2019映画ランキング(30位〜11位)
30位 ファーストマン
1960年代に宇宙に行くという狂気がよくわかる、事故の描写やネジがガタガタ動くシャトルの描写。アームストロングは妻を蔑ろにするも、最後はチャゼルらしく夫婦のカットバックで2人にしかわからない想いがあるように写すのずるい。70mmで撮影した月面の映像の臨場感が素晴らしい。
29位 キャプテンマーベル
二転三転する展開が明らかにするのは、彼女はいつも立ち上がってきた!という事実。こういう女性ヒーロー映画なんでなかったんだろうね。ワンダーウーマンとはまた違う現代的なキャラクター。やっぱり熱くならざるをえない快作。
28位 ウィーアーリトルゾンビーズ
中島セナ今後の日本映画背負ってくれ!悪い大人に利用されないでくれ!ほんと素晴らしい女優を発掘したし、長久監督の'"エモい"センスも抜群だし台詞回しも好き。ラストシーンもいい。新学期学校に行きたくない子どものために8/31にHPで無料公開したのも素晴らしかったね。
27位 ハロウィン
こんなかっこいいアバン見たことない。全体的に音楽の緩急がついてて、やっぱりジョンカーペンター自ら作曲したあのテーマもめっちゃかっこいい。そして40年前の前作で生き延びたヒロインが40年間マイクマイヤーズを待ち続けて体を鍛え家を改造し最強のおばあちゃんになった彼女が遂に決着をつける!ハッピーハロウィーン!
26位 神と共に 第1章
冥界巡りをしながら家族の絆などが明らかになるのだけど、3人の使者がかっこいい。あの3人をキャスティングした時点で勝ち。圧巻のエンターテインメントかと思いきてめっちゃ泣かせてくる。見て。
25位 ハッピーデスデイ2U
あの名作ハッピーデスデイの続編にして、全く蛇足でないどころか新たな角度から語り直して前作と変わらず先の見えない展開と魅力的なキャラクターを配置して怖いところちゃんと怖いお手本のような続編。何度死んでも朝に戻る主人公がパラシュートも服も脱ぎ捨ててスカイダイビングするところが好き。
24位 メランコリック
日本映画では見たことないクオリティのアクションばかりでこいつは殺し屋だ!という説得力がある。銭湯確かに人殺すのに向いてる場所だなーと思えるのがまずいい。吉田芽吹さんがすごく良かったです。
23位 ロケットマン
エルトンがセラピーで語りながら回想シーンでミュージカルやったりやりたい放題感が正にエルトンらしい。タロンエジャトンがエルトンにしか見えなくなる。色々あったけど "I still standing" といえる強さこそが彼。ラストの疾走感は最高。
22位 わたしは光をにぎっている
再開発の中で消えゆく東東京の街並みと、上京してまだ馴染めない、故郷とは違う土地に温度が合ってない人間の不確か加減を、不確かなまま画面に映し出していく最初から最後まで素晴らしい映画。じんわりと感動。
21位 スパイダーマン ファーフロムホーム
ジョン・ワッツ監督はほんと子供に容赦のない大人を描くのが上手い。これまでのスパイダーマン映画の中でも随一のヴィラン。現代的なテーマをエンドゲーム後だからこそ取り入れるマーベルのセンスも相変わらず凄い。青春映画としての強度を保つ旬のキャスト陣も良いしジョンファブローはあれだけ監督・脚本・プロデューサーとして世界一のレベルになってるのに俳優としてチャーミングであり続けられるの訳わからん。料理も上手いし。
20位 ディリリとパリの時間旅行
子供の夢や無邪気さを全力で守ろうとするディリリの周りの大人たちが最高なだけでなく、文化や芸術の力を真正面から描いた胸のすく作品。僕が学校の先生なら授業時間に流したい。
19位 ボーダー 二つの世界
野生的な彼らの姿や醜いセックスや不気味な子供の姿に一瞬びっくりするけどこれが人間の本来の姿なのかな…と納得せざるを得ないような衝撃的な映画。映画でこれだけ嗅覚を描こうとし続けるのは本来特殊なはずなのに色々なバランスがおかしい映画なので見てる間は気にならない。似た映画をなかなか見たことがない。
18位 愛がなんだ
自分の心の奥底からわーーーと感情や忘れてた思いが心の中から溢れてきて煩くなる映画。このポスターの2人以外のメインキャストも全員愛おしい。見ているのが辛くなるくらいに胸がざわめく映画。見た後自分の過去の恋愛を語りたくなる。
17位 アメリカンアニマルズ
クライムサスペンスとして楽しみつつ、出てくる大学生のダメダメ感。バリーコーガンが流石の牽引力を見せながら、事件を起こした本人がインタビューに答えつつ事件の詳細を自ら演じている。なんと被害者も出演している。犯罪の恐ろしさ、若気の至りでは済まない傷をまざまざと見せつける作品。
16位 ジョーカー
ほぼNYのゴッサムシティが街としてのリアリティがあって良い。ホアキンの熱心の演技が最高なのはもちろん、あれだけ笑顔が怖いのは凄すぎる。社会保障が切られる描写や街にゴミが溢れる描写が増税直後の日本と重なる点が多くてヒットにつながったと思う。
15位 エルカミーノ
あの完璧なエンディングを迎えたドラマ”ブレイキングバッド”のその後の物語とのことなのでクリエイター陣を信頼しつつも蛇足にはならないかと少し心配でしたが、いや、ドラマとは全く違った切り口の非常に小品な映画で一本の映画として上手く纏まっていました。ラストにドラマファンを興奮させる盛り上げもありながら、全編基本的に逃げるだけのサスペンスでここまで引っ張れる美術と演出とアーロンポールの演技。玄人の仕業。
14位 失くした体
切断された右手が元の身体を探し求める様子と、青年がどうして右手を失ったのかが同時に描かれていくフランスアニメ映画。青年の社会に馴染むのが下手な感じに共感するしかなかった。2Dと3Dの中間のような描写が、右手の冒険を実感の伴ったドラマに仕立て上げている。
13位 マリッジ・ストーリー
親権を巡ってNY派の夫、LA派の妻、などといった2人の違いが次々と浮かび上がっていく離婚協議。最初は私たち愛し合っていたのにね…といった想いが滲み出るのが本当に切ない。アメリカの弁護士怖い。涙を流す演技が毎回違うスカヨハとアダムドライバーの演技合戦はアカデミー賞級。
12位 ミスター・ガラス
派手な能力バトルは一切なく駐車場でちょっと暴れるだけ、施設の中で能力者はただの病気か?社会の異物か?とシャマランらしくヒーローの存在を説く裏アベンジャーズ。アニャ・テイラー・ジョイ大好き。最後の展開は賛否分かれるだろうけど僕は大賛成。シャマラン最高!
11位 アイリッシュマン
スコセッシオールスターズにアルパチーノまで加わった最強布陣でジミーホッファ失踪事件を描く。完全に裏社会から見たアメリカ史を描く気合の入れよう。そして老境に入り、組織のために支えて家族を蔑ろにしてきた男の末路、彼は天国に行けるのか?と信仰まで問いかけるスコセッシの成熟さ。大人の映画といった感じがする。3時間半あるが全く長くない。