復活キングセイコーについて思うこと
※本記事は、ただの腕時計好きが好き勝手に考察しているだけなので、専門家の方々には生暖かい目で見て頂ければ幸いです。
最近、冬のボーナスでキングセイコーの購入を検討している。
購入検討しているのはSDKA005というモデルである。
価格は418,000円(税込)という、かなり勝負に出た金額ではあると思うが、このモデルに関して言えば、この金額を払うに十分な価値があると私は思う。
キングセイコーとは?
キングセイコーが1961年9月に発売された当初から、グランドセイコーと共にセイコーの高級腕時計ブランドとして存在し、なおかつ、グランドセイコーよりは格下という位置づけであった。
その後セイコーはクオーツ時計へ製造をシフトし、キングセイコーは1975年に製造中止となった。
何故、キングセイコーを復活させたのか?
2021年に、キングセイコーはSDKA001で限定復活した。
この背景として考えられるのは、セイコーが持つ個々のブランドの明確化であろう。
現在、高級機械式時計バブル真っ只中である。
グランドセイコーも世界的に注目が高まっている。
現在のグランドセイコーの購買層のほとんどは、クオーツモデルではないかと私は考える。
そして今後はクオーツモデルを残しつつ、機械式モデルを今以上に多く、かつ、今よりも高額にして投入していくことが考えられる。
それを私に明確に思わせたのは、ライバルであるシチズンがザ・シチズンの機械式モデルの販売したからである。
キングセイコーの復活モデルの販売が若干早いものの、国産ブランドも現状力を入れているのは機械式モデルである。
そういう点で60~70年代に一世を風靡したキングセイコーを今、復活させることには大いに意味はあるのではないかと思う。
グランドセイコーの機械式モデルは現在60万円くらいから存在しているが、この価格では新規で買い始めた若者に良さを訴求するのはかなり難しいだろう。
だから、20万円台でレギュラーモデルをリリースしたのではないかと思う。
何故、ムーブメントは6R系なのか?
去年からレギュラー復活したキングセイコーであるが、腕時計好事家の間では賛否両論が渦巻いている。
理由は、6R系の搭載である。
6R系はかねてからあまり評判の良くないムーブメントである。
セイコー自身もそれは承知のはずである。
何故搭載しているのだろうか?
理由は、20万円台で収めたいからであろう。
キングセイコーに関して言えば、重要なのは外装>ムーブメントであると言える。
何故なら、ラグジュアリーでありながら気軽に使えるブランドを目指しているからである。
当然だが、セイコーも批判が出ることは予想していたであろう。
そこで今年、発売されたのが6L系のレギュラーモデルである。
現状キングセイコーのフラグシップモデルは6L系である
価格は倍近くなるが、6L系の搭載でキングセイコーはある一定のレベルに達したと私は思う。
私のような人間を納得させるには、どうしても腕時計の薄さや精度という要素を満足させる必要が出てくるのだ。
SDKAに搭載されているCal.6L35はより薄く、より高精度である。
汎用ムーブメントで最強のETA2892-A2の最高機種とも引けを取らないであろう。(ETAには3~4つのグレードがある)
結論
・キングセイコーはあくまで気軽なラグジュアリーブランドであり、それらは6R系搭載機である。
・セイコーの最高峰であるグランドセイコーとは一切競合しない。
・6L系搭載のキングセイコーは現状フラグシップモデルとなりえるもので、おそらく自動巻きモデルでセイコーはこれ以上のものは今後出してこないと推測される。
・今後はより忠実に復刻するために、手巻きモデル搭載機を発売する可能性がある。