなとはプレイしていて思いました。

なんやかんやと言ってしまいましたが、しかしこの作品のBGM、音楽は正直過去作品と格の違いがあるくらいいいものでした。
特にボスとの戦闘BGMはクラブミュージックを取り入れた非常にかっこいいものとなっていました。中盤で某強力な2体のボスと戦うシーンがあるのですが、そのシーンでの音楽は思わず曲名を探すくらいでした。


総評的には、決して悪い作品ではないんです。
物語も悪くない、むしろこの現実を模した舞台で、いくつもの展開を経て成り上がるのは他のゲームでは再現できない面白さがあります。コマンドRPGへの挑戦は、荒いながらも複数キャラの戦闘を可能にしたところは、殴る蹴るだけの戦闘から進化していると思います。

ただそれが過去作のインパクトを超えるかというとなんとも難しいかなと...。それもなんというか、龍が如くのナンバリング作品というところでハードルが上がってしまっていたかもしれません。
例えば、これが別シリーズ、ジャッジアイズのような展開の仕方だったらまた違った印象だったのかなと思います。

龍が如くシリーズは好きですし、東城会や近江連合のキャラクターが今後どうなっていくのか、今作であんな展開になった後にどんなストーリーが紡がれていくかは非常に気になるので、次回作も買うと思います。
龍が如く7自体は自分にはそこまでマッチする作品ではなかったですが、さらなる進化を遂げてきっと龍が如く8が出てくると思うので、期待して待ちたいと思います。

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yusuke3rd
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