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【実況する美術鑑賞#57】マリー・ドニーズ・ヴィレール「マリー・ジョセフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)」【60分で1記事】

・作品を5分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。

先日久しぶりに展覧会へ行ってきました。メトロポリタン美術館展。

国立新美術館で行われていたんですが、このメトロポリタン美術館というのは非常にオープンアーカイブが充実していて、パブリックドメインの画像が沢山使えるので、これまでも鑑賞プログラムでたくさん使ってきたサイトです。

今回は実際に展覧会へ行って、会場で気になった作品を何個か連続で取り上げて鑑賞していきたいと思います。

現地で多少を鑑賞したりとか、資料を少し見たりしたので、いつものように完全に初見という形ではないのですが、やってみたいと思います。

・5分の鑑賞で気づいたこと

この絵は今回の展覧会で、結構を推されている絵で、本とかのビジュアルに使われてたと思うんですけど、謎の絵っていうか、あんまりよく詳細が分からない作家さんだったり、作品という感じのようでした。

会場でもでも、すごく謎めいてるっていうか、惹きつけられるものがある絵だなと思ったので、今回選びました。

女性のこの虚ろな表情であったり、こっちをしっかりと見つめているような・・でもちょっと瞳の感じから鑑賞者自体を見てるのかよくわからないんですよね・・

あと、両目の輝きが均等じゃない感じも・・近づいてみるとちょっと変な感じがしますかね。逆光で顔に影が落ちているので、その不気味さであったりとか、カルトンか何かに木炭紙を挟んで、筆か木炭か・・鉛筆か何かを持って、スケッチを描いている感じに見えますね。

持ってる画材が一つで、周りに他の画材もないので、スケッチとかクロッキーとかの下書きのようなものをしているのかなっていう感じですかね。鑑賞者がそのモデルのような気もしますし、それよりはもう少し左側を見つめているような感じもします。

背景の窓が割れているのもちょっと変ですし、割れ方もなんか変なんですよね。ガラスっぽくない壊れ方と言うか・・当時のガラスが今のガラスと違うからってのはあるかもしれませんけど・・

あとその奥に向かい側の建物が映っていたり、そのバルコニーと言うか屋上に男女らしき人影がいるんですけど、すごくそれが人間じゃないような体型をしていて・・

宇宙人が無理やり人間の服を着ているみたいな・・スライム状の人間のような・・関節がない人間のような・・特に右側の男性っぽい人の腕とかがめちゃめちゃ変な感じなんですよね・・

主題になってる女性がちゃんと描けてるので、こんな風に描いたのはわざとなんじゃないかなとか、その人影が変なので、周りの建物の感じもフィクションぽい風景・・キリコとか、現実にはない世界・・今で言ったらゲームの中の世界とか・・・LIMBOとか、INSIDEとか、リトルナイトメアとか・・ああいう世界観な感じがするのが変な感じですね。

逆光になってるので、全体的に暗い感じのなんですけど、その暗さが青みがかってるのは結構綺麗だなっていう感じがしました。

暗い青、深い青の綺麗な感じっていうのが、不気味なんだけど少し高潔な感じと言うか、神聖なものみたいな、そんなイメージ・・・主題も女性だし、身につけてるも白いワンピースと言うかローブと言うかそういう形で、それで青っぽいって言うので、聖母っぽい感じ、神々しさも感じるし・・でもそれにしてはかなり虚ろな目をしているっていう、妙な感じだったりとか・・

女性だけれども、主体的にこちらを捉える目線をしていることが・・
古い絵の女性って受動的な描かれ方が多そうな気がするんですけど、この女性は画面のこちらにまなざしとか、行為を向けてきている所の・・強さ・怖さみたいな、そういうのが魅力につながっているんじゃないかなって思いました。

・作家と作品


・再び5分の鑑賞で気づいたこと

作者はマリー・ドニーズ・ヴィレールという女性の作家さんですね。多分当時は珍しかったんじゃないですかね。2人お姉さんがいるんですけれども、その二人も従姉妹も画家という、環境的に画家一家で育ったという人です。

情報がそんなにないっていうのと、この人が描いたとされる絵が三つしか現存してないみたいなので、多くのことは分からないんですよね。

なのでWikipediaにあった彼女作といわれる他の二つの絵も見たりしていくんですけど・・・全部基本的には同じような形式で描かれています。女性の入り方とかが一緒で、左の方を向いて、顔がこちら側を向いているという・・そういう女性像ですね。

黒い服を着ている女性なんかは、今回鑑賞した作品よりもさらにグッとピントが合ってると言うか、解像度は上がった感じで、見事な描写だなっていう感じがします。ベールの感じとか、肌の感じとか・・

この女性も目線がこちらを見てるようで、若干右の方を見てるって言うとこが共通していたりとか、あと寓意的な感じがしますよね。何でこのポーズなんだろうみたいな・・全身がほぼほぼベールで覆われてる中で、足元を見せて靴紐を結んでいたりとか、その足がある台の上に置かれた手袋とか花とか・・ちょっと意味深だなーって。

後ろの風景の感じとか、ベールの感じとか肌の感じとか、モナリザとかそういうイメージが思い浮かんだりとかしました。空の感じとかは結構筆跡が残ってて、印象派とかああいう感じもしますし・・全体ですごい不思議な描きかただなーって・・

もう一個の白い服の女の人の絵は、明らかに手が入ってないような感じで、顔とかもあんまり上手く描かてないっていう感じで・・・なんだろうなっていう感じなんすけど、やっぱポーズとか、真っ白いひとつなぎの服を着てるってところが、今日鑑賞した作品と似てます。

顔の方がこっち向いてるけど、目がどこ見てるのかちょっとよくわからないとことか、手に持ってる花とかはさっきの黒い服の人とも共通してます。こういう描き方と言うか、型がこの作家の中であったのかなーっていう感じがしますね。

で、もう一枚、お姉さんがこの作家さんを描いた肖像画もあります。これも、ほぼほぼ同じ構図で描かれてるんですよね。服も似てますし・・こういう描き方ってあんまり僕は他の絵で見たことないので、ちょっと今後こういう絵に出会ったら覚えておこう、思い出そうって思いました。

特に今日鑑賞した絵と、黒いベールをかぶった女性の絵には、何か惹きつけられる不思議なものがあるなーっていう感じがします。ジャンルとしてどういう区分けになるんだろうこの絵はっていう・・そんな妙な雰囲気を感じる作家さんでした。 

あなたにはどう見えましたか?
また次回!

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