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ジリからのエベレスト街道クラッシックルート Day 18 ルクラ

いよいよ長かったヒマラヤトレッキングが終わる。

今日、空港があるルクラまで辿り着けば、あとは翌日カトマンズへひとっ飛び。

ジリから歩き始めた、もう何日も前の様々な記憶が蘇る。

これからの東京での日常生活はどうしようかな。

頭の中の情景が次々に変わる。

うん? 飛行機が飛んでいる。二機も三機も飛んでいる音がする。
うるさいなぁ。

何となく窓に目をやると、ずいぶん明るい陽が差している。

えっ? あっ? 今何時だ?
時計を見ると8時。完全に寝過ごした。
今朝は7時朝食で、7時半出発ではないか。

慌てて食堂に顔を出すと、ガイドのライさんが笑いながら言う。
「オハヨウゴザイマス」

すっかり寝過ごしてしまった。
昨日21kmもの距離を歩いた疲れのせいか、最後の1日の油断か。

飛行機の音は、ルクラ空港への一便の到着だったんだろう。

僕は朝食もそこそこに、荷物を纏めて出発した。

Jorsalle(2,821m)〜Lukla(2,908m)
計14.2km


今日も一日下って登って、また下る。
登りも大変だが、下りは膝の関節への負担が大きい。いつ音を上げるかと不安だったが、何とか最後まで持ちそうだ。

このあたりまで下りてくると、もう雪景色もない。緑豊かな山々や段々畑が目に鮮やかに映る。

行き交う人々やロバ達で街道はとても賑やかだ。

下りるほどに気温も上昇。今日は久しぶりにTシャツに短パン姿だ。

反対に、食事や水の値段はどんどん下がってゆく。

改めて思う。山での食料や物資は、ほぼ全てここから人や動物達が4日も5日もかけて運び上げたもの。
ヒマラヤの物流システムに感謝である。

最後の最後までアップダウンに激しい道が続く。最後の長い階段を登り切るとルクラの街が現れた。

たくさんの商店が立ち並ぶ、まさに街道の宿場町的雰囲気の中を歩く。

一本道を街の先まで進んだところに空港があった。何と小さな空港か。
滑走路が物凄く短く、かつ結構な勾配がある。まるで空母の滑走路の如くだ。

ジリからのエベレスト街道トレッキング旅。こんな所から飛び立つとは、最後の最後まで刺激的なのである。

スマートウオッチを確認する。
ジリから歩き始めて17日目。総歩行距離は213.6kmになっていた。

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