ストラトフォード・アポン・エイボン
単身赴任で過ごすロンドンの冬、そろそろ気分が滅入る季節も徐々に出口に向かっているものの、やはり少し気分転換が必要に感じる今日この頃。ちょっとどこかに旅行に出かけようと一念発起、ロンドン中心街から2時間位で行ける観光地、ストラトフォード・アポン・エイボンに週末旅行に行くことにした。
ご存じの方も多いかもしれないが、ストラトフォード・アポン・エイボンはロンドンから北西バーミンガムに向かう途中に位置する街で、シェークスピアゆかりの観光地として有名な場所である。しかし、私は音楽には興味があるものの劇などにはあまり知識がなく、シェークスピアについては名前を知っている程度(情けないが…)で正直なところ関心もそれほどないのもあったりする。
ではなぜストラトフォード・アポン・エイボンなのか?実はこの街に2ヵ所行ってみたい場所があったからである。どちらも乗り物関連の場所なので、小さいお子さんがいる家族などにもおすすめな場所である。
1つは街の中心部からバスで45分ほど行った場所にあるBritish Motor Museum。この博物館は過去から現在までの英国車を中心とした車が数多く展示されていて、今となっては実車を見ることが難しい車も数多く展示されているという場所。2時間に1本位のバスは博物館入り口から少し離れた場所に停車する。実に広大な敷地を5分ほど歩いて博物館入り口に到着する。ちなみに入場券は事前購入しておくと少し割引になり、また無料で1年有効なパスに変更できるのでお得。2つの巨大な建物があるが、まずは博物館棟。ここではテーマに応じて多数の実車が詳細な説明とともに展示されており、英国自動車産業創成期の車から始まり、レース車から軍用車、そして最近のコンセプトカーなど英国における車の歴史を学ぶことができる。もう1棟はコレクションセンター。こちらはRoverやジャガーなど英国車を中心に大量のクラシックカーが展示されている。特にジャガー車のコレクションは秀逸。
もう1つは翌日、日曜日の朝に行ったThe Greenwayというサイクリング道路。ストラトフォード・アポン・エイボンの中心街を南下したセブンメドウズラウンドアバウトを起点とし、ミルコートを通り南西のロングマーストンまで続く道である。実はこの道、昔は汽車が通っていた、いわゆる廃線跡。この路線、1859年にOxford, Worcester & Wolverhampton Railwayとして開業され、その後廃線となった路線の跡地の一部区間が整備されたサイクリング道路。朝の冷たい空気の中、廃線の跡をゆっくり歩く。エイボン川の支流を超え、イギリスの良き田舎の風景を眺めながら歩いてみると、何とも言えない清々しい気持ちになっていく。特にエイボン川を渡るStannels Bridgeという古い橋は雰囲気のある場所。
1泊2日、とはいえ実質的には1日ほどの滞在だったので食事の機会がそれほどなかったが、ストラトフォード・アポン・エイボンでは良い意味で食事をどこで食べるのか迷う。多国籍なメニューが選べ、歴史ある美味しいお店も新しい珍しいお店も多い。変に観光客を意識していないお店が多く、食事だけでもまたこの場所に来たくなる。これは実際に行ってみて知った一つの収穫だった。
また近いうちに来て、今度はどこに行くもなく、暮らすようにゆっくり滞在を楽しみたい。特にとある和食のお店にはぜひまた行きたい。
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