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八木仁平さん、「才能」を活かして転職するにはどうしたらいいですか?

みなさんは、「もっと自分に向いている仕事に転職したい」と思ったことはありませんか?

とりあえず就職をしてみたものの、「向いていない」と感じたり、苦手なことをやらないといけないことになってしまったり。

とはいえ、転職をしてもまた、向いていない仕事を選んでしまうのではないか……と思うと、なかなか一歩を踏み出せないですよね。

いったいどうしたら、自分の強みを活かした転職ができるのでしょうか?

今回は、全世界で累計30万部のベストセラーとなった書籍『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』に続き、新刊『世界一やさしい「才能」の見つけ方』を上梓された八木仁平さんに、才能を活かして転職する方法についてお伺いしました!

八木仁平(やぎじんぺい)
自己理解メソッド開発者。「世界中の人のやりたいこと探しを終わらせる」を目標に、株式会社ジコリカイを運営している。新刊『世界一やさしい「才能」の見つけ方』が刊行7日で重版決定。(Twitter:@yagijimpei

聞き手:つづり
複業ライター。接客業とライティングを行いながら、自分の「才能」を探している。転職を考えてはいるものの、自分に向いている仕事がわからない。(Twitter:@yurururite

転職を考えるのは「希望を失ったとき」…!?

つづり:
著書『世界一やさしい「才能」の見つけ方』によると、自分の才能を活かすためには、今の環境で才能を活かす工夫をする「クラフト法」と才能が輝く環境を選ぶ「環境移動法」を試すといいとありました。

この2つの技術を使用した、転職を考えるタイミングをお伺いしたいです。

天職に長所を活かす2つの技術

八木:
まず、大前提として「今いる環境で最大限の努力をする」ことは必要です。

というのも、僕は「天職」は探すものではなく作るものだと思っているので、転職を考える前に、今置かれている場所で才能を活かす工夫をしてほしいですね。

ただ…そのうえで、転職をするタイミングがあるとしたら、それは「希望を失ったら」です。

つづり:
希望を失ったら、ですか?

八木:
「クラフト法」では、「こうすれば改善できるかもしれない」というモチベーションがないと、あれこれ試行錯誤するのが難しいと思います。

なので、自分にできる限りのことをやり切ったうえで、「どんなに頑張っても無理かも」と希望を失ってしまったら、それ以上職場にいても意味がないかな、と思います。

つづり:
まずはその場でできることをやり切ることが大事なんですね。

八木:
あと、注目してほしいのが、自分がコントロールできる環境か、というポイントです。

多くの方は、「上司がいつか変わるかもしれないから」「配属が変わるかもしれないから」と考えて、同じ会社にいつづけようとします。

でもそれって、自分がコントロールできない範囲ですよね。たしかに待ちつづければ変わることもあるかもしれないけど、結局、どうにもできない要因をあてにしているだけ。

それは、自分の人生を他人に委ねているのと同じなので、コントロールができないと感じたら、すぐに転職したほうがいいですね。

つづり:
自分がコントロールできない要素で苦しむのは辛いですね…。

八木:
そう。恐ろしいのが、その環境に慣れてしまうと、「頑張っても無駄なんだ」という学習性無力感が刷り込まれてしまうので、より動けなくなってしまう悪循環に陥ることなんです。

自分のできる範囲でクラフト法を試し切ったうえで、自分がコントロールできない壁にぶち当たってしまったら、諦めて転職するのがいいと思います。


転職活動中の人必見! 3つの「才能を見つけるワーク」

つづり:
著書のなかには、さまざまな才能を見つけるワークがありますが、転職活動をしている人向けの「才能を見つけるワーク」を教えてください!

1. 現職のなかで「楽しい瞬間」を見つけて書き出す

八木:
まず、「今の仕事で楽しい作業は?」と自分に問いかけてみる。任された仕事にもかかわらず、「楽しい」と感じるなら、それは「才能」に違いありません。

「努力は夢中には叶わない」とよく言われるように、遊んでいるぐらい楽しめることを、仕事のなかから探してみると、次の仕事探しのヒントになります。です。「事務仕事が楽しい」のなら、「単純作業」が楽しいのか、「数値を追うこと」が楽しいのか、具体的にどの部分に楽しさを感じるのかを考えると、より才能を見つけやすくなります。

モチベーションが絶対に下がらない仕事の作り方


2. 過去の仕事で「飽きずにできたこと」を思い出す

八木:
もし、「楽しい作業」があまり思い当たらないようであれば、「過去の仕事で飽きずにできたこと」を思い出してみるのも有効です。
「飽きずにできたこと」は無意識にできることなので、才能が関わってることが多い。

「あなたの得意なことは何ですか?」と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんが、ある特定のことを、モチベーションが途切れないでやり続けられるのは、才能なんです。

「飽きないこと」は、自分に合った仕事の絶対条件なので、それを探してみましょう!


3.「仕事で怒られたこと」から才能を見つける

八木:
そして、「仕事で怒られたこと」は自分が突き抜けているところです。人には必ず長所と短所がありますが、長所と短所は表裏一体です。つまり、突き抜けて短所として出ているポイントの裏側には、突き抜けた長所が必ずあります。

怒られた内容を思い出し、「自分がついやってしまうこと」を導きましょう。そして、導いたものを長所として捉え直すと、自分の才能が見えてきます。

誰かに怒られた思い出というのは、あまりいいものではありませんが、それが才能を見つけるきっかけになるんです!


「価値観→才能→情熱」の順番で転職を考えるとうまくいく

つづり:
どのワークも実践しやすそうで嬉しいです! では、実際に転職を行う際、八木さんだったら見つけた才能を活かしてどのように進めていきますか?

1.大事なこと【価値観】で会社を選ぶ

八木:
価値観で会社を選び、才能で職種を決めて、好きなことで業界を決めるのがオススメです。

そもそも才能は、「やりたいこと」を導き出す要素の1つなんです。

僕の定義だと「やりたいこと」は大事なこと【価値観】、得意なこと【才能】、好きなこと【情熱】、のミックスでできています。

やりたいことを導く3要素

八木:
自分の得意を活かそうと「才能」から仕事を考えると、短期的にはいい転職ができるかもしれませんが、長期的に見たときに「結局、自分は何のために働いてるんだ?」となる可能性が高いんです。

つづり:
才能だけで仕事選びをするのは危険なんですね…!

八木:
そうですね。価値観がブレたままになってしまうと、転職してもまた迷ってしまうことになりかねないです。

そこで、まずは自分の価値観を明確にするとこから始めるといいと思います。
どんな生き方がしたいのか。仕事を通して、どんな価値を人に届けたいのか。「価値観」は会社におけるビジョンやミッションにあたります。

会社の理念が自分の価値観と重なっていると、やりがいに繋がりますし、職場の人たちと価値観のズレがないので、人間関係も居心地がよくなります。

自分が大切にしている価値観を浮き彫りにさせて、そこにマッチする企業を探してみてください。


2.得意なこと【才能】で職種を決める

八木:
自分の価値観に合った企業を見つけたら、次に得意なことを考えて、「才能」を見つけていきます。

「才能」は企業というよりも、職種に関わってくる要素です。

たとえば、「新しいことを始める」「合理的に考える」才能なら、管理職やマーケター、コンサルタントなど、「人前で話す」「人を巻き込む」才能なら、広報やセールス、接客業など、才能によって長所が活きやすい職種があります。

つづり:
才能に合わせて職種を選んでいくんですね。

八木:
詳しくは『世界一やさしい「才能」の見つけ方』の「才能4タイプ分類表」をチェックしてみてください!

価値観の合う職場内で、自分の才能に合っている職種につく。こうすると、仕事で成果が出やすいので、ストレスがない状態になれます。


3.最後に好き【情熱】で業界を決める

八木:
そして最後に、好き【情熱】で業界を決めていきます。食べることが好きだったら食の業界、ITに興味が合ったらITの業界を選ぶといいでしょう。

つづり:
最後に「好き」で決めるんですね。ちょっと意外な気が!

八木:
というのも、「好き」なことって、すごく変わりやすいんですよ。新しい好きなことはいくらでも出てきますし、熱が冷めてしまうことも多々ありますから。

でも、前提として「価値観」と「才能」がマッチしているのなら、その会社にいる意味が出てくる。だからこそ、この順番で考えていくことが必要なんです。

つづり:
たしかに、以前好きなお店でアルバイトしたとき、業務内容が自分に合わず苦労した経験があります…。

八木:
そういうことも起きてしまうんですよね。でも、これまでお伝えした3つの軸で考えれば、応募すべき企業は相当絞られかなり高い確率で幸せに働くことができるだろうと予想ができます。

自分のやりたいことを実現する手段として、会社を選べるようになるんです

つづり:
この3要素を踏まえることで、面接でもしっかり志望動機などを伝えられそうですね。入社してから後悔しないためにも、今教えていただいた順番で考えて、ミスマッチを防ぎます!


「長所」と「短所」を面接でうまく伝えるには?

つづり:
最後に、これまでに見つけた才能を面接で活かす方法を教えていただきたいです!

転職の面接では、自身の長所と短所を聞かれることが多いですが、どのように伝えれば良いのでしょうか?
八木:
基本的には、短所と長所が表裏一体であると伝えるのがいいと思います。1番の長所は、1番の短所にもなるものですから。

面接での長所と短所の伝え方

長所は「過去・現在・未来」の順で伝える

八木:
まず、長所は、過去の自分の小さな成果と紐づいている必要があります。たくさんある必要はないですが、最低でも3つはほしいところですね。
たとえば、「新しいことを思いつく」ことが長所なら、過去に取り組んだプロジェクトや成功事例を3つ以上思い出してみる。
もし、思い出せないなら、まだそれは長所だと確信が持てない段階なので、他の長所を探しましょう。

つづり:
「成果が3つ以上あること」という条件は、わかりやすくていいですね。

八木:
1つだけだと、「他には?」と言われてしまう可能性もあるので…! 

長所を見つけたら、「過去の3つの成果から、私はこういう長所を持っています」「将来、御社の業務でこの長所が活かせます」と、「過去・現在・未来」の順番で面接官に伝えていきます。

大切なのは、自分の長所が今後の仕事でも活かせると明確に伝えること。そうしないと、「この人を採用しよう!」とは絶対にならない。

つづり:
「過去・現在・未来」で伝えていくことで、長所をより鮮明に伝えることができるんですね!

八木:
そうです。具体的な事例を用いてアピールすることで、リアリティをもって、「過去にこんなことやってきたのだから、うちでもこういうふうに活躍してくれそうだな」と相手に伝わるようになります。


短所は、それ自体よりカバー方法が重要

八木:
次に、短所の伝え方ですが…。自分から積極的に伝える必要はないですが、面接官に聞かれたら、ごまかさずにきちんと伝えたほうがいいです。

ただし、短所をカバーしていない状態では絶対にダメ!

つづり:
短所をカバーしていない状態…?

八木:
伝え方の流れとしては、下記のようになります。

「短所はこういうことがあります」
「ただ、こういうやり方で短所をカバーしています」
「だから、短所は大きな問題にはなりません」

面接官が知りたいのは、短所の有無ではなく、どのような努力でカバーをしているのか。短所がありながらも、補っているという伝え方が大事ですね。

つづり:
なるほど!具体的なカバー方法が話せさえすれば、ビクビクしながら伝えなくてもいいんですね。

八木:
多くの方はただ短所を伝えるだけなので、それが相手に致命的だと思われたらどうしようと怯えてしまうのかもしれないですね。

ですが、自分なりに「対策を取っている」ときちんと伝えられれば大丈夫です。

つづり:
才能を活かした職種選びから面接対策まで…。これで自信を持って転職に臨めそうです。 本日はありがとうございました!

・・・

これまで、会社は【好き】で選んでしまいがちでしたが、「好きは移り変わるから、価値観と才能を優先すべき」と言われて、自分の考えがひっくり返り、目から鱗が落ちました。

今回のインタビューを経て、価値観と才能を合わせて論理的に転職を考えることで、自分に合った仕事を見つけられそうだと勇気が沸きました。

転職しなければならない状況になる前から、自分の価値観と才能を見つめる時間を作りましょう!

お話をお伺いして、経験の少ない20代の私でも転職が出来そうな気がしてきました!

才能を生かして転職した具体例は、自己理解プログラムの修了生の声に掲載されています。
ぜひ、お読みください。

【才能を活かす転職のポイント】

・転職するタイミングは、自分のできる範囲で改善を試みたあと
・才能を見つけるには「1.楽しい瞬間」「2.飽きずにできたこと」「3.怒られたこと」を思い出す
・「価値観→才能→好き」の順で考えると、自分にあった会社を選ぶことができる
・長所は根拠を3つ添えて、短所はカバー方法を含めて伝える

キャリアに悩む20代必読! 八木仁平さんのご著書


八木仁平さんのご著書

『世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド』

探し続けていたやりたいことが、この一冊でようやく見つかる!
3STEPのワークで、論理的にやりたいこと探しを終わらせることができます。
特に、巻末特典の「大事なこと(価値観)を見つける30の質問」が自己分析にオススメです。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』
3つのステップを実践するだけで、誰でも自分の才能を見つけられる!
自信を持って自分の才能を活かすことで、人生が大きく変わります。
特に、「CHAPTER4 あなたらしく輝けるようになる「才能を活かす技術」」では長所と短所の向き合い方が学べます。


取材・文  つづり(Twitter:@yurururite
編集=いしかわゆき(@milkprincess17)〉


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