オペラ「トロイアの人々」

今日は日曜日。でもちょっと特別な日曜日。
実は今日の午後、今年何度か訪れているBBC PROMSでめったに見ることの出来ないオペラを見に行ってきたのだ。

ベルリオーズの「トロイアの人々」、フランス語版全曲の上演。彼の死後200周年であった2003年を除けば、一年に一度世界のどこかで演奏されるかされないかのレアプログラム、それをこの地のPROMSのプログラムの1つとして見ることができるのは奇跡的とも言える。

ベルリオーズは私が一番愛する交響曲である幻想の作曲家だが、商業作曲家として生活していたことも有名である。オペラではロミオとジュリエットなどが有名であるが、このトロイアの人々は彼の死後評価を高めた名作中の名作と言われる

午後4時から始まった演奏は18時前に第1部の2幕が終了。所狭しと動き回る歌手やコーラス、舞台裏バンダの乱れぬ響き、2幕2景の最後の自害のシーンなど迫真に迫る歌々が感動を呼び、しばらく鳴り止まない拍手。トロイアの人々がギリシャ軍との白兵戦に敗れ、無念の心ながら最後の最後まで誇りを失わず守り倒そうとする気持ちを見事に歌い切り、心が動かされた。その後約40分の長めの一回目の休憩。

第2部は舞台がカルタゴに移る。カルタゴでのトロイア人の物語。ストーリーは長いのだが、途中歌のない交響楽を背景にパントマイムで物語が進んだり、カルタゴの女王ディドと主役エネの「甘~い!」シーンがあったりとすっかり魅了されながら、午後8時前に第4幕が終了。再び25分ほどの休憩に入る。

ビールをいただきつつ休憩を過ごし(こちらのホールはどこもバーが充実しているのが素晴らしい)、最後の第5幕に。最後の第3景のディドの自害と、ベルリオーズらしいフィナーレ(ベルリオーズらしいという言い方しか思いつかない…)。

結局終演は午後9時10分を過ぎていた。休憩時間も含め5時間以上の長丁場だったが終わってみるとあっという間ではあった。久しぶりにオペラを見たがやはり面白い。家に帰ってきてまたロンドンでのクラシックプログラムを物色したくなるほど情景が残る素晴らしい演奏であった。


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