今日のお菓子　5/13

平日の休みというのは、なぜか得した気分になる。

寝ぼけながらも窓を開け、穏やかな風を部屋に通す。夜に溜まった湿気が外へ逃げていく。

こういう日は、朝一でご褒美を食べてもいいだろう。誰も咎める人はいなのだから。

窓から伸びる一筋の光がとてつもなく力強い。特等席はここで間違いないだろう。

ラグやクッション、そして、季節外れのアドベントカレンダー。

今日のお菓子はメレンゲ。可愛らしいピンク色だ。一つだけフライングで食べてみる。あ、甘酸っぱい。ココナッツの香りが混じってわかりにくいけど、こんなに甘酸っぱさを自己主張できるのはこれしかない。フランボワーズ。しっかりと甘いのに、酸味が後腐れなく過ぎ去っていく。

こういうのに合わせるなら、出来るだけさっぱりしたものがいい。だから、今日はグレープフルーツ。緑茶にグレープフルーツの香りを付けた爽やかなお茶だ。そのまま飲むのもいいが、私はこれに砂糖を入れる。すこし尖った渋みが途端に丸くなる。でも、鼻を抜ける柑橘類の香りは誰も邪魔できない。

天気もいいので、今日はボーナスを付けよう。

クラフト紙の袋には実は11から31までの数字の他にボーナスと書かれたお菓子が入っている。今日はその中から、唇の形に抜かれたパイを選ぶ。表面にはピンク色の砂糖がまぶしてある。

こっちは苺だ。フランボワーズとは違う、よりさっぱりとした香りが広がる。

初夏の日差しは少しきつい。

だけど、この暖かさは、嫌いじゃない。

青空に浮かぶ雲を見送りながら、少し冷めかけた甘い緑茶を飲み干した。