食レポ|AKEBI
スマートフォンに眼を落としながら、柏駅前の通りを東下した。古着屋は列を作り、マクドナルドは人々を吸い込む。どこにでもある都市の日常がここにもある。
交差点を左に曲がり、モダンな外観の店を見つけた。目当ての「AKEBI」だ。重い扉を右に引いた。カウンターに並ぶ人々。購入した「中華そば」の食券を店員に渡す。入り口横のベンチに座り、順番を待った。
順番はすぐに訪れる。誘導され、長いカウンターに沿って奥に進んだ。照明を受けたカウンター。透明な仕切り。店外のモダンな印象は続く。
光沢のある白い丼が差し出される。琥珀色の透明なスープも光を受け、夜空に踊る星々のごとく輝きを放つ。醤油の香りが僕を誘う。レンゲですくったスープは冷えた身体の隅々まで浸透した。肉の猛々しさと魚介の洗練。その二つが一体となった味わい。
繊細な日本画を眺めるように、絹糸のような麺とみずみずしいタケノコは口の中で響く。そして、波を立てるようにチャーシューが新たな色を染める。身体の奥底に穏やかな熱が広がる。日立台へと向かう準備はできた。