優しさを教えてくれた人。
私が生まれて最初に言葉に優しさを感じたのは確か6歳の頃でした。
今でも何かある度にその言葉を思い出します。
何故ならその光景や言葉は後に私の人生のとても大きな原点となったからです。
私は幼い頃母方の祖父母と暮らしていました、私の父はいわばマスオさん状態。
そんなマスオさんな父ですが、言葉は少ないけれど、根っからのお人好し、私には沢山の愛情を注いでくれました。
私にだけでなく祖父母にも優しく、新築の一戸建てを建てる時は祖父母にもゆっくりしてもらえる様に部屋作りをした、と後に母から聞きました。
そんな父の母親が亡くなってしまってしばらくした時に、普段耳が聴こえづらくあまり言葉を発さなくなっていた祖母がリビングで新聞を読んでいる私の父のそばにスタスタと行き、こう言ったのです、
「今回は大変だったね、ほんとに、
私が代わりに逝けばよかったね」と。
私はあんなに小さかったのに、その光景と言葉は胸に突き刺さり、今でも本当に鮮明に覚えています。
その後に父が祖母にこう言いました。
「おばあちゃん、そんなこと言わないで
もう仕方のないことだから」と。
父も泣いていました。
祖母はスタスタとまた自分の部屋に戻っていきました。
私は何故か「私が代わりに逝けばよかった」と言った祖母のちょっと残酷的な言葉だけが耳に残り、「おばあちゃんもいつか死んでしまう!」と頭の中がいっぱいいっぱいになって、そう思うと涙がどんどん溢れてきたのを覚えています。
月日は経ちその二人のやり取りや言葉には、強い絆と信頼があったのだと、とても優しい気持ちで思い出すことが出来ます。
私の家族は何でも話せる仲良し家族って感じではないけれど、その光景を思い出す度に祖母を思い、会いたくなります。そしていつも背中で色んなことを教えてくれる父に感謝しています。
ありがとう、私の原点を作ってくれて
愛してるよ、おばあちゃん!
祖母は私の中で確かに今も生きています。
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