【story】『蓮華が風にゆれていた頃③』
ゴー・・ゴー・・
ゴー・・ゴー・・・
ゴー・・ゴー・・
ゴー・・ゴー・・・
「お母さん…風が強くなってきましたから、窓を閉めましょうね。」
そういうお嫁さんの声がして…目がさめた…
えっ、今のは…??
「お母さん…よく眠っていましたね。
そろそろ冷えてくるから…お布団をかけておきましょうね。」
えっ…?今のは夢だったの?
チェンジは…?
チェンジは…どこ??
周りを見渡してみても…
いつものベットと…天井が見えるだけ…
そう…
いつもと変わらない…
いつもの部屋…何も変わらない…
ちょっと待って!
いや…よく見ると…
いつもと何かが違う…
そんなことを考えていると…
どこからかひらひらと一枚の鳥の羽が落ちてきた。
ひらひら…ひらひら…
どんどん近づいてきて…
ちょこんと私の鼻の頭に止まった。
そして、風に乗って…聞こえてきた…
『君はいつでも羽ばたける・・
自由の翼を持っているのだから・・・』
私は…美恵子ちゃん…78歳。
ALS、筋委縮性側索硬化症という病気で体は動かなくても…
いつだって心は羽ばたけること…
気づいたんだよ…。
(おしまい)
この物語の主人公である亡き義母へ…
最大限の感謝の心を込をめて…
このストーリーを捧げます…
合掌。。。
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