十六夜杯 みんなの短歌大会に参加いたします
短歌大会、秋を感じて詠んでみた。
1首目、遙か昔学生の頃、社会の先生だか、国語の先生が語ったことを時々印象深く思い出す。
「我々は地球儀をくるっと回して針を刺したようにこの地に生まれて、長い歴史のほんの一瞬の時間帯に生きている。時間の軸、空間の軸、偶然に一致した同じ所にいるんだ」みたいな意味。
当時はピンと来なかったけれど、改めてこの時代、この場所に自分が、あなたがいることってすごく大きな偶然。宇宙の大きな大きな空間、何千何万の時間・・・そんな中の小さな小さな一点の交わり。そこに意味を見いだせば必然、時間と空間、共有してることは奇跡に近い。
2首目、カーテンが閉まって砂埃が目だって、空き家って物言わずとも醸し出す雰囲気がある。当地にも、空き家がたくさん目につく。
かつては、丁寧に手入れされていたであろう庭も少しずつ荒れていく。それでも、季節には花が咲いて、昔の活気が偲ばれたりする。秋桜はきれいで繊細に見えるけれど、その実、とても逞しい。人の世の残酷さ切なさも感じつつ、それでも留まらない時の流れを想う。
3首目、秋のお日様の光はとても優しい。紅葉した葉が枝から離れ地面に落ちるまでの間、キラキラとヒラヒラと翻りながら落ちる。物寂しさもありながら、最後の一瞬まで煌めいて美しい。黄金色の秋。
木枯らしが吹く前、束の間の風の優しさ。この時期だけにしか見られない景色がある。
過去の短歌は三十一文字にまとめるだけで精一杯で、季節感まで思い描く余裕がほとんどなかったけれど、今回は自分なりに秋の景色を感じて詠むことができたような気がする。四季があって、それぞれに風情があって、季節ごとの良さに気づくことができて幸せ。
クルーの皆様、ありがとうございます。よろしくお願いします。