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2023年の手帳を選ぶためにバーチカル手帳を上下さかさまに使ってみた話

そろそろ年末。新しい手帳に来年の予定を書き込み始める時期だ。
今年は4か月ほどかけて使う手帳を決めた。来年以降のために備忘録として残しておくことにする。
※一部矛盾を感じる所や分かりにくい所もあるかもしれませんが、現時点での自分のとらえ方としてそのまま残しておきます。

現状

これまで手帳に求めてきたこと。
・バーチカルタイプ
時間の流れがはっきり見えることが気に入っている。
時間厳守の環境に長くいたので手帳選びの絶対条件にしていた。
・月曜はじまり
ずっと土日が休日の環境にいたため。
・サイズはA6かB6
見やすさとカバンに余裕で入るコンパクトさを両立させたい。
・スケジュール帳は1冊で独立させる
手持無沙汰な時はひたすら何かを書いていることも多く、1冊でスケジュールもメモも全てOKにしてしまうとメモが全く足りない。
メモは別にB6の方眼ノートを持ち歩いている。

その上で、今使っているものは3つ。
日の長さを感じる手帳
24時間バーチカルなのと、色味がやさしいのが好き。
月間カレンダーは後述の自作カレンダーを使っていてほぼ未使用。
・A4の自作カレンダー
数年前にこのフォーマットを紹介していた方がいて真似させてもらった(その後ページを削除されたようで参考HP不明)
月の流れが上→下で1か月全体を俯瞰しやすい。

右側の空白にその月にやることを書き出している。

Dynalist
アウトライナー。
現時点では「文章の入れ替えを簡単にできるメモ帳」くらいの認識だが、手書きの時のように何度も書き直ししなくていい所がよい。

この3つを使って
 月の終わりに次の1か月の予定ややることを自作カレンダーに書き出す
→毎週末に次の週にやることを自作カレンダーから選んでDynalistに入力
→毎日寝る前にDynalistを確認、必要なら順序入れ替え。
 次の日やることが確定したら手帳に転記する
と3段階で予定を確認していた。

アナログかデジタルのどちらかに統一すればいいと思うが
・よくスマホを持ち忘れて出かける
・キーボードなしでの入力が苦手で、スマホではさくっと入力できない
・Dynalistの入れ替え機能を使うことで、紙の上のみで考えるよりもやることの順番を決めやすい
ということで、この3ステップに落ち着いた。

さかさまにしてみたきっかけ

今年も例年通り、8月から手帳を探していた。
いつもは次の年に使いたい手帳のイメージがなんとなくあるのに、今年は何もなし。店舗で中身を見てもいまいちピンときていなかった。
これまで絶対条件にしていた「バーチカル」に窮屈さを感じるようになっていたからだ。

バーチカルを使い始めたのは、忙しい中で時間を確保する術を探していた20代前半。
当時とは全く違う環境にいる現在の自分には正直フィットしない。かといって他のタイプを見ても全く心が動かない。
無理して買わず、持たないのもありかなとも考えていた。

そんなある日。10年以上前のことを思い出した。
誰とどんな状況でだったかは思い出せないが、1日の時間の流れの向きについて話していた時のこと。
バーチカルの上→下の流れだと重力に乗って地面(1日の終わり)にたどり着けるから安心だと言ったら
「1日終わって身軽になるのに落ちていくなんて、なんか嫌じゃないですか」
と返ってきた。
他のことは全部忘れているのにこのやりとりだけは覚えていたくらい、当時の自分には予想外すぎた反応だった。

この時は「は?」としか思えなかったが今なら嫌な理由も分かる気がする。
下向きでも重力に乗りたいのは、1日の終わりというゴールがあることが心のよりどころだったから。
落ちていくのが嫌なのは、その安心はあまりポジティブな意味ではないようにも感じるから。
当時の自分は時間厳守で忙しい環境を出たばかり。だから「は?」でも仕方なかったと思う。

では当時ほど忙しくない今、その発言をもとに「落ちる以外の方向」で時間をとらえてみたらどうなるか?
落ちていくのが嫌なのだから下向き以外。左↔右か下→上、時計回り反時計回りあたりだろうか。
ただ左右(レフトタイプ)の手帳は、過去に時間の流れを全くつかめずほとんど使わなかったことがあるので今回は見送り。
円形だと24時以降の部分が扱いにくい。あと円はスペースがたくさん必要で、コンパクトさを求めるなら厳しいかもしれない。

となると、下→上が1番運用しやすい。
日々の仕事をやり終えて自分が軽くなれば上に行けるし、自分がやったことが積み重ねになっていくのは確かに気分がよさそう。
noteに毎日投稿している「今日の1コマ」の根本の考え「朝起きて、夜ベッドで眠れれば100点」にもぴったりだ。

そんなわけで、自分の中で答えが出るまで時間を下→上でとらえて過ごしてみることにした。

1冊目:これまでのバーチカル手帳をさかさまにする

いろいろ作ったりするのは得意でないので、今使っているバーチカル手帳を上下さかさまに使うことから始めることにした。

使って気づいたこと

・下→上の時間軸に思った以上にスムーズに適応できた
書き慣れるまでに多少の時間は必要だったものの、慣れたら楽。
上→下だと予定通りに終わらなかったものの存在がだんだんストレスに感じてきて手帳を開きたくなくなるが、下→上だと割と冷静に対処できる。
時間がたつごとに自分の視点が上がっていくことで全体を見渡せるようになり、1日の解像度が上がっていくからなのだろうか。
あと上→下だと終わらなかったことが視覚面でも重荷になっているのかもしれない。

バーチカルが窮屈だった理由はここだったのか。この時点で今の自分にとっての答えを見つけてしまった。

2冊目:日付を手書きするバーチカル手帳をさかさまにする

1冊目でさかさまの時間軸は気に入ったものの、それ以外も逆なのは使いづらい。
そこで自分で日付を書くバーチカル手帳に変え、時間軸だけさかさまになるようにして続けることにした。
時期のせいなのか自分で日付を書くタイプが見つからず、最終的に見つけたのはA5サイズ。早めに使い始めたくてサイズは妥協した。
また月曜始まりの手帳をさかさまにすることで日曜始まりになってしまうのも目をつむった。

使って気付いたこと

・やることリストが下→上になるのは扱いづらい
片づけていくものはこれまで通り上→下の方が認識しやすい。
上→下は手放して解放されて安堵するもの、下→上は積み重ねて喜ぶものに向いているのかもしれない。

・毎日の日付は上にあった方がいい
時間の向きは変わっても、やはり日付は上にある方がパッと分かりやすい。
この辺りは、目の動きや横書きの文章が左上から始まるのも関係あるのだろう。

・スケジュールを決める際に空き時間をスタートにするのは正解なのか?
「これだけ時間がとれるからこれをやろう」と
「これをやるのにこのくらい時間がかかるからここで時間をとろう」は
同じ時に同じ長さの時間を割り振っても満足度が変わるように感じる。
前述の通り、バーチカルを使い始めた時はとにかくやることが多く、パズルのようにすき間時間にやることを詰め込んでいた。今はそこまで詰め込む必要もない。
そう考えると、現状では1週間の全体像が見渡せるバーチカルにこだわる必要もないような気がしてきた。

・数字を書き込むのが面倒
手直しする程度なら問題ないが、真っ白なところに書き込むのは続かない。

・日曜始まりには慣れない
・やはり大きすぎた
 この2つは2か月程度では変わらないレベルで自分に定着していた。
 今年は無理に変えないで、選ぶ時の条件にそのまま残すことにした。

今の自分がスケジュールを決める際に優先させたいことが時間でなくやることだったのに気付いたのは大きかった。
時間という枠組みに自分を押し込むのではなく、自分が取り組むことのために時間を割り振る。
いろいろな手帳術で言われていることそのままだとは思うが、実際に自分で手を動かしてみるまでは理解してなかったようだ。

3冊目:メモ帳に手書きする

2冊目をだらだらと使い続けているうちに12月になってしまった。そろそろ決めたい。
もう1週間単位でなくてもよくなったので、次は1日1ページタイプを試すことにした。
いくつかの手帳を参考に、家にあったA6メモ帳に時間軸を手書きした。

結局、ほぼ日手帳のページ構成と大体同じになった。

使って気付いたこと

・1日に集中できる
1ページに1日分しかないからあちこちに気が散らなくなった。
1週間の全体像はDynalistの文字情報のみになったものの、毎日転記することを忘れないようになって結果的に1週間の予定のやり残しも少なくなった。
また、自作カレンダーで予定は大体把握できるから週間ページがなくても特に困らなかった。

・手書き要素が多いのはやっぱり面倒
最後の最後までクリアできなかった。
朝起きて何も書かれてない白紙を見ると嫌になって、定規で線を引くことすらわずらわしくなる。そして開かなくなる。意味ない。
時間軸の数字をちょこっと修正するくらいが1番よい。

買ったもの

3冊試した結果も合わせると、自分の時間のとらえ方はこんな感じだった。

年の反時計回りは西洋占星術をかじった影響かと。

手帳選びの条件も一部変更した。

・バーチカルタイプ→(変更)1日1ページタイプ
・月曜はじまり
・サイズはA6かB6
・スケジュール帳は1冊で独立させる
(追加)手書き要素は最小限にする

最終的に選んだのは、ほぼ日手帳オリジナルの月曜はじまり
1日1ページタイプでA6。
時間軸の数字のみ書き換えればいいので簡単。
週間ページはないが、月間ページをざっくりとしたバーチカルのように使えば対応できる。

方眼であるのも高ポイントでした。

コンパクトさを重視して本体のみを購入し、文庫本用のカバーをかぶせた。
表紙代わりに入れたのはカンディンスキー《自らが輝く》のポストカード。たまたま気に入って入れてみたけど、タイトルを来年のテーマにしてもいいかも。

※ちなみに、再びバーチカルタイプにする際はNOLTYエクリメモB6に自分で時間軸を書き込むのがよさそうでした(手書きの量は増えます)

おわりに

これで来年の手帳探しはおしまい。
これまで自分に使いやすい手帳やフォーマットをいろいろ探してきてはいたが、時間のとらえ方そのものから見直して選んだのは今年が初めてだ。
正直時間軸をさかさまにする案はありえないと思っていて、買うまでにここまで時間がかかるのは想定外だった。ただ自分が理解しやすい枠組みが分かったことで、最近は放置しがちだった手帳を今後はうまく活用できそうだ。

手帳は視覚面から自分にアプローチする道具。
違和感を感じる道具に自分を合わせながら使う状態から、自分に合った道具を使う状態に変わることで、その先にも変化はあるのではないかと少し期待をしている。
来年1年がどうなっていくか?今から楽しみである。


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