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《フラッドピットの溺れさせ》青単デルバーの評価~in 第27期レガシー神挑戦者決定戦~


はじめに

今回ダスクモーン:戦慄の館にて登場した《フラッドピットの溺れさせ》が強そうだったので試行錯誤を行い、第27期レガシー神挑戦者決定戦へ出場してみた。
《知りたがりの学徒、タミヨウ》ではクロックにならず、ゲームが後ろ向きになってしまうが《フラッドピットの溺れさせ》はテンポも取れて2/1警戒でクロックにもなり、除去としても使える為、採用してみた。
下記がリストとなる。

結果として
208名の8回戦ラウンド
1R エルドラージ××
2R ペインターR○○
3R マーベリックWG(オセロットの群れ入り)××
4R ヨーリオンデスタクWB○○
5R エルドラージ○×○
6R URBテンポ×○○
7R ペインターR○×○
8R スパイ○×○
6-2 19位
まず初めに1Rエルドラージの2戦目にて勝ち確定の状態から《まき散らす菌糸生物》のマナコストを3だと勘違いして《漸増爆弾》カウンター3の状態で《濁浪の執政》で攻撃してしまい、相手の《まき散らす菌糸生物》を処理できず負けてしまう痛恨のミスで敗けてしてしまった。
しかし、その後は問題なくしっかりとしたプレイができていたと思う。
結果的には《フラッドピットの溺れさせ》を採用していてもしっかり勝てていると言って良いだろう。
ただし、今回UBリアニメイトやUBテンポと当たっていない為、それについては含まない。
ちなみに4枚投入でない理由は、《フラッドピットの溺れさせ》と《四肢切断》の枚数が合わせて5枚しか枠を作れず、エルドラージに強く動きたい事もあり、《フラッドピットの溺れさせ》の4枚目を《四肢切断》の2枚目にして即除去が可能な枚数を少しでも増やしたかった為だ。

《フラッドピットの溺れさせ》の評価

期待の新人

・良い点

瞬速を持っている事がまず利点である。
青単デルバーはどうしても構えるデッキの為、2マナ以上のクリーチャーを唱える場合は、よほどゲームを決めうるくらいの強力なカードでないと単純に隙を作りすぎてしまう。その点、瞬速持ちは相手のターンにも動くことが可能な為、かなり重要だ。
次に、「場に出た時に相手のクリーチャーをタップし、麻痺カウンターを乗せる」は、単純にテンポを稼ぐ事ができる。攻撃前に唱えてタップさせれば2ターンは動くことが出来ない。《マーフォークのペテン師》の能力をなくす代わりに麻痺カウンターが乗ったイメージで良いだろう。

昔スタンダードの時にお世話になった。

次の能力が、2マナタップで麻痺カウンターが乗っているクリーチャーを対象として、そのクリーチャーと自身をライブラリーへ戻しシャフルする能力だ。
これが思ってより強く、今まで使用していた《四肢切断》では処理ができない相手にも効果を発揮してくれた。更に、ライブラリーに戻る為、リアニメイトの心配もない。また、《超能力蛙》のように手札を捨てることでタフネス6以上になる相手にも除去として機能するのが非常に強かった。
ついでに《実物提示教育》からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》も処理できるので、スニークショーにも強くなった。
また、シャッフルする為、《渦まく知識》や《思案》等のスペルとも相性が良い。

今まではもみ消しで滅殺を消して刺し合っていた。

そして警戒持ちであることもかみ合っている。
相手のコンバット前またはエンドに唱え、ターンが返ってくる。
警戒によりアンタップ状態でコンバットができる為、2点通してから2マナ起動で相手を除去する事が出来る。
マナの分割払いをしているが、単純に2マナ2点ライフ削ってクリーチャーが除去できる。クロック不足かつ除去不足の青単デルバーにとって非常に嬉しいカードだ。
今回のレガシー神挑戦者決定戦でも、特にエルドラージとURBテンポに対して活躍した。
エルドラージでは、《まばゆい肉掻き》を処理し、時には最後にタッパーとしてテンポを稼ぐ事に貢献した。
URBテンポでは、相手のブロッカーをタップで避けつつ《未認可霊柩車》に搭乗する事でテンポを取りつつフィニッシャーとしても活躍した。
地味にパワーが2なので出たターンに搭乗できるのは《未認可霊柩車》と相性が良い。
青単デルバーにとって《四肢切断》を4枚積むのはライフ管理も難しくなり、《意志の力》ピッチコストを捻出しずらくなってしまうが、《フラッドピットの溺れさせ》であれば《四肢切断》の枚数を増やさず除去を増やすことができ、更にクロックやタッパーとしても活躍でき、不要であれば《意志の力》のピッチコストとしても使用できることから、非常に優秀であると考えている。

・悪い点

大雑把に言えば、重くて2/1とスタッツが弱い。
2マナで唱えて、2マナ起動なので計4マナかかる上、出したターンは召還酔いをしている為、ターンが返ってこないと除去としては起動できない。
つまり相手のエンドに唱えても、ターンを返さず除去されてしまえば、2点アタックもできずにタップして麻痺カウンターでテンポを取っただけになってしまう。相手が順応してくると弱くなってきてしまう可能性も考えられるが、見た目弱そうなカードにどこまで除去をプレイしてくるのかは相手の受け取り方次第だろう。
逆を言えば、これに除去を打ってくれているのであればそれはそれで良いとも考えらえる。
また、《秘密を掘り下げる者》と違い飛行を持たない事とタフネスが1の為、盤面にクリーチャーがいるだけでアタック出来ないのは弱い。
更に、起動型能力でシャッフルしてしまうとクリーチャーが盤面に残らない為、相手への圧力も減ってしまう。
状況的に有利であれば起動しない事も一つの戦法となるだろう。
2体目がいれば召還酔いのデメリットも補えるが、その場合4マナ必要になる為、ほぼ難しいだろう。
ちなみに、起動型能力についてだが、対象に取った麻痺カウンターが乗ったクリーチャーが、対象不適正になった場合、《フラッドピットの溺れさせ》はシャッフルされずその場に残ってしまう。
逆に、能力起動後に《フラッドピットの溺れさせ》が除去されたとしても麻痺カウンターの乗ったクリーチャーが残っていれば対象不適正とならずシャッフルされる。

・結論

私が使用した率直な感想は、非常に優秀だけど、対応方法が理解されると弱い。
ただし、青単デルバーでの除去の不足を補える事とクロックを担ってくれるのは非常に優秀だ。

エンドに出して、ドロソを打つとパワー2になるが、ドロソがないと弱い。

《フェアリーの荒らし屋》と違ってドロソがなくてもパワー2は強みで、
1ターン目《秘密を掘り下げる者》
2ターン目《フラッドピットの溺れさせ》で運が良ければ5点クロックだ。
これだけ見れば素直に強いと思う。
これならコンボ相手に《知りたがりの学徒、タミヨウ》からの《渦まく知識》でひっくり返して奥義を決めるターンと同じターン数でゲームを決められる。
であれば、クロックとしては使えない《知りたがりの学徒、タミヨウ》よりは《フラッドピットの溺れさせ》の方が青単デルバーには相性が良いと考える。
《フラッドピットの溺れさせ》は《フェアリーの荒らし屋》と同様に、カード単体で見るとレガシー級ではなく弱いカードなのだが、デッキ全体としてみた時に、今まで青単デルバーの弱かった部分を補ってくる潤滑油としての意味合いが強いのだろう。
「最後の1点が足りない。」
「クリーチャーを1体どかせたら勝ちなのに。」
といった最後の最後でタッパー&2点が欲しい場面は非常に多かった。
さらに《四肢切断》と同様の除去としても使えるのは、青単デルバーにとっては非常に強いと考えてよいだろう。
ステージは違うがスタンダードや忍者デッキでも採用を検討されている為、期待の持てるカードだろう。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
皆さまが少しでも青単デルバーに興味を持っていただけて、一緒に調整していただける方が増えてくれたら嬉しいと思っています。
是非、いろいろな意見や相談をいただけたら幸いです。
今後も青単デルバーの研究を続けていきたいと思いますので、記事を更新した時にはまた読んでいただければと思います。

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