ピーナッツバターの話

内定承諾書に間違えて親のサインを書かせてしまい、親が入社するみたいになってしまった今日この頃。
代わりに働いてくれ〜おれが毎日家で家事するからさ〜。

いや、新しい用紙もらったので素直に書き直します。

今日はバイト終わり新宿駅付近で用事があったので、久々にぶらぶらした。
雨のあとでめちゃくちゃ足元にゴミが落ちてた。
ん、もともと？

マルイ入ってみたりビックロを覗いてみたりどんなルートを辿ろうが、きまって最後にたどり着くのはFrags。
Fragsにはいろんな店がつまってる。個人的にはニューエラの専門店、なんかアウトドア系の店、そして最上部にはタワレコが4フロア。

タワーレコードってすごい。
2時間過ごせるよあそこ。しかもエンターテインメントに溢れている。夢の国。

タワレコの新宿店はメジャーインディーズ国籍問わずいろんな音楽が集まる。
最近Peanuts buttersって女性のボーカルのバンドにハマっていて、今日はそのバンドのCDを探すために来た。

1フロア目はニューアライバル、バカ売れ中のCDが置いてあったり、ちょっとしたライブができるミニステージがあったり。
今はステージの空間を崩してフロア中にポップアップが置いてある。
マンウィズが1番目立つとこに。
究極の生命体も10年目。おつかれさまです。

2フロア目はJPop、JRock問わず国内のCDがいっぱい置いてあるフロア。
エスカレーター上がってすぐにはミセスとかTETORAとかバリバリなCDたちのポップアップ。その奥の壁にはナインスアポロ特集とかカネコアヤノ特集とかまとまりごとに試聴機がある。
壁を伝ってフロア内に入っていくと、待ってました、激アツ壁面のインディーズピックアップ10枚×数カ所。
毎回ポップかジャケットで気になってしまい試聴機で心を掴まれ、レジに並んでしまう。
3,4曲で500円という激安情熱価格があったりして、すぐ買っちゃうのよ。

気付いたら今日も4枚ぐらい手に持っていた。目当てのPeanuts buttersは壁面になかったからあいうえお順の棚の「ひ」のとこを探して見ていた。
んー、ザ・ピーナッツはあるんだけどなあ〜と思ってると、
「平沢進探しにきたんですか？」
と多分会社帰りのワイシャツ。
「え、違います。ぴーなっつばたーずってバンドを探してるんです。」

そんなピンポイントな質問ある？
てかそもそもCDショップでそんな声のかけ方するん？
ちょっとびっくりしたけど、どうやらワイシャツは平沢進のようなテクノ系が好きらしい。
うーん、あんまり聞かないなあ。
向こうもぼくが最近よく聴く優しいギターポップは聞かないらしい。うーん会話どうしよう。

頭の中の容量いっぱいのライブラリからホコリ被った「パソコン音楽クラブ」のワードを出すと、
「あー！知ってます！僕も好きです！」
よし。セーフ。
しかし、平沢進の話は止まらない。
どうやら蜘蛛の糸に捕まったらしい。
あー、喫茶店で壺買わされるわこれ。あー。

とかなんとか立ち話をしてたら、いつの間にかラインを交換していた。
おすすめのテクノ系を教えてくれるらしい。
とりあえず平沢進のなんちゃらスピードってやつがかっこいいらしい。
何かの縁だし、アゲアゲらしいから聴いてみよう。
ワイシャツは
「この辺りもうちょい見てから帰りますね。」
と言い手を振ってきた。
「はーい。ありがとうございました〜。」
とだけ言い残し、ぼくはさっさとお会計して上のフロアへ逃げた。

最上階はレコードのフロア。国内外問わずさまざまなレコードが置いてある。
一応家には7インチのレコードがある。でもレコードプレーヤーは持っておらず、ただ飾る用。
家が狭いので大きいレコードにはまだ手を出していないが、好きなアーティストの好きなアルバムのレコード盤を見つけたりしてるとなんだか回っているところを見たくなる。
あ、1万円以内でプレイヤー買えちゃうんだ〜、ふーん。
あ、Rex Orange CountryのPONYだ！
あ、Tom Mischのなんか黄色と黒のやつだ！
あ、アグネスチャンだ！
「アグネスチャンこと中国名チャンメイリン。
19xx年に作曲家の平尾昌晃先生によって作曲されたポケットいっぱいの秘密に乗せて...」
なんだか疲れてきた。帰ろう。

帰宅ラッシュの下りの中央線に乗りながら思った。
ぼくとあのワイシャツの男はパンなのかもしれない。
三鷹で空いた席に座る。
目を閉じてさらに考える。
形や味は違う。
でも、そんな2人をくっつけてくれたのはピーナッツバター。
ぼくらは、ピーナッツバターサンドになったのかもしれない。

？？？「知っとるわ！」
？？？「えぇ...」
？？？「ラジオネームのこさ...」

じゃあな、おやすみ、See you in my dream

20200714 ピーナッツバターの話　Yusei Komori