水仙の花をボケの木に突き刺して大騒ぎになった話
(Twitterで呟いたものをそのまま転載してます)
こんばんは。なんだか今日は張り切って、ちゃんと推敲して小噺を書いたのだけど、読み返すと全く面白くなかったので、いつも通りフリースタイルいきます。私が小学生の時の話です。
私が小学生三、四年生の頃のことだったと思うんだけど、そのころは週末によく母方の祖母の家に遊びにいっていた。一人暮らしの祖母を心配しての帰省だったと思うのだけど、祖母の家はど田舎で何もなくてつまらないので、あまり好きではなかった。
庭にある金柑の実を天井に投げつけたり、川の横にある石のくぼみに嵌って抜けられなくなって泣いて助けを求めたりして過ごしていたが、どうにも面白くない。
あまりにも暇で妹と庭に咲いている水仙を摘んで遊んでいた。
そうだ、このお花で何かやろう。
そばにあったボケの木の先に水仙の花を付けてみた。ただ水仙の花をボケの木に突き刺しただけなのだが、なかなかいい感じに接合している。
妹と2人で共謀し、大人たちがいる場所へいき、少し大袈裟めに報告した。
「たいへん!ボケの木から水仙が咲いてるよ!!」
すぐバレるちょっとしたおふざけのつもりだったのだが、
「うわ!!本当だ!ボケの木から水仙の花が咲いてる」
「これは珍しい…!こんなことってあるんだね!」
と騒ぎ出す親戚たち
あれ?ツッコミが来ないぞ…?
ツッコミ不在のまま、盛り上がる親戚に対し、ネタバラシをするタイミングを完全に失ってしまった私と妹は若干焦っていた。
今思い返しても、なぜあの時誰も気づかなかったのか不思議である。なんでだ???
そして…
「よし!投稿!特ホウ王国に出そう!」
と親戚の1人が声をあげた。
投稿!特ホウ王国とは当時放映されていた視聴者投稿型おもしろ仰天スクープバラエティ番組である。
親戚たちはさらに盛り上がり、ますます「うっそでーす!(てへぺろ☆」ではすまない状況になっていく…
いや…そやかて…工藤…
親戚が「カメラ持ってくるわ!テレビがくるまでどう保存しようか?」と具体的な話を始め、「賞金もらったらどうしよう!」というところに話が及んだところで耐えきれなくなり、私はボケの木から水仙の花を引き抜き、声を無理やり絞り出した。
「うっそでーす…」
しーん…
盛り上がりが水を打った様に一気にしらけていく…でも、これを本当に特ホウ王国になぞ出されたら、恥をかくどころの騒ぎではなくなってしまう!虚偽申告で吊し上げられる!!(と、当時の私は真剣に思っていた)
微妙な雰囲気の中、おばちゃんの1人が爆笑し始めた。
「オホホ、ボケの木に水仙の花が咲くわけないやないの!おかしいと思ったわ!オホホホ」
おばちゃんが笑い始めたことで、カメラを用意しようとしてたおじさんたちも
「いや…わしもおかしいと思ってたんよ」
「ボケの木に水仙が咲くとかなぁ…?」
と言い出した。絶対嘘やろ。
おばちゃんのナイスアシストにより、今回の件は私と妹のちょっと面白い感じのいたずら話という所におさまり、今ではもう私以外覚えていないだろう。
私はこの一件を経て、安易に嘘はついてはいけないなと学んだ。そして、人は意外と簡単にありえないようなことでも信じてしまうということも。
「ボケの木に水仙の花を刺してはいけない」
今回の教訓とセットにして、ロシアの格言だと言ったら、誰か信じるかな?
おわり