vol3.モチベーショングラフで自社を丸裸に!
前回の投稿(*)で、求人広告では「求職者にとってのメリット」を伝えることが大事だと書きました。
この求職者にとってのメリットのうち半分くらいは、会社の魅力の中からみつけます。(残りはんぶんの「仕事の魅力」はまた別の機会に)
そこで役に立つのが、モチベーショングラフ。就活のときに自己分析でつかった人も多いと思います。
モチベーショングラフとは?
過去から現在までを振り返り、自分がどんな時にモチベーションが上がるのか? それはなぜか? を明らかにすることで、自分の価値観や特徴、強み、弱みを理解できる自己分析の方法。
これを会社に当てはめてみたいと思います。モチベーショングラフをつくることで、会社の価値観や特徴、強み、弱みがみつけることが目的です。そしてあわよくば、「ウチにぴったりの人ってこういう人かも!」というところまでみつかれば、最高です。
良かったことも、良くなかったことも、ぜんぶ書き出す
会社の場合は、モチベーションではなく「成長」の上がり・下がりにつながったできことを洗い出します。
・軌道に乗った事業、失敗した事業
・キーマンの入社
・大きく成長した時期に起きたできごと、低迷した時期に起きたできごと
・社会的に大きなインパクトのあったできごと
このようなできごとやエピソードをできるだけたくさん思い出し、書き出していきます。
※洗い出しの例
創業から10年目くらいまでの会社であれば、細かく振り返ってみるとおもしろいです。しかし、それ以上の歴史がある会社だと思い出せない、知ってる人がいない、(知ってる人がいても)時間がかかるので、以下の成長ステージごとに考えてみてもいいかもしれません。
創業期:0→1を生み出すフェーズ。経営陣が主体となりビジネスモデルや技術力で勝負します。
成長期:生み出した「1」を広げていく1→10のフェーズ。商品を効率的に生産したり、だれもが業務をこなせるようにするなど、汎用性を高めていきます。
安定期:10→100のフェーズでは、さらに拡大を目指します。組織や業務を細分化することが多く、効率化とイノベーションの両軸が求められます。
*ステージごとに決まった年数があるわけではなく、創業期が半年のこともあれば、5年くらいのこともあります。
前にもお伝えした気がしますが、良いところだけじゃなく、良くなかったところも、ぜんぶ書いてくださいね。かんぺきな人がいないのと同じように、かんぺきな会社なんてないんですから。
ぜーんぶ書き出したら、あとはグラフにするだけ。
・会社の成長につながったこと:グラフの上
・会社の成長につながらなかったこと:グラフの下
というイメージで波を描いていきます。
※モチベーショングラフの例
価値観、特徴、強み、弱みのみつけかた
モチベーショングラフが完成すると、なんかやりきった感があって、ここで終わりにしたくなっちゃうのですが…。
実は、ここからが本番です。
自社の価値観、特徴、強み、弱みをみつけるには、「分析」が必要です。
(といっても、そんなおおげさなものじゃないです。)
①「なぜ?」「どうして?」を繰り返す
いわゆる「深掘り」といわれるもの。できごとがあったときの感情や「なぜそれが起こったのか?」という原因、そのできごとによる変化などを書き出します。
たとえば、こんな感じです。
創業:期待でワクワク。不安はあまり感じなかった。
▼なぜ不安を感じなかったのか?
創業メンバーが優秀な営業マンだったから。
▼どんなところが優秀なのか?
営業でトップの売上だったから。
▼なぜトップの売上を上げることができたのか?
つねにクライアントの方を向いて仕事をしていたから。
▼たとえばどんな風に?
社内のルールを守るよりも、クライアントにとって最善のことをする。
ここでのポイントは、あくまでも成長の要因を考えること。問いを繰り返してこれ以上は分解できない!というところまでいったら、最後は抽象化します。
上の例でいうと「自分の頭で考えて主体的に行動する」といった感じです。
②共通項を探してみる
すべてのできごとに対して、「なぜ?」「どうして?」を繰り返して抽象化したものを並べてみます。
・自分の頭で考えて主体的に行動する
・社内のメンバーに気を使いたくない
・自由に仕事をしたい
・ゼロから手取り足取り教えなくてはならない人材は(とりあえず今は)難しい
・できるだけ早く組織を拡大したい
・自走できるメンバーが多い
すると共通項が見えてきて、おぼろげながら自社の価値観や特徴、強み、弱み、さらにどのような人材だったら自社に合うのかがわかるはずです。
*可能なら創業メンバーに話を聞くと原点みたいなものがわかると思います。
ちなみにモチベーショングラフは複数のメンバーを巻き込んでやることで、理念の浸透や価値観の共有にも役立ちます。組織が大きくなって「最近なんか一体感がないなあ…」「同じ方向を向いてない気がする」と感じたときにやってみると、メンバーにとっていい刺激になるかもしれません。
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