深夜の田舎道で白い軽トラに遭遇した話
(Twitterで呟いたものをそのまま転載してます)
そういえば、この前の話のついでに思い出した話があるんですけど、ちょっとした夜話のつもりで書いておく。怖い話でもなんでもない、ちょっと私が不用意だったなーって話なんですが、気が向いたら聞いていってください。
とある地方で一人暮らししてたとき、職場の歓送迎会か何かで帰りが深夜になったことがあったんです。時間は1時くらいだったかな?お酒を飲まなかった先輩が車で送ってくれて、家まで送ろうか?と言ってくれたのだけど、少しわかりづらい場所だったので、最寄りのコンビニでおろしてもらいました。
深夜とはいえ、ど田舎なので全然人はいないし、コンビニから自宅は徒歩5分程度の距離。コンビニで買った水を一口飲んで、ちょっと怖いけど、とりあえず急いで帰ろうと足早に家路につきました。
街灯はそれなりにあった道なので真っ暗ではないですが、人っこ1人、車1台通りません。
先輩に家まで送ってもらえばよかったかなー、でも、悪いよなーなんて考えつつ、とにかく早く帰ろうと急いでました。もう少しで家に着くというところで、後ろに何かの気配を感じて、振り返りました。
ライトをつけていない一台の白い軽トラが私の後を追うようにゆっくりとついてきていました。
私が気付いたことに向こうも気づいたのか、ライトをパッとつけて、軽トラはゆっくりと走り始めました。
いや、あんた完全についてきてたでしょ?と思いつつ、ただの通りすがりであるという微レ存の可能性に賭けたい!財布の中身をぶちこみたい(3000円くらい)!
家の玄関まであと3メートル…
私の願いも虚しく、軽トラをゆっくりと私の真横に寄せてきました。当時の私、闇金ウシジマくん読んでなくて本当によかった。読んでたらこの時点で怖くて泣いてたと思う。
車が寄せられる限界くらいまで近寄ると、スーーーっと運転席の窓があいて、低くて小さな声で
「乗っていきませんか?」
めちゃくちゃ顔色の悪い若くもないがおじさんというほどでもない年齢不詳の男が真っ暗な目でこちらを覗き込んでいました。
男の異様な雰囲気に怖気が立つというのはこういうことなのか!とわかるくらい軽トラ側の皮膚がざわついていて、冷や汗が止まらない。
なんや、こいつ…めっさ怖い…
「乗っていきまっせん!」
恐怖からくる緊張のあまり、おかしい日本語で丁寧に返事をし、突然の全力疾走!水が落ちた!知るか!!105円!!
オートロックのドアに急いで駆け込むが、焦って鍵が鍵穴になかなか入らない!!あああああああああ!!
転がり込むようにマンションの中にはいる。
エレベーターがくるまで気が気ではなかったが、諦めたのか軽トラはまた静かに走り出し、どこかへ去っていった。ライトはしっかりとついていた。
どうにか部屋にたどり着いた私は、安心感と自分の不用意さが情けなくて泣いた。
自分の家を知られたのはミスだが、あの距離で撒けるやつ、いねーだろ?
怖かったのでこの出来事の直後はかなり気を張って生活していた。部屋にラップ音みたいな変な音を鳴らして脅かすクソ野郎がいたのでいつもよりさらに怖くてイライラした。
飲み会で遅くなったらタクシーを使おう、最寄りのコンビニではなく家まで。うん。当たり前のことだけど、今回のことで身に染みた。
それからしばらく経ったけれど、特に何もなかったのでだんだんと普通の生活に戻っていった。
ある日、職場で昼食をご飯を食べていたとき、飲み会で遅くなった時にどうやって帰るかと話題になった。
ちょっとギクリとしながら聞いていると、地元民である同僚が少し厳しい顔をして、
「気をつけなよー?
この街、深夜に白い軽トラに乗って女の人に声をかけて連れ去ろうとする男がいるって結構前から言われてるんだからー!友達の知り合いもあったことあるって!」
うん、多分、それ、私も遭ったわ。
知りたくなかったけど。
おわり