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yuka~アイツに気持ちを伝えたい~

yukaを好きだと分かった日。決心した日。

放課後の製図室。夕焼けに染まったyukaの横顔を見た時。

オレはこの想いをyukaに伝えたい。そう決心しました。

ちょうどこの頃、周りの同級生から2人に対して、色んな「噂」が
飛び交っていました。

放課後になると、製図室で2人っきりでいる。
今まで2人だけでいる所を、何人かの同級生には見られていた。

特に男達からは「あれはもう付き合っているんじゃないか?」とまで
噂されていて、わざと製図室へ数人で押し掛けては、悪い顔して
見られていましたね。

けど、それまでは「良き友人の1人」だった。
yukaを女性としては見ていたものの、恋愛感情などは1つも無かった。
ただ、あの日の放課後を境に、徐々に意識したわけではなく、いっぺんに
好きになってしまったんです。
いや、好きだという事を自覚したんだと思います。

そうなると、この頃のオレはどうしても相手にこの想いを伝えたい。
それも今すぐに・・・。
その感情は今とは全く違って、押し殺せるものではありませんでした。

当時、文化祭の作成班のリーダーをしていた「竹宮」というのがいて、
こいつとは長年の親友でもありました。

この日の夜、学校から帰って真っ先に竹宮に連絡をした。

オレがyukaへの想いを伝えると、竹宮はそう驚いた雰囲気も出さず、
「そうだろうと思ったわ。けど、付き合ってなかったんやな。」と。
そして、
「あれだけ2人きりでいて、そんだけ色んな話をして、互いに色んな事を
知ってるんやったら、向こうも気があるんちゃう?」と言った。

実際、自分も竹宮に言われなくとも、このまま想いを伝えたとしても、
yukaには通じてくれるかもしれない。という気持ちはありました。

ただ、今までのyukaとのやりとりの中で、高校1年の時に同級生と
yukaは付き合って、心が傷つくくらい、そして付き合うって事は
高校生活では考えたくない。と言っていたのが強く残っていました。

オレは竹宮に、
「付き合うって事でなくてもいい、自分の想いだけを伝えるだけで。」と
言うと、
「じゃあ、ちゃんと気持ち伝えればいいよ。」と背中を押してくれました。

自分は、この連絡後に、
「明日yukaにちゃんと伝えよう。」と決めたんです。

次の日。
学校に行くとyukaが学校を休んでいました。

その前の夜、オレは竹宮と話をしていて、その夜はyukaからの連絡は
無かったんです。
ですから、なぜ今日yukaが休んだのか分からなかった。

今日、学校が終わって、家に帰って、yukaに連絡してみようと思い、
その日の告白は翌日以降に。と思っていました。

その日の放課後は、工作室に行く事もなく、そうそうに通学駅に向かい、
帰っていました。

すると、後ろから「◯◯くん!」と声枯れした声が聞こえました。
振り返ると「森さん」でした。

森さんはオレを追い駆けてきたんです。
そして、オレの横に来て「一緒に帰ろ?」と言ってきました。

森さんは先日も突然オレと一緒に帰ろうと言ったばかりだった。
それもその理由を告げず、ただ一言二言話すだけ。
最後に大判焼きを買って、そのまま駅前で別れた。という事が
あったばかりでした。

そんな中で、また森さんが一緒に帰ろうと言う・・・。
オレは森さんにその気持ちを聞こうとしました。

その話をしようとした時に、森さんがオレに、
「今日yuka休んでたね。」と聞いてきました。

「なにかあったんかな?」とオレは話す気持ちを変えて森さんに
なぜyukaが休んだのかを聞きました。

森さんは「うん。理由は私にあったんかもしれない・・・。」と、
俯きながら話す。

オレは「〇〇(yukaの苗字)となにかあったん?」と聞くと、
森さんは「それは〇〇(オレの苗字)くんには言えない」と。

その時に、オレは森さんにこう言ったんですね。

「〇〇(yukaの苗字)って、好きな人いるんだろうか?」と。

すると、森さんは突然顔を赤らめて、
「え!?好きな人!?」とびっくりしたような声で聞き返しました。

オレは、
「う、うん。好きな人いるんかなぁって思って。」と。

森さんは、それ以上話すこと無く、真っ赤な顔をして俯いたまま。

そして2人とも黙ったまま、もうそのまま駅に着きました。

森さんは最後に、
「〇〇くん。今度連絡してかまん?(かまわない?の方言)」と。

オレは、
「うん。別にいいよ。」と。

そしてそのまま違うホームに別れたのです。

「なんだなんだ???」
オレには全く分からない。
なぜに森さんはyukaの事を聞いて、突然黙ってしまったのか。

オレは、頭をかしげながら、電車に乗り、家路を急ぎました。

森さんが原因でyukaが休んだ?
そして森さんが今日一緒に帰ろうと言った。
バラバラになったジグソーは全くチグハグで1つにならない・・・。

家に帰って、すぐに連絡しようとした時。電話が鳴りました。

オレは電話を取り「もしもし」と言う。
すると、
「ゆかー」とyukaの声。
yukaからの電話でした。

ゆうさん



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