足元にいるほっこりなもの ~トーハクのはにわソックス~
最低気温が10度台前半の日も出てきたので冬支度を始めた。
毎年10月初め頃から、寝る前に足にペタペタクリームを塗って靴下をはく。今年は暑かったから少し遅くなったけれど。
これまではセット売りの靴下を買った際に、外で履く機会がなさそうな色や柄のものを家用に確保していた。
今年は外用を全て黒無地のハイソックスに統一したので、せめて家の中では目新しいものをはこうと思って別に買ってきた。
東京国立博物館(トーハク)のはにわソックス。
趣味、まではいかないものの美術館には足を運ぶ方だと思う。ぐるっとパスや年パスを購入して、月に数回ぶらっと見に行く。
〆にはミュージアムショップを必ずのぞく。展覧会限定のグッズだけでなく、それぞれの美術館の特徴をぎゅっと詰め込んだものが陳列されているのは眺めるだけでも楽しい。
はにわソックスもトーハクのミュージアムショップをぶらっとしている時に見つけた。
東京国立博物館の広報大使トーハクくん。本名、東 博(あずま ひろし)。
「埴輪 踊る人々」をモチーフにした公式キャラクターだ。古墳フェスタに出演していたりと幅広く活動しているらしい。
キレキレのダンスを披露する見た目は「埴輪」「トーハクくん」よりも「あずまさぁ~ん」と呼んだ方がしっくりくるゆるさだ。
このどうしようもないゆるさが妙にツボにはまって何か欲しくなった。
最初に気になったのはぬいぐるみ。でも家にはすでに茶色で縦長のぬいぐるみがあるので選択肢から外した。
普段使いやすくて面白そうなものは?と考え、最終的に靴下を購入した。
(カバン文房具アクセサリーに混じって笛まであったのには驚いた。ドレミというには音階あるの?と思ってたら本当にあるそうだ!)
色はこのまま玄関のサンダルを突っかけても大丈夫そうな黒とブラウンにした。
元のモデルが立体だから、足を入れた時の方がかわいい度がぐっと上がる。
足元を見ると甲の部分にプリントされた顔と目が合う。ほっこり脱力感のある顔。ついつい足元ばかり見てしまう。
顔と胴体が1:1だから今の丈になったのだろうか。この丈、2頭身が最大限に生きる。靴をはいた時にゴムの部分がアクセントになるのもステキだ。
靴下という形は「展示を見た記憶の強さが薄れていくペース」と「美術館の外での購入品の扱いやすさ」のバランスがちょうどいい。
買ったらやっぱり使いたい派の自分は、ミュージアムショップであれこれ気になるものがあっても最終的に買わないことが多い。
気軽に手をのばせるのは文房具や食べ物だけど
・文房具:機能重視で決めているものがあるから飾りになってしまう。
・食べ物:自分で全部食べ切らないといけない(家族と食の好みが違いすぎる)
かといって消えものでないものにすると、買って日の目を見ぬまま処分になる可能性が高い。好みが突然変わる方で急に飽きてしまう…という自分の性格ゆえでも、それは悲しい。
結局、あれこれ見た後に図録が欲しかったら購入、あとは絵葉書をプラスして終わりで落ち着くことが多い。
その点靴下は、はいて洗濯すると生地が傷むから「交換」が前提だ。行った直後の気分が盛り上がっている時にたくさんはいて、また買うか否かは次の靴下を用意する時に選べばいい。
値段もお手頃。Tシャツほど主張もなく気軽にこっそり身に着けられるのもよい。
そんなふうに展示品の記憶とゆるくつながれるのは、無理がなくて心地よい。
というわけで最近は家にいる時はいつもはにわと一緒だ。
予想外だったのは、キャラクターものが上好きでない人からの評判がよいこと。
昔からキャラクターものを見せると“え…(なにそれ)”と微妙な反応から入る家族が“それいいねえ”と言うので、受け入れられてはいるようである。
古代から存在し続けたはにわの顔にはキャラ嫌いの心もつかむ効果があるのだろうか。
欲を言うなら長め丈のものもあるとうれしい。
寒い時期に足首丈はやはり厳しい。土台部分まで入れた1:2くらいまでなら長さがあってもイケると思う。長さが選べると年中愛用できる…外でもはける…
ぜひお願いします!と声を大にして言いたいところだ。
※はにわソックスはトーハクに入らなくても、正門前のミュージアムショップにあります。上野に出かけた際にぜひどうぞ。