【実況する美術鑑賞#52】フェルメール「真珠の首飾りの少女」【60分で1記事】
・5分の鑑賞で気づいたこと
「真珠の耳飾りの少女」という作品で・・真珠の耳飾りが耳に光ってるんですけど、周りも真っ暗で、その中で耳飾りにものすごい光が入って、ハイライトがピカッと光っているって言うのと、黒目のところも、もうもはや真珠ぐらいツルツル・ピカピカな感じだったりとか・・鼻筋の光とか、唇の強い光ってのが印象的だなっていう感じがしますね。
よく見ると、微妙にこのターバンのところとかにもポツポツとこの白い点が入っているのは・・これは布のそういう柄と言うか模様なのか、それともすごく強い光を表してるのかどっちなんだろうなっていう感じがしたりとか・・
あと、口の中の歯や舌の状態っていうのが、セクシーな性的なものを予見させるような、そんな感じが改めて見るとするような気がしますね。
黄色いターバンの一番最後の方の端っこの色とかは、結構淡い青と黄色が混ざった色なんだなーっていうのは、今回よく見て気づいたところかなと思います。色がまだらになってる染物みたいな感じですかね。黄色の布を青く染めてちょっとまだらになってるような・・だから、額の上にある青の布の白い斑点も、もしかしたら染め残しとかかなーっていう感じもしますね。
眉毛がなくて・・若い女性にも見えますし、もしくは肌の色からしてなんか素肌っていうより、ちょっとメイクが乗った肌のような感じもありますね。向かって右側の影の方の肌は、割と素の肌っぽい感じなんですけど、光の当たってる方の肌っていうのは、ファンデーションがかなり濃いような、そんな感じがします。
顔全体で見ると、目のあどけない感じとかが強いので、子供らしいと言うか無邪気な感じもするんですけど、口元だけアップにすると、口元だけとか鼻から下とかだけにすると、ちょっと大人っぽい、ちょっとセクシーな・・そんな風にも見えますね。
今まで見たヤン・ファン・エイクの作品とかだと、こういう真珠みたいな、大きな反射するような物体には、何か意味深なものが映り込んでいるって言うのがあったんですけど・・今回はちょっとよくわからないですね。写ってるものは、この白い襟元っていう感じなのかな・・
茶色い服の胸元のところが、黒い下地の上に茶色い服が載ってるような・・粗いタッチで描いてあるんですけど、そういうのを見ると、すごく印象的な背景の黒の色っていうのは、どういう順序で描かれたのかなっていうのが少し気になったかな・・
画面を全部黒く塗りつぶして、その上から色を乗せて行ったのかなぁなんて・・下に黒が透けているところを見て思ったりしました。顔とかもそうなんですかね・・黄色のターバンのところも、なんかそんな感じがしますね・・
・作家と作品
・再び5分の鑑賞で気づいたこと
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」ということで、この少女がどこの誰かっていうのが、あんまり分かってなかったり、すごく謎の多い絵みたいですね。特徴的な背景の黒って言いましたけど、そこに場面が描かれたりとかすれば、またちょっと様子もわかったんでしょうけど、それもないし、この特徴的なターバンっていうのも、どこの国のものかちょっとよくわからないと言うか、フェルメールは元々はオランダの作家さんなんですけど、異国情緒的なところで組み込んだのかってところで、絵の背景に関する手がかりが全然ないと。
モデルさんも恋人なのか、娘なのか・・みたいなところでいろいろ謎が多いんだそうです。だから逆にとっつきやすいっていうところもあるんでしょうね。色々想像が広がると言うか・・
もともとは、「真珠の耳飾りの少女」じゃなくて、「ターバンを巻いたの少女」「青いターバンの少女」とかって呼ばれていた絵だそうで、それが2003年に公開された「真珠の耳飾りの少女」っていう映画のヒットをきっかけに「真珠の耳飾りの少女」という風に言われるようになったそうです。
今日は Wikipedia の画像を見て鑑賞していたんですけど、この作品を所蔵しているオランダのマウリッツハイス美術館のサイトににも画像を結構アップにして見れるような場所がありまして・・そこの画像で見ると、だいぶ光や色合いが淡くてですね、今日見た画像だとちょっと背景の黒で結構いろんなとこが潰れてたんですけど、美術館の画像で見ると、肌の印象とかもだいぶ変わってですね、最初のWikipediaの画像だとかなり色調がきつい、濃いっていう感じがして、化粧も濃い感じだったんですけど、美術館の画像はもう少し淡くて、青の色合いもだいぶ変わりますね。
美術館の方の画像で、青のターバンの影になっている所、頭の横の部分のところですね、ここをアップにした時に筆跡が見えるんですけど、それがすごい綺麗で魅力的な感じでしたね。肌がすごく薄い絵の具で重ねてきめ細やかに描いてあるのと対比されて、凄くここのターバンの所って美しいなぁという風に思いました。だからやっぱりこのターバンっていうのが印象的で、名前が元々はターバン基準でそういう風に呼ばれてたのかなって・・
このターバンがまず目を引くものとしてあって、実際僕も最初にこの絵を見たときに、真珠に気づかなかった気がするんですよね。なので皆さんも是非ちょっとこの元々の所蔵している美術館の画像の方を見てもらうと、またかなり印象が変わって見えるんじゃないのかなっていう風に思います。
ただ、この少女のあどけなさと色っぽさのあわいにある感じっていうのは、どちらの画像でもそんなに変わらなかったかな・・どちらの画像にも多少印象は違えど、そういうものは感じたので、そこら辺のこの絵の核にある謎めいた感覚が、よくこの絵は「北のモナ・リザ」とかって、「モナ・リザ」と対比して言われる所以なのかなと思いました。
あなたにはどう見えましたか?
また次回!
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