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トークイベント「学術書のつくられ方 組版と校正」を開催しました。

9月28日に「学術書のつくられ方 組版と校正」というトークイベントを高円寺の「本屋の実験室 本店」のスペースをお借りして行いました。
このイベントは、長年、有志舎の本の組版を担ってくださっている言海書房の水野肇さんをお迎えして、書籍(主に学術書)の組版の基本的な方法を解説いただくと共に、間違いの少ない組版を行ない、正確な本を制作するために、著者はどういう原稿を作成し、編集者は何をすればよいのか、またどうすれば円滑かつ正確に仕事を進められるのか、さらに、校正にあたってどのような点に注意すべきか、どういうことをしてはいけないのか、などをお話しいただいたものです。

ありがたいことに定員オーバーになるほどの方々にご来場いただき、なかには「もっと長い時間でもよかった」というご意見もいただけて嬉しかった(といっても、予定時間を超過して結局2時間もやったのですが)。

おかげで、若手研究者の方からは「書籍化にあたって、どういう原稿を作ればよいのか、そのマニュアルになってよかった」と言っていただいたし、編集者・校正者の方からは「自分の仕事をもう一回見つめなおせた」という感想もいただいて、本当にやってよかったと思いました。
何よりもこのイベントのためにわざわざ来ていただいた言海書房の水野さんに感謝申し上げたいと思います。

そして、何よりも知っていただきたかったのは、今のようなデジタル全盛の時代にあっても、学術書というものは著者・編集者・DTPオペレーター・校正者・印刷所と製本所の方々といった、実に多くのプロの人々の手を経たハンドメイド商品なのだということです。
右から左へ流して自動的につくられるものではなく、どの書籍もいわば人の手を経た「手づくり」の部分がいかに大きいか、です。

なお、このトークイベントはyoutubeで公開をしていますので、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=ymQaX76pNUM

※ご覧いただく際には、概要欄リンクにある資料をダウンロードしてご覧になりながら見てください。

また、10月26日(土)には同じく高円寺の「本屋の実験室 本店」で、7月から刊行開始した新シリーズ「問いつづける民衆史」についてのトークイベントも開催します。
第一回配本『朝鮮植民地戦争』の著者である愼蒼宇さんに加え、このシリーズの著者メンバー数名も駆けつけてくれることになりました。このシリーズの企画がどうやって始まったのかといった事から(裏話も含めて)、これからの歴史学について語り合いたいと思っています。

https://twitter.com/yushisha/status/1843106673193525535