適当なピクルス

青梅やらっきょうが出る頃、毎年ピクルスを漬けている。

キュウリ、セロリ、ミョウガは外せない。あとは気分とタッパーの隙間に合わせてにんじんや玉ねぎやパプリカなど。
ざくざく切って湯通しして、よく洗って乾かした筒型のタッパーに詰める。

ピクルスは大学生の頃からやり出したのだが、昔はちゃんと酢や砂糖を鍋で一度沸騰させて液を作り、容器も煮沸消毒した耐熱容器で、とかやっていた。台所に広がるむせるような酢の香りも、悪くないと思っていた。

それが年々楽を覚えて、今年はタッパーに野菜を詰めてかんたん酢という甘く調味済みの酢を注いで(それだけだとたぶん甘すぎるので)酢を目分量であとから足して、胡椒の粒をぱらっとやっておしまい。

適当にやっても何とかなる。人に食べさすわけでもないし、長期保存するわけでもないし。自分がよければそれでいい。今回も問題なく美味しい。大丈夫。

こうして大丈夫と確認したくなるのは、むかし、ちょっとでも手を抜こうとすると横着者と叱られた過去を思い出すからだ。
でも今は周りにそんなことを言ってくる人はいないし、べつに全てにおいて丁寧じゃなくてもいいと思っている。

自分が満足する程度で、無理のない範囲で。適当でも大雑把でも。美味しければそれでいいのだ。

そしてそういうのは漬物に限らない。適当でも満足している私をとやかく言ってくるほうがおかしい。

そんなことを思いながら、ポリポリとピクルスをつまんでスパークリングの日本酒を呑む休日。
それはたぶんしあわせだと思う。

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