見出し画像

地方の大学受験の実態

今日は地方(関東地方や関西地方など)による受験に対する考え方やマインドの違いを記事にしようかと思います。

突然ですが、私の出身は関西の某田舎県です。大学も関西のいわゆる関関同立と呼ばれる大学のどれかに進学しました。それはもうずいぶん過去の話なんですが。

時は流れ現在は九州の福岡県に在住しており、今年受験の高3生と中3生の子供を育てる良きパパとして毎日を楽しく過ごしております。(良きパパと思いたい)

高校3年生の息子はさかのぼる事2年半前に福岡県ではかなり有名なトップ公立高校に進学しました。初めての受験の成功にホッと胸を撫で下ろした事を今でも昨日の事の様に思い出します。

前々から親子ともども是非入学したいと志願していた学校だけに入学以前からその学校の進学実績などはちょいちょい拝見しておりました。そしていざ入学が決まるとこれまで以上に進学実績を真剣に見るようになりました。そこである事に気づいたんです‥‥

おやおや?県下トップの公立高校。偏差値も県下での評価は72と申し分ない高偏差値の割には進学実績がいまいちパッとせんな。と・・・。

いや、素晴らしい実績なのは確かです。間違いなく素晴らしいのです。しかし、私が過ごした関西の片田舎。その県にある偏差値70くらいの公立高校より明らかに実績が見劣りする気がしたんです。

息子の学校は地域がらと言ってしまえばそれまでなんですがいわゆる九州の絶対王者旧帝の一角、九州大学への進学実績においては他の追随を許さないほどの圧倒的実績を誇っているのは確かなんです。合格者も毎年現役で80人〜90人は排出している。しかし九州大学以外の国立大学は東京大学数人、一橋大学数人、東工大0、京都大学5人以下。大阪大学7人以下。神戸大学2〜3人。その他の国立大学はまぁそれなりにいる。それでも学年人数約400人の中で国公立大学に進むのは約半数の200人。多いのは多いけど。でも誰もが知る国立大学への排出人数と考えた場合は。ん?ん?

えっと私立はどうかな?

西南学院大学200人以上。福岡大学150人以上。いやいやちょっと待って。立派ですよ。もちろん西南だって福大だって九州ではメジャーです。悪くないですよ。でもごめん。ハッキリ言って九州以外の人は聞いた事もない大学なんだが。正直、偏差値がまがりなりにも70超えてる学校の生徒さんがそんなに大多数も進学する大学には思えんのだか。まぁ、福岡大学の医学部なら別ですよ。現に私自身、福岡に住むようになって初めて西南学院大学という大学がある事を知りました。(誤解があってはいけないので言っておきますが西南学院生は優秀です。)他は?他は?

同志社24人 立命館48人 関学10人 関大3人(※学校の特定をさけるため実際の数字を若干、変更してます。)

いやいや、関関同立これだけ?しかも私立は同じ子が複数学部受験して受かった実績もカウントされてるよね?1人の子が同志社法と同志社経済受かったらそれで合格者2でカウントしてるね?それでこれだけ?ちょっと待てよ。

じゃあ早慶、上理、マーチは?

数人いるけどほぼ皆無やんっ!!

焦りました。なぜに?と。

えっと私の出身県の偏差値70の公立高校はどうかな?

東京大学10人、京都大学50人、神戸大学35人、一橋大学7人、東京工業大学5人。

いや、やっぱり京大のお膝元の県だけに京大への進学人数すげー!関関同立は?えっと全部あわせて280人!えっと早慶は?マーチは?えっとやっぱ関関同立があるから関東に進学する子は少なくなるけどそれでも合計すると100人近くは合格してる。

いったいこの差は何?

息子の入学当初はこの疑問の謎がしっかりとは解明できずにいました。

そりゃ、東京の偏差値72と大阪の偏差値72、福岡の偏差値72じゃ同じ72でも母数がちがうからなぁ。いわゆる僕が知る関西での72とは基準がちがうのかな?とか。確かにそれもあるんですが。もしくは、やっぱり九州ともなると関関同立に行くのも確実に下宿になりお金かかるし、ましてや東京となるともっとだし。ご家庭の懐事情もあって九州圏内の大学にみんな進学するのかな?とか。確かにこれも大いにあるっちゃあるんですが。それでもやはり早慶やマーカンへの進学人数や九州大学以外の旧帝や準難関国公立への進学実績があまりに少なくないか?なぜなんだろう。数年、息子を高校に通わすウチに徐々に徐々にその理由がわかってきました。

まず第一にあまりにも地元九州大学を神格化扱いしている事。

先生も生徒も一丸となって目指すは九州大学が一つの標語かのように飛び交う世界。これはこの高校に限らずです。別にこの高校に関係ない一般の方でも最強の大学と言えば九州大学と口を揃えて発言するような文化が形成されてしまっているんです。君は九州大学なのか!すごい!どこどこのお子さんは九州大学なんだって!あの人、ああ見えても九州大学出身よ。と、とにかく九州大学の土壌なんです。日本で1番の国立は東大。2番は京大。次が九大と思っている方が本当に一定数存在しています。一橋大学です。へぇ。大阪大学です。あっ大阪の大学なんだね。東京工業大学です。ふーん、東京の私立の工業専門大学なのね。関関同立って関大が1番先頭にきてるから関大が1番なの?とマサにこんな感じの方がわんさかいるんです。うーん。ですよね。流石に私立の絶対的雄、早慶はみなさんご存知です。だけどマーチとなるとその大学名を全部言える方なんて、大企業の人事担当か教育関係者、もしくは相当大学事情に詳しい一部の親御さんくらいじゃないでしょうか。とにかく九州大学の認知度だけは老若男女関係なしに絶対て感じです。そういえばびっくりする事がありました。息子が通う塾での話です。その塾(全国にある大手予備校)の校舎長と息子の進路について保護者面談をした時の話です。息子は第一志望を大阪大学法学部。第二志望を神戸大学法学部と記載して面談に臨みました。するとその予備校の校舎長の方はその志望アンケート用紙を見て「あっ、第二志望はジン大なんですね。ジン大も凄い良い大学ですよね。私も大学が関西でしたのでジン大は知ってます。」とおっしゃいました。ビビりました。心底びびりました。ジン大って!!ジン大は神奈川の私立大学の神奈川大学の事だろ。神戸大学はシン大だろと。しかも関西の大学に通われていたなら尚更ジン大ではなくシン大と呼ぶ事は知っているんじゃ。

関西では中学生でも神戸大学の事をシン大と呼ぶのは常識です。確かに関東や九州の方からすれば神戸大学はそんなに馴染みのない大学なのは理解できます。一般の方が神戸大学を知らないのも土地柄的には無理もありません。むしろ普通の事なのでしょう。しかし、今回シン大の事をジン大と言い間違えられたのは仮にも大手予備校の校舎長さんです。神戸大学と言えば難関10大学に名を連ねる名門です。その予備校では冠模試も実施されている大学です。おい、おい。息子を預けて大丈夫か?と少し心配になりました。幸い、人柄は非常によい方で熱心な方なので今は安心して息子を預けており日頃感謝もしていますが、あの時の面談は正直かなり衝撃でした。

それから各予備校の建物に掲げられている合格実績の垂れ幕や看板。こちらも東大何名、京大何名の次は九大何名。ここまではでかでかとした文字。その後はふたまわりほど小さい文字で大阪大学や一橋や早慶合格何名の文字。まぁ、これはわかります。そりゃここは九州地方だから。それでもやはり地方出身者の私からすれば多少の違和感は拭えません。

やはり一流大学=九州大学というマインドを嫌というほど刷り込まれる図式です。

まぁ、間違いなく一流の国立大学である事は紛れもない事実なんですが私は納得ができませんでした。小さい小さい人間です。

それからトップ進学校同士は今年は九大に何人合格実績を出したかで地位を競い合うという構図も延々と続く何だかな?な構図です。東大何名とか京大何名とかで競ってくれないかな。凄い学校なんだからって思ってしまいます。

第一の理由はざっとこんな感じです。とにかく九州大学が絶対王者すぎる文化が根強く残り過ぎだという事です。

ちなみに息子が学校でいただいてきた1学年上の先輩達が共通テストで何点取ってどこの大学を受けて受かった落ちたの資料にも真剣に目を通しました。

いるじゃないですか!共通テスト9割越えや8割5分越えの子がわんさか。じゃあこの子達はどこを受けたの?九州大学九州大学九州大学九州大学‥‥。うそだろ。もったいない。逆に共テ得点率70%後半くらいの子が京大受けて落ちてる。チャレンジ精神はすばらしいけどそりゃそうだろうな。浪人してでも行く価値ありまくりな大学だから是非諦めずに頑張ってほしい。というか何故8割半ばも取れてて九大以上にチャレンジしないんだ。家庭の事情はわかる。でも国立大学なら親に頼み込めば親御さんも下宿してでもと頑張ってくれるんじゃ。ちなみに私なら絶対に許します。もちろんお金に余裕のある家庭ではないですが笑。

第一の理由に熱くなりすぎました。地方の子がより高みを目指さない、もしくは進学実績がパッとしない印象を受ける第二の理由に移ります。

第二の理由は首都圏に比べての圧倒的に情報不足及びノウハウ不足です。

これだけネットが普及した時代において、手に入らない情報というのはあまり有りません。ネットを検索すれば素晴らしい教えの動画を安い価格で提供してくれていたり価値ある情報を無料で提供してくれていたりと私が現役だった時代に比べて価値ある情報の入手が地方に居ても爆発的に手に入り易くはなりました。ただし価値ある情報を入手できる確立が飛躍的に上がった反面、情報過多すぎて全く価値のない情報や信憑性が薄い勉強法なども目や耳に入ってきてしまう時代になっています。ネットの情報だけを鵜呑みにして地方でも首都圏や関西地区にいるのと同じ情報が手に入ると思うのはかなり早計な考えです。そして、何より大事な情報。要は東大や京大またはそれに続く難関大学を実際に目指している子や実際に受かってそこに通っている子、もしくは卒業生の方などの生の声やノウハウが地方では入手する機会がまだまだ少ないというのが実情です。

例えば予備校一つとってもそうです。大手予備校にはだいたいチューターと呼ばれる現役大学生が指導員としてアルバイトなどで働かれてたりされます。これが東京であれば東大のチューター、一橋のチューター、早稲田慶應のチューターという感じでその学校に実際に通ってらっしゃる学生さんから生の大学情報や受験戦略を聞くという事が可能となります。生の教えを体験できるわけです。関西なら京大、阪大、神大のチューターさんにといった感じでしょうか。

しかし、ここは九州。九州大学のチューターさんはたくさんいらっしゃいますし九州大学受験のノウハウはいくらでも生で聞く事はできます。だけど、今現在、東大に通っていますよ、京大ですよという学生さんに教えを受ける事は事実上不可能なんです。阪大を目指すと言ってもチューターさんは九州大学の方なんです。九州大学の学生さんは非常に優秀です。先ほど述べた通り本来の実力なら九州大学以上を普通に狙えたんじゃと思える学生さんも多数いらっしゃいます。しかし、それはもしも論でしかなく実際は本物の東大生や京大生ではないんです。生の声やノウハウを享受するという意味においては関東や関西に比べて圧倒的に不利な状況に立たされてしまう訳です。そのかわり九州大学合格への指導やノウハウ享受という意味では他の県を圧倒してピカイチでしょう。

それと友達との会話においてもやはり出てくるのは九州大学の話。例えば東大合格者人数No.1の開成高校であれば、「お前どこ狙ってるの?」なんて言うまでもなく大多数の学生さんが東大志望または医学部志望でしょう。だから今更どこ狙ってるの?なんて会話はあまりなく話す内容は東大はデフォルトで、じゃあその中の理3なの?理1なの?みたいな東大の中の何処なのって会話になるでしょう。(私は東京の人間でもなくましてや天下の開成卒の人間でもありませんので予想でしかないですが笑)だからこそ集団心理が働いて皆で東大を目指す環境が出来上がっていると思うのです。だからこそ、東大受験に関してのノウハウが友達同士の会話で飛び交う事になるんです。

しかし、私の息子の高校はそれが東大ではなく九大になってしまうのです。友達同士の会話で出てくる受験の話はほとんどが九大に関する内容なんです。

その中で東大や京大を狙うなんて非常に孤独な戦いなんです。ましてや私の息子が目指す大阪大学なら尚更です。一緒に大阪大学を目指してシノギを削りあうライバルがいないんです。そりゃ、そんな孤独な戦いを強いられたら僕も私も九大でいいかな?ってなっちゃいますよね。

受験とは突き詰めると孤独な戦いです。自分自身が勉強にどう立ち向かうかが問題であり、最終的には周りは関係ありません。でもまだそこは大人なようでまだまだ子供な高校生。やはり大多数の集団に属したくなるってのが人情ってものですよね。

昼休みや放課後、または予備校で仲間たちが九州大学の情報交換をしあっていたり、九大模試の結果を見せ合う中、1人孤独に大阪大学を目指すのは中々骨の折れる作業なんです。

だからこそ、私は息子にできるだけ協力したくて無い知恵をしぼり息子の受験に協力する仲間として日々、戦略収集や情報収集に奔走しているんですが。まぁ、素人なのでそれこそ意味の無い情報を提供して息子を混乱させないように日頃はおとなしくおとなしく見守っているだけですが。

受験は集団戦略なんて野暮な事を言いたい訳ではありません。しかしながら自分が属する環境の影響を少なからず受けてしまうのは人間の常ではないでしょうか。

以上のような事から地方のトップ校が実力はありながらも首都圏の同レベルの高校と比べて進学実績が見劣りしてしまう理由を自分なりに考察してみました。

大学で人生は決まりません。それは断言できます。大学など出なくとも素晴らしい人生を過ごしたり素晴らしい実績を積み上げていらっしゃる方は世の中にごまんといらっしゃいます。しかし、せっかく進学校に通われたという事は少なからず勉強に対して意欲があったり大学や就職、自分の人生に対して目標や夢があってその進学校を選んだはずです。それなら大多数の意見に惑わされず、もっともっと高い所を目指すのは凄く意味のある事だと思うのです。

地方の進学校のみなさん。もっともっと自分には可能性しかない事を自覚して下さい。親御さんとの話に折り合いがつくのであれば、どんどん都会の優秀な大学を目指して下さい。集団心理にハマらず高みを目指して下さい。その経験はきっと自分を2倍も3倍も成長させる経験になるはずです。

しょうもない内容の記事を長々と書き続けました。もう終わります。ただ最後にこれだけは言わせて下さい。私は関西出身の人間ですが自分が住むこの福岡は大好きです。人もあたたかく、気候も年間を通して過ごし易く、ごはんも最高に美味しければ、自然も多いのに程よい都会でもある最高の環境です。そうでなければ20年もここで過ごしておりません。勤める会社の先輩同僚後輩も最高の仲間ばかりです。ですので本日の記事は九州大学や九州の方々の大学の考えを否定するものでもなんでもありません。ただ、しがないオッさんのしがない考察でありアホが独り言を言っているだけなのでお気を悪くされないで下さい。もしこの記事を読んで気を悪くされた方がいらっしゃいましたら、コメントで無茶苦茶に叩いてください。最後までお読みいただきありがとうございました。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?