"PINCH" HITTER
こんにちは、ゆーさくです。開幕を明日に控え、皆さまいかがお過ごしでしょうか。だーーいぶあいだが空いてしまいましたが、2021年シーズン「この1点を、掴みとる。」というチームスローガンのもと、岡大海選手がどのような活躍でチームに貢献したのかを見ていきます。
岡大海選手は昨シーズン終盤、外野の一角を担い、オリックスバファローズとの優勝争いのキーマンとして活躍を見せました。
そんな岡大海選手でしたが昨シーズン、例年とは少し違った起用が見られました。それは「代打」です。今回は「代打・岡大海」を紐解いていき、どのような形でチームの"ピンチ"を救ったのかを見ていきます。
1.代打率パ・リーグ2位
では早速岡大海選手の昨シーズンの代打成績をご覧ください。
岡大海選手は昨シーズン、代打で21打数7安打、打率.333を記録しました。これはオリックスのアダム・ジョーンズ選手に次ぐパ・リーグ2位の成績です。ここ数年は主に代走や守備固めでの起用が多かった為、驚かれているファンの方も多いのではないでしょうか。
また、6月24日のソフトバンク戦から8月24日日本ハム戦まで実に4打席連続で代打安打を放つなど首脳陣の期待に応えました。
その中で、先発投手と対戦したのはオリックス・宮城投手とヤクルト・田口投手のわずか2回のみで、残りの19回が2番手以降のリリーフ投手との対戦となりました。また全21打席のうち、過半数の12打席が左投手との対戦となりました。これは昨シーズンの対左投手の成績が.250と対右投手の.238を上回っている事から、理に適った起用であったことが分かります。
2.終盤の男?
そんなリリーフ投手との対戦が目立った岡大海選手でしたが、具体的には何回での起用が多かったのでしょうか。早速見ていきましょう。
21回の打席のうち最も多く起用されたのは7回と9回の7打席、次いで6回の4打席、最後に8回の3打席となりました。やはりゲーム終盤での起用が多くなりましたね。
では続いて起用されたイニングとアウトカウントごとの代打成績を見ていきましょう。
ラッキー7や最終回など、ゲームを動かしたいポイントでの起用が目立ち、それに応える形で7回には3本のヒットを放ち打率も.429のハイアベレージとなりました。
またアウトカウントで見てみると、5→6→10打席とアウトが積み重なるにつれて起用が増えていきました。2死の場面で最も多くヒットを放ったことから、ここでも追い込まれた場面での勝負強さが垣間見えました(9回2死での成績は下記リンク参照)
では次に打順は主に何番のところで起用されていたのでしょうか。代打が出されるくらいなので下位打線のイメージが強いですが、はたして。
見立ての通り6番以降の下位打線、特に9番打者への起用が目立ちました。一度だけ4番・安田尚憲選手に代打起用されましたが、これは送りバントを目的としたいわゆる「ピンチバンター」での起用であった為今回は省略しています(結果は投飛)
これらの事から代打・岡大海選手は「ゲーム終盤の、アウトカウントが積み重なった下位打線での起用」が主戦場だった事が分かりました。ちなみに最も岡大海選手が代打に送られた相手は柿沼友哉選手でした。
しかしゲーム終盤といってもリードかビハインドか、ランナーの有無などその状況は様々です。次章では岡大海選手がどのような状況で多く起用され、どの場面を得意・苦手としたかを見ていきます。
3.チャンスメイクの鬼
岡大海選手が具体的にどのような状況下で代打起用されたのかを見ていきます。早速以下の表をご覧ください。
マリーンズがリードした場面での代打起用がわずか4打席だったのに対して、ビハインドでは17打席と圧倒的に「負けている展開」での代打起用が目立ちました。
続いてはこちら。試合状況ごとにランナーの有無をまとめた表です。
マリーンズがリードした場面ではランナーがいる状況での起用が目立ち、反対にビハインドではランナー無しでの起用が多い傾向になりました。最も多く起用されたビハインドでランナーが無い場合では.462(13-6)と圧倒的な数字を記録しました。
これらの事から昨年の岡大海選手は、首脳陣が最も活躍を期待したビハインドの場面での「逆境を切り拓くチャンスメイク」を得意とし、反対に「ランナーを返す役割」を苦手としていた事が分かりました。
4.結論
以上の事から2021年シーズンの代打・岡大海選手は主に「ゲーム終盤のアウトカウントが積み重なった下位打線、左投げのリリーフ投手の場面での起用が多く、ビハインドでの逆境を切り拓くチャンスメイクを得意としたもののランナーを返す役割は担いきれなかった」事が分かりました。
5.おわりに
今回「代打・岡大海」についてまとめた理由として、昨シーズン岡大海選手が代打で起用された際「若手を使った方が良いのではないか」等の否定的な意見が散見された事が挙げられます。若手の育成と試合の勝敗。もちろん双方大切な事です。このnoteを通じて「大海の代打はちゃんと機能していた」と言う認識が少しでも拡がれば幸いです。
と言ってる筆者ですが、今シーズンの岡大海選手にはぜひレギュラーを取って欲しいと考えています。次回のnoteでは岡大海選手は昨シーズンなぜレギュラーを取れなかったのか、今シーズンどうすればレギュラーを取れるのかを見ていきたいと思います。
つづく。
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