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#12 エベレスト旧ルート213kmの旅 ディンボチェ
今日はいよいよディンボチェ4,410mを目指す日。多くの人がこの地で高山病の症状を発するらしい。
昨晩出会ったトルコはイスタンブールからのカップルも、ディンボチェで調子が悪くなり、カラパタールを諦めたとか。
今朝も気持ち良く5時には目覚めた。
パンボチェ3,900mの高度では、さすがに寒い。スマートウォッチは2℃を示していた。
ネパールの水と食事が体に合うのか、これまで風邪もひかず、毎朝快便。調子はすこぶる良い。
もう何日もシャワーを浴びてないが、極端な乾燥のせいか、ほとんど気にならない。
ヘアムース要らずのオイリーヘア。
スタイリングも自由自在だ。
さらに髭も伸び放題。日焼けと相まって、もはや何人かも分からぬ容貌となった。
朝食には、シェルパシチューなるものをいただいた。
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今日は鬼門のディンボチェ、朝からパワー補給なのだ。
Pangboche(3,914m)〜Shomare〜Dingboche(4,293m) 計6.7km
出発してから、緩やかな登りが続くコース。アルパインの森を抜け、ソマレの村を越えると景色は一変した。
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木々がなくなり、4,000mの高地に、川に沿ってどこまでも見渡せそうな平野が広がっている。
高山病に気をつけながら、亀のように、いや亀以下の速度で進む。やがて眼下にディンボチェが見えてきた。
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想像していたより、ずっと大きな村だ。
村の中にはオシャレなカフェあり、ベーカリーあり、クリニックあり。
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4,400m、天空のリゾートタウン。
エベレストを目指して世界各国から人が集まり、様々な言語が聞こえてくる。
どうやらここでは日本人の存在感は極めて低いようだ。
360度の絶景に囲まれて、ここにしばらく逗留するのも悪くない。
ランチには定番のダルバートをいただいた。隣に座るアメリカ人はハンバーガーを頬張っている。
ドイツ人グループはパスタを食べていた。
大変な山道をとんでもない労力をかけて運ばれてきた食材達。大切に頂かなくては。
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一人食事をしていると、ドイツ人グループのガイドが僕に話しかけてきた。
彼はすこぶる英語が上手い。
聞けば、若い頃から仕事を求めて、アフガニスタン、マレーシア、ドバイを転々として来たと言う。
家が貧しく高等教育を受けれなかったので、ネパールでは良い仕事に就けなかったらしい。
40歳で一念発起して高校を卒業し、今日はポーター兼ガイド見習いとして、ドイツからの5人グループに同行しているそうだ。
本当は顧客であるドイツ人達ともっと話したいらしいが、ドイツ人同士でばかり話していて、会話に入れず退屈してたようだ。
ありがちな話である。
せっかく外国に来ても、同郷人とばかりつるんで、現地文化を受け入れようとしない。
その昔、僕の米国駐在時にも似たような人達がいた。
アメリカに住みながら、日本人とのみ付き合い、遊びはゴルフ、食事も日本食にこだわる。
人それぞれの価値観ではあるけれど、何とももったいない話だ。
ドイツ人達のトレッキングを何とか素晴らしいものにしたい。ネパール文化を伝えたい。見習いガイドさんの熱い思いを感じた。
この人なら、間違いなく素晴らしいガイドになるだろう。
お互いのアドレスを交換して、
See you again. Have a safe trip!
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