(1)ルアーの動く仕組み
『なぜルアーが動くのか』
yusuiがルアーを作ることで得た
知識を基に書き綴った
『ルアーの動く仕組み』
なぜルアーは、潜ることが出来るのか?
ルアーが潜れる理由
何年もルアーを楽しんできた私ですが、ルアーを作るまで知らなかったことです。
多分この類いの文献はこらまでになかったように思います。
何故ルアーは潜るのか?
簡単に答えれば
『リップがあるからだろ?』
そんな簡単な答えだったら、誰でも知ってるような話。
ややこしいようでシンプルな答えにたどり着きました。
ルアーが潜る仕組み
ルアーが潜る仕組みを説明をする前にルアーの動きを現す『要素』があることを知ってください。
要素といっても、ただルアーを構成している『浮力』『形状』
『重心』『リップの形状』
『ラインアイ』といった、簡単なルアーの動きを現す要素です。
『リップ』
リップは、ルアーをロールさせる
(傾ける)力を発揮します。
リップの力が、ルアーをロールさせる力を発揮するのは、
ラインアイよりも下にある斜め前に突き出した、平面な板状の部分といいたいところですが、それは大半のルアーがそうであると付け足します。
ラインアイよりも下に、リップがなくても『頭の形状』次第でも、リップの効果を生み出すルアーもあるので。
リップという部分は、
ルアーをロールさせながら、
頭を水中へ引き込む力を発揮する、いわばリトリーブの引力に
抵抗する、平面やカールした板状の部分を示します。
※ルアーの動きを説明する為に、物凄く手抜きの図を用意しました。
簡単に頭・重心・テール3つの部位にわけてルアーの動きを説明します。
※頭を水中へ引き込む力を発揮するのは『リップの長さ』分の役割。
※ルアーをロールさせる力を発揮するのは『リップの幅』の部分の役割が、大きく影響します。
ルアーが潜る力を発揮するには
リップの長さも必要ですが
ロールさせる力(リップの幅分の力)が、重要になります。
※ここでリップの力の伝達について少し触れておきます。
リップがルアーをロールさせる力は
重心(支点)を介してテールへ伝わる。
リップの力が頭を水中へロールさせながら
引き込む力は『シーソー』のように、支点を介して
テールをロールさせながら押し上げようとする
反動が伝わります。
※『反動』と書いてしまいましたが、反動という言葉が適当なのか間違いなのかは知りません。
シーソーのように支点を介して
伝わる力の伝達のことを反動と記しています。
間違っていたらごめんなさい。
リップの力(リップの抵抗力)の伝達
※イメージをつける為に鉛筆を手に取り。
その鉛筆の『重心の位置』をつまんで軽く左右に振ってみてください※※※重心意外の場所をつまんで試すとわかりますが、バランスが悪いんです※※※
鉛筆の先端が転回すると、
重心をつまんだ指を中心に、鉛筆のエンドも連動して転回します。
反動を抑えるテールの抵抗
リトリーブされたルアーは、水中を進む分だけの『水圧』を受けることになります。
リップの力が、ルアーの頭を水中へ押し込みながらロールさせ始めると、その力は『重心(支点)』を介してテールへ伝わりますが、
テールは『リトリーブ速度分の水圧』の影響を受けながら転回します(テールは水の流れに逆らうように転回し始めます)
すると、リトリーブ速度分の水圧の影響を受けながら転回し始める
テールは、リップの力の反動を抑える抵抗になるというこです。
支点
ルアーが潜る力を発揮するのは
リップの力をテールに伝える支点(重心)の働きがポイントになります。
『ルアーが潜る仕組み』
『シーソー』
シーソーには、力を伝達する固定された支点が必要です。
力を伝達する『支点』は、両端に加わる分の重さを支えられることが必須になると思います。
支点がしっかりと固定されているから、押し下げる力が支点を介して、対象を押し上げる力として伝えられる。
ルアーもリップの力が重心(支点)を介してテールへと伝わります。
ですが
※ここが重要になります。
ロール運動を繰り返すルアーの
重心(支点)は、シーソーのように固定されていないということです。
『支えの無い支点』に加わる
リップの余力
『リトリーブ速度分の水圧』によって、リップの力の反動をテールに抑えられても、まだリップに
ルアーをロールさせる余力が残されていれば、その余力がルアーをロールさせながら水中へ引き込むことで、ルアーは潜る力を発揮します。
力の伝達
テコの原理
テコの仕組みを用て、重い物を持ち上げようとしても、そのテコの支点が柔らかいスポンジならばどうでしょう?
テコの支点には
『入力』と『対象物の重さ』が加わりますが、その支点が柔らかいスポンジであればどうでしょう?
『入力』と『対象物の重さ』を支えきれないスポンジの支点は
押し潰されてしまいます。
反対に、スポンジの支点を押し潰さないぐらい軽い物をテコの仕組みで持ち上げようとすれば、スポンジの支点は押し潰されずに、難なく対象物を持ち上げられます。
※反動を抑えるテールは、テコの仕組みでいう、持ち上げる対象物の『重さ』と同様の抵抗になります。
リップの余力
リトリーブ速度分の水圧に
反動を抑えられても、まだルアーをロールさせる力に余裕がある
リップの幅分の力を、リップの余力と表現しています。
テコの仕組みで物を持ち上げるのであれば
対象物を押し上げようとする力の反動を対象物に抑えられても、
まだ対象物を押し上げようとする力に余力があり、支点がしっかりと固定されているのであれば
その余力分の力が対象物を押し上げることができます。
ですが
ルアーの場合、その支点が固定されていないので、リップの余力分の力が、重心をロールさせる方向へ押し下げてしまうので、ルアーは潜ることができます。
実験
このルアーが潜る仕組みの答え合わせのような実験をしてみました
『実験内容』
※潜るルアーを潜れなくする実験(リップのワイド化)
リップの幅だけを広くする為に、プラ板で作ったワイドリップを既存のリップの上に張り付けてみました。
※テールに反動を抑えられにくいようにロールさせる力を強くしました。
その結果
テールに反動を抑えられにくく
なったルアーの潜行深度は浅くなりました。
※潜れないルアーを潜らす実験。
ロールさせる力の強いルアーの
テールのエンド部分に、フィンを下向きに取り付けるといった簡単な実験です。
ロールの強いルアーのテールエンドに、プラ板で作ったフィンを張り付けて、反動を抑える抵抗を強くしてみました。
その結果、反動を抑える
『リトリーブ速度分の水圧』+『後付けフィン』の効果によって最大の潜行深度が深くなりました。
この結果から、ルアーが潜る仕組みは、テコの仕組みと同じような力の伝達がされていると判断してもいいと感じています。
更に重心が支点とも言える動き。
それはリトリーブされたルアーの残像です。
その残像は、重心付近を中心に頭もテールも振るので、リトリーブされたルアーの残像は『X』や『Y』の字のように見えてきます(実際にご自身のルアーの重心の位置を確認してみて下さい)
この『ルアーが潜る仕組み』は
『リップの形状』『重心』『テール部分の形状や浮力』『頭部の形状や浮力』といったルアーの動きを現す要素のバランスが重要になります。
ここでルアーが潜る仕組みの説明は終わります。
ですが、まだここまでの説明は
ロール運動の半分の行程です。
『ロール運動の1サイクル』
左右交互にロール運動を繰り返しているルアーは『左のロール運動1サイクル』『右のロール運動1サイクル』を交互に繰り返しています。
『2行程』
ロール運動は
2行程の1サイクルで行われているという私の見解です。
※3行程の1サイクルといってもいいかもしれませが、2行程で済ませています。
1行程は、これまで説明してきました、ルアーをロールさせる
『リップの力の行程』であり。
その後は
ロールを始めたルアーを、
次のロール運動を始める位置まで引き戻すまでの2行程に移行します。
1行程で、リップの力はルアーをずっとロールさせるわけではなく。
リップがルアーをロールさせる力の効力が薄れると、2行程へと移行し始めます。
※リップの力が、ルアーをずっとロールさせていたら
ルアーは、リトリーブされている間ずっとクルクルと回り続けるでしょうから。
リトリーブの引力
リトリーブされるからルアーは
ロールしながら水中へ潜ります。
しかし
1行程で、ロールさせるリップの効力が薄れると、2行程へ移行します。
この2行程では、リトリーブの
引力が、次のロール運動を始める位置まで頭を引き戻し始めます。
(正確には、頭よりもラインアイを引き戻します)
次のロール運動を始める位置まで引き戻される頃、ルアーは垂直
バランスを取り戻すと次のロール運動へ移行します。
『ロール運動の1サイクル』
リトリーブすることや、水の流れに逆らうように放置することで、このロール運動を左右交互に繰り返します。
ここまでルアーが潜る仕組みと
ロール運動の1サイクルを説明しました。
なぜルアーは潜れるのか?
科学的でも物理的でもない
ただの私の見解です。
ご賛同頂けたら嬉しい限りです。
ルアーの動く仕組みは(7)で完結予定です。
※このルアーが潜る仕組みですが、最初に公開したものとは内容が異なります。
後読みしたら、自分でも何を書いてあるのか理解しにくかったことや、内容が複雑過ぎてよくわからなかったので、ザックリと編集しました。