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TD-3(前半)

*実際の音声に、編集や修正を加えたテキストになっています。

TD-3-A:
何を思ったかとかですよね。

TD-3-B:
はい。

TD-3-A:
え〜っと。
まず、全体としては、感じたことから言うと、ヨーロッパっぽいな、
中世から近世ぐらいの時代っぽいなって思って。
で、このおばさん、そんなに身分が高くなさそうだなと。

非日常を描いているというよりは、
日常生活を描いてるな〜っていう感じがして、
この人の表情が何なのか、かなり曖昧だなぁと思った・・
みたいなのが、全体として思ったことです。

TD-3-B:
あの、すいません。
「曖昧」って具体的にどのような感じですか?
分かりそうで分からないって感じ?

TD-3-A:
なんかこう・・毎日飽き飽きして・・
ルーティンだな〜と思ってそうな一方で、
悲しそうだとも思えば、悲しそうにも見えるし、こう・・
なんだあと、生活はこれ以上向上しないっていう謎の諦めが・・見えたり。

まあちょっと・・ちょっとネガティブ寄りではあるものの、
読み取り方はいっぱいあるなという意味で、曖昧だな〜という感じです。

TD-3-B:
はいはいはい。

TD-3-A:
で、疑問に思ったことは、なんでミルクをこの人は注いでいるのかって・・
思いながら、このおばちゃんはじゃあ一体・・誰なの?
っていうことを思って。

母親っぽくも見えつつ、それとも給仕係なのか・・
なんかその・・サーヴァントなのか・・う〜ん・・と。

その辺考えてると・・パンの量が・・
宮廷とかなんかそういうとこに仕えてるにしては、パンそんなに多くないしな・・
みたいなこと思ったり。

で、なんか皿も、ミルク皿一個しかないから、
これはどこに持っていくんだろうみたいなこと思ったり、
テーブルの真ん中に置くのかな?と思ったり・・

しながら、このミルクの注いでる目的がよくわからなかった・・
から色々考えてみた感じです。

最終的には、これ何が伝えたかった絵なのかとか、
何を考えながら筆者は描いたのかとか、
なぜこの主題を描きたくなったのかとか、
そういうことを考えていたんですが、
そこについては考えただけで、
特に何も仮説も立ってないというような感じでございます。

TD-3-B:
細かいところとかについては?・・

TD-3-A:
細かいところですか?
全体にまず思ったのは、なんかヒビが所々入ってるから、
まあまあ古い絵だなぁみたいなこと思って・・

で、えっと・・後すごいめっちゃ細かい描写的な話で言うと、
あのミルクを注いでるところの周りの、
所々白くなっているミルクの飛んでる感じが、
非常にリアルだなぁみたいなこと思いました。
すごいいい感じに飛んでるなって思って・・
リアルっぽいという飛び方だなと思ったのと、

あと光と陰の使い方がすごいうまいなって思って。
光がこっちから基本的にこう入っていて、
で、明るさの感じで言うと、
あっちからこっちに向かって明るくなって・・っていう、
なんかその感じが絵全体として見た時に、見やすいと言うか、

なんかこう、フォーカスが絞れていて、
やっぱ自然とあの顔にみんな目線が向かうような、
そういう・・こう光の配色になっていて、さすがだなって思いました。

あと細かい話で、ガラスのこの色とかも結構凄いですよね。
真っ白なわけでもなく、なんだろうな・・そんな感じの・・
ありますよね、こういうくすんだガラス・・みたいな(笑)

TD-3-B:
本当にガラスに見えるって感じなんですね。

TD-3-A:
そうですよね。はい。
で、あと貧乏そうな割に・・割になのかわかんないけど、
服は派手だなっていう風に思って。
下が赤で、青で、上へ向かって黄色で、緑みたいな・・
すごいなこの人みたいな・・原色ばっかりで・・みたいな。

TD-3-B:
(笑)

TD-3-A:
すごいファッションセンスだな・・みたいなことを思った。

TD-3-B:
なるほど。

TD-3-A:
あと、顔をよく近づいて見ると、
やっぱすごい丁寧に塗られていて、すごいですよね。
丁寧な塗り方で、この光のあたり具合とか、光の照り具合とかも、凄いなって。
顔の塗り重ね具合がすごいと思いました。
そんなぐらいですね。

TD-3-B:
はいはいはいはいはい。

TD-3-A:
あとは、質問されたことに答えていく感じで行きます。

TD-3-B:
どんな「問い」を立てたんですか?

TD-3-A:
「問い」は、この人が誰で、何のためにミルクを注いでいて、
今何を考えているのかっていう・・「この人」について・・

TD-3-B:
なるほど。内容とかについての・・

TD-3-A:
はい。

TD-3-B:
わかりました。 面白い。
もう偉いです。結構細かく見てたような感じがするんですよね。
しかも全体的にも、あの内容的にも、
結構ミクロとかマクロとかの目で、
この絵を読み取ったっていう・・

TD-3-A:
ありがとうございます(笑)。
褒められました(笑)

TD-3-B:
いやいや・・

TD-3-A:
あと気になった点は、あともう一個あって、
えっと・・ミルクが、やっぱりみんな注目すると思うので、
ミルクとパンみたいな・・その・・
ミルクから連想されやすいモチーフもあれば、
この辺の謎のカゴとか、あと一番謎の右下の火鉢みたいなやつとか・・

TD-3-B:
あれ、なんですかね?

TD-3-A:
あれ何なのかよくわかんなかったですけど、
なんかやっぱその・・女性が一番で、次はミルクで、
っていう主題の概念の距離がこう・・
遠いやつから近いやつまで、適切に配置されていて、いいなって・・
いいなって思ったっていう。

自分が描くんだったら、
あの謎の火鉢をあそこに描こうと思わないなって思って、
何故描いたんだろうあれみたいな・・
パンは分かるんですけどね・・
まあ、カゴも百歩譲ってわかるとして、あれはなんなんだって言う・・
ことを思いましたね・・

TD-3-B:
確かに。

TD-3-A:
あ〜、あと、ミルク意外と重そうだなって。
両手で注いでるから、あれ意外と重いんだろうなとか・・思った。
あと、なぜあの布巾・・あの布巾ををかぶってるのなんでだろうなって・・

TD-3-B:
布巾?

TD-3-A:
布巾?帽子?

TD-3-B:
ああ〜帽子みたいなものなんですよね。
私もちょっと気になりました。

TD-3-A:
あれなんで被ってんのかなみたいな・・
首の日焼け対策じゃ絶対ないよな〜って。
現代の人じゃないし・・あ、そうだ、
この時代に日焼け対策みたいな概念あったのかな?ないよな(笑)。
みたいなこととか思ったりしました。はい。
多分今のでだいたい・・

TD-3-B:
はい分かりました。
じゃあ私の私の思ったことについて話させていただきます。

TD-3-A:
お願いします。

TD-3-B:
じゃあ、比較しながらね。
本当にあの違うこと・・まあ、同じことを考えたりとかもするんですけど、
やっぱり注目するところは、ちょっと異なってるかなーと思ってて。

まず、基本的に言うと、
私は内容というより表現の方法について・・考えたんですけど。
でも、よく考えたら、表現とか内容とか・・表現も、
あの・・表現方法も、表現したい内容をに捧げてるんじゃないの
って思ってるんで、やっぱり一緒だなと思うんですね。
私たちが考えたのは。

例えば、貧しさとかに関しては、
さっき言ってたことだけじゃなくて、さらにその乱雑な地面とか、
床とか、細かく描いたじゃないですか。
小さい印刷物から見ると、ほとんど読み取れないものがたくさんあって・・

TD-3-A:
なるほど。(絵の方に移動する)

TD-3-B:
見に行くんですか・・

TD-3-A:
いやいや気になります。

TD-3-B:
そうですね。
こういうのが結構・・まあ枝とか、こういうのもわからないものとか・・
まあ、点とか、ランダムに描いたものなので、
ランダムにするものじゃなくて、何かが用意があって、
意図があって描くわけかなと思うんですよ。

さらにあの・・いろんなその壁とか真っ白なんだけど、
いろいろ・・傷とか跡とかもあるじゃないですか。
これについてちょっと気になってて、
この前に何かがあったのかなとか考えたんですよ

TD-3-A:
なるほど。確かに壁が汚い。

TD-3-B:
あれなんです。あの・・ガラスが割れた・・

TD-3-A:
あれですよね。

TD-3-B:
そう。これは全然わからなかった。
こういうのちょっと気になってて、細かいところを描くって言う・・
描いたっていうことで、何を表現したいのかっていうのを考えたんですよ。

で、そのさらに、さっき気になった、帽子みたいなのもの(笑)、
表現から見ると、ちょっと荒い・・荒く描いた感じがするんですよ。
細かく描いたってわけじゃなくて、
その・・ブラッシュの触感とかから見ると、
結構大まかに描いてあるって感じなんです。

TD-3-A:
帽子は・・なるほど。帽子は・・細かくなくて・・

TD-3-B:
荒くて、

TD-3-A:
地面はでも結構細かい・・

TD-3-B:
そうそうそうそう。
特に、帽子のあの服の描き方に比較したら、
特にまあ荒くっていうか、雑に描いたって感じがすると思います。
さらに、その・・えっと(笑)、筋肉を描いたんですよ。

TD-3-A:
うん。

TD-3-B:
その・・女性の。
女性なのに、ちょっと太めに・・太いていうか、まあ、厚く(笑)。
女性なんだけど、手の筋肉を細かく描いたっていうのは、ちょっと気になってて 。

例えば、さっき言ってたその貧しさとか、生活の負担が・・
まあ大変とかっていうのも関わってるのかなと思うんですよ。
女性だったら、そこまで細かく筋肉とか強調しなくてもいいじゃない。
と、普通に思うんですけど・・
でも、女性なのに、女性らしくない筋肉を描いたのは何なんだろう
っていうのを考えたんです。

TD-3-A:
なるほど。

TD-3-B:
その中で、さっき一つの質問を立ててくださいって話があったんですけど、
やっぱり一番気になったのは、食べ物なんですよ。食べ物。
・・パンとかもあるじゃないですか。

でも、よく見たら、よ〜く見たら、食べ物のみに注目するとしたら、
何か、まず色が食べ物に見えないじゃない?と思ってて・・
金色とか、ゴールドとかに見えるじゃない?って思ってて。

さらに、表現方法も、点々って描いたんですよ。
点が細かくいっぱいあるんですよ、あそこでよく見たら。
しかも点で表現する絵はもちろんあるんですけど、珍しくはないんですけど、
でも、この絵の中で食べ物のみ、点で描いてあるんですよ。よく見たら。

TD-3-A:
食べ物のみ点・・

TD-3-B:
そう。食べ物に注目したんで・・

TD-3-A:
あの顔は点じゃないんですかね?

TD-3-B:
点じゃないんです。
(絵の方に移動)
これこれ。パンは点々って感じが強くない?

TD-3-A:
点々ですね。

TD-3-B:
顔に比べたら、他の所に・・
まあ多分、光とかも表現するように点々とか使うんですけど、
でも全然違う・・
点なのに違う使い方じゃないですか。ここでの。

TD-3-A:
なるほど。

TD-3-B:
これとても気になってて。何故だろうなと思って・・

TD-3-A:
パンのこの感じ・・だけ点。

TD-3-B:
カゴもね。

TD-3-A:
カゴもここ点・・ここ点・・そうですよね。

TD-3-B:
うん。

TD-3-A:
こっちの辺は塗ってますよね。黒い方は。

TD-3-B:
そうそうそう。
なぜこんなに・・その・・この辺に点がこんなに・・
点で表現するようになったのかなって。

TD-3-A:
よく見たらあれですね。
あの帽子のところの光の強さと、ここら辺結構同じぐらいここら辺て、
注目が当たるぐらい光ってますよね。何か・・

TD-3-B:
光ってるって感じがするんですよね。確かに。

TD-3-A:
なるほど。

TD-3-B:
これに対して、さらにあの全体的に表現方法としては、とっても・・
コントラストが強い絵なんです。
黒いところはとても黒い。
明るい時はとっても明るい。
これ印象的だったんです。

多分、テーマを表現するのに・・
あの・・まあわざとこういう風にしたのかなっていう。
なんか印象的には、完全に写実的じゃない感じがするんですよね。

表現するものに対して、表現したいところを強調したりとか、
違う描き方を使ったりとかっていう・・のが感想でした。はい。

TD-3-A:
最初どこから見始めたんですか?

TD-3-B:
私は一番下に歩いたので・・
あそこから、下から上までっていう・・
この絵を前に知ってたんですけど、見たこともあるんですけど、
でも・・こういうこれ、元々のサイズですかね?

TD-3-A:
いや、元々のサイズってこの絵って普通のあの・・
このぐらい(両手で表現できる程度のサイズ)ですよね、確か。

TD-3-B:
そうなんですか。
私本物見たことないんですけど。

TD-3-A:
こんなに大きかったでしたっけ?

TD-3-B:
わかんない。
どこにも書いてないですよね。このノートとかにも。
もうもちろん初めてこのようなサイズの絵を見てたので、
やっぱり違うものとかいっぱい気づいたりとか、
割れたガラスだったりとか(笑)・・
絵が小さいと全然見えない。

TD-3-A:
ガラス割れてるんですか?

TD-3-B:
割れてます。

TD-3-A:
ただこの・・微妙なこの・・擦りガラス・・

TD-3-B:
違う、違う、これ割ったんで、光が通した・・

TD-3-A:
これ光か・・これが対応してるから、光か・・・
光で、割れてんのかこれは・・

TD-3-B:
個人的にそう思って。
とても細かく描いた絵だなと思ってました。

で、表情はね、最初は確かに印刷物を見てた時に・・
あの・・ね、曖昧な感情っていうより、
ネガティブな表情を読み取れるのかなと思うんですけど、

でも、大きいサイズで見たら、なんか・・え〜っと 中間的な・・
なにもネガティブとか、ポジティブとかなくて、
まあ日常に慣れてるっていう・・表情が・・
するんじゃないって思ってました。

TD-3-A:
そうですよね。なんか絵の大きさで全然違いますよね。

TD-3-B:
表情が特にね、変わったりとかもしてたんで・・
最初は確かにこれを見たら、ちょっとあれ?って感じがするじゃない?

TD-3-A:
ちょっとここら辺が・・
若干にこやか感も無きにしも非ずですよね

TD-3-B:
(笑)微妙ですよね。

TD-3-A:
この・・この辺・・この辺が・・口角?
別に超悲しいというわけではなくて・・

TD-3-B:
そうそうそうそう。

TD-3-A:
でも、にっこりしてるほど、にっこりしてないけど、
まあでもちょっと口角上がってるみたいな・・

TD-3-B:
そうですね。確かに。

TD-3-A:
感じですよね。

TD-3-B:
まあ一言で言うとしたら、多分まあ、日常ですよね。以上で。

◼️後半へ


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