【投資初心者向け】デリバティブVol.4 スワップ取引
前回のオプション取引の記事から少し時間が空いてしまいましたが、今回も引き続きデリバディブの種類の1つであるスワップ取引についてお伝えしていきます。
スワップ取引の概要
スワップ(swap)とは、交換や取り替えの意味を持ちます。スワップ取引とは金融機関同士が将来発生する金利などを交換し、お互い利益を得るような取引になります。金利スワップと通貨スワップが一般的に使われる取引です。
スワップ取引は金融機関同士が金利変動のリスクを回避を見越して急速に広まったことがきっかけで、一般企業や個人の金融商品にも広まっていきました。
金利スワップとは
金利スワップとはこちらの記事でも概要をお伝えしましたが、改めてお伝え致します。
金利スワップは、固定金利と変動金利で債務を抱えているもの同士が元本はそのままでお互い合意のもとで支払う金利だけを交換する取引です。
仮に現状の金利水準が2.5%だとします。そして銀行から融資を受けたA社はその時点では近い将来、金利水準が上昇すると予想して固定金利3%で借入を行っていました。しかし金利は上昇せず現状の水準のままでした。この金利水準がしばらく続くと考えたA社は水準よりも高い金利を払い続ける状態をよくないと考えておりました。
別で変動金利で借入を行っていたB社は、このあとは現状の水準よりも高くなると予想していたため、金利を固定して余計な支出を抑えたいと考えておりました。
銀行との契約を急に変更することは不可能ですが、A社とB社の思惑が一致したため、互いの金利のみを交換することにしました。A社がB社に対して、変動金利を払い、B社がA社に対して固定金利を支払います。
今後の金利水準が下落すれば、A社は金利おさえられます。そしてB社は逆に金利水準が上昇すると金利をおさえられます。
通貨スワップとは
通貨スワップとは、異なる通貨の金利と元本を交換する取引です。海外の資金調達に使われる取引です。
日本企業がUSDを必要している場合、アメリカの銀行から資金調達をすると考えるのが一般的ですが、アメリカの銀行からすると国の違う日本の企業は信用がないためリスクが高いと捉えられます。その影響で金利を高く設定されてしまいます。
また逆にアメリカの企業が日本円を必要としている場合でも日本の銀行から資金調達をしようとしても金利を高く設定されてしまいます。こういった場合に企業間同士で日本円とUSDの通貨スワップを利用して資金調達を行います。
日本の企業は日本の銀行から、アメリカの企業はアメリカの銀行から資金調達をそれぞれ行います。そしてお互いの企業同士で、同額の元本と金利を交換します。この通貨スワップを行う事で外国の銀行からの金利を安くおさえるながら資金を調達する事ができます。
まとめ
今回はデリバディブ取引の1つであるスワップ取引についてご紹介いたしました。個人でスワップ取引を行う方は少ないかもしれないですが、国同士や企業同士ですとスワップ取引に触れる事があります。
特に貿易会社や商社にお勤めの方などは深く関わる事があるかもしれません。本日も最後までお読み頂きありがとうございました。