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【ツール・ド・フランス2023】第17ステージ現地観戦記

こんにちは、サイクルロードレースファンのアラサーOLゆるりです。前回の記事に引き続き、今回もツール・ド・フランスの現地観戦記事です。今回のテーマは「第17ステージの現地観戦」です。

第17ステージはサン・ジェルヴェ・モン・ブランからクールシュヴェルまでの165.7kmで、獲得標高が5000mを超える正真正銘のクイーンステージでしたね。前日の第16ステージのTTではヨナス・ヴィンゲゴー(TJV)とタデイ・ポガチャル(UAD)の差が1分48秒に広がり、ヴィンゲゴーの総合優勝が濃厚となっていました。ただ、「ポガチャルであれば、ロズ峠で逆転できる可能性もある」ということで、引き続き注目が集まっていました。今回は、そんな第17ステージを現地観戦した感想を綴っていきます。

勝負の街、クールシュヴェルへ

第16ステージの現地観戦が終了した後、すぐにコンブルーから車で南下し、第17ステージのフィニッシュ地点であるクールシュヴェルに向かいました。クールシュヴェルは、スキーリゾートとして有名な場所です。コンブルーも素晴らしい街だったのですが、クールシュヴェルも日本の温泉街のような趣があり、素敵な街でした。

⚫︎クールシュヴェルの市街地

この日のホテルは「Ecrin Blanc Resort Courchevel」です。こちらは、大規模なリゾートホテルでした。プールなども併設されており、別料金を払えば使用できるようです。

⚫︎ホテルの外観

⚫︎ホテルのロビー

そして、この日の夕食は日本から持参したカップラーメンです。本来はご当地の美味しいお食事をいただきたいところですが、第16ステージの現地観戦の疲労もあり、一刻も早く寝たかったため、カップラーメンにしました。

⚫︎第16ステージ観戦後の夕食

第17ステージの現地観戦の朝

第17ステージの現地観戦に備えて、ホテルのカフェテリアでしっかりと朝食をいただきました。この日は徒歩でロズ峠まで登らなければならないので、たっぷり栄養を摂りました。

⚫︎ホテルの朝食のようす

また、第16ステージの現地観戦では、飲み物や食べ物が手に入りづらかったため、あらかじめ近くの商店で水や食料を購入しました。

いざ、ロズ峠へ

購入した水や食料を持ち、現地観戦に向けてホテルを出発しました。ホテルの周辺では、チーム関係車両もちらほら見かけました。フィニッシュ地点のクールシュヴェルで、チームスタッフが滞在の準備をするのでしょうか。我々も免疫がついてきたのか、この頃にはチームバスを見てもあまり驚かなくなっていました(贅沢)。

⚫︎リドルのチームバス

⚫︎ユンボのチームバス

その後、市街地を抜け、山の中に入っていきます。ここからは、ロズ峠までひたすら登り続けます。

登って…

登って…

登って…

登ること3時間、とうとう・・・

着いたーーーーー!!!

こちらが正真正銘、ロズ峠の頂上です!!!!!

頂上付近の会場には、デジタルサイネージがあり、多くの人が観戦していました。会場には、一応仮設の売店やお手洗いなどもありました。

3時間にわたる登山でヘロヘロになったので、ここで一休み。この時点で、前日の現地観戦後を超える疲労感に襲われていました。クイーンステージって選手だけではなく、観客も試されるんですね!帰国後、友人に「3時間ほど山を登って、自転車レースを観戦してきた」と話したところ、「それは観戦じゃなくて、登山やん!」と突っ込まれました。仰るとおりです(笑)

峠での場所取り

休憩後、我々は観戦場所探しに向かいました。頂上の直前の激坂はすでに場所取りされていたため、500mほど下ったところで観戦することにしました。こちらは観戦場所から撮ったお気に入りの一枚です。

多くの観客が選手が来るのを心待ちにしていることが伝わってきますね。場所取り完了後、夫はなんとか現地観戦の痕跡を残そうと、日本語でコースに応援メッセージで書いていました(時間が足りず、書きかけです…)

こちらの観戦場所は、観客もそこまで多くなく、道幅も広いので快適でした。加えて、ここに至るまでのコースを見渡せる点が素晴らしかったです。

左方向に伸びる白い道を選手たちがぐるっと登ってきます。双眼鏡で見た情報とPCSの情報と組み合わせることで、誰が登ってくるかは大体判断できました。

日本人の方々との出会い

キャラバン隊が来るのを待機していたところ、日本人らしき男女ペアがロードバイクで登ってきました。女性は日本チャンピオンジャージを着用していたため、日本人であると確信し、声を掛けました(普段は人見知りをするのに、異国の地で日本人を見かけると話しかけられるものですね…)。とても気さくな方々で少し会話を交わしたあと、一緒に写真も撮っていただきました。ロズ峠で日本人のファンにお会いできると思っていなかったので、とても嬉しかったです!

その後、Jsportsでの放送でもお馴染みのサイクルフォトグラファーの辻啓さんにもお会いできました!その時、ちょうど多くのレース関係車両がコース上に滞留していたのですが、なぜそれが起こっているのかを解説してくださいました。詳細は、7月20日のArenberg Cycling Podcastでも語られていましたね。レース後も「お気をつけて〜」と声を掛けてくださり、本当に親切な方でした。

ロズ峠での戦いがスタート!

我々はキャラバン隊から山岳Tと山岳キャップをゲットし、それらを着用して、選手たちがロズ峠に到着するのを待ちました(生地はペラペラですが、無料で頂けてありがたかったです!)

PCSやSNSでレース展開を確認していると、中継用のヘリが4機ほどやってきました。ロズ峠での戦いが開幕する合図です。続々とレースの先導車両が見えてきて、先頭の選手も見えました。そのとき、「ロズ峠の序盤でポガチャルが遅れている」という衝撃的な情報が入ってきました。これまでポガチャルが峠の序盤で遅れる姿を見たことがなかったため、非常に驚きました。しかし、1人の選手だけに肩入れする暇がないのが現地観戦。あっという間に、先頭の選手が自分たちの観戦場所に近づいてきます。

最初にやってきたのは、期待の若手フェリックス・ガル(ACT)です。

⚫︎フェリックス・ガル(ACT)
この後、このままステージ優勝したガル。本当に強かったですね!

続いてやってきたのは、サイモン・イェーツ(JAY)です。

⚫︎サイモン・イェーツ(JAY)
今大会を最初に盛り上げてくれた双子の兄。とても軽快に登っていきます。

以降、しっかりと撮れた選手をどんどん載せていきますね!(あまり画質は良くないのですが、ご了承ください…!)

⚫︎ダヴィド・ゴデュ(GFC)、ペリョ・ビルバオ(TBV)
ゴデュもビルバオも小柄ですが、それを感じさせないほどパワフルな走りでした!


⚫︎クリス・ハーパー(JAY)、ヨナス・ヴィンゲゴー(TJV)、トビアス・ヨハンネセン(UXT)
接近してくる観客を牽制するヴィンゲゴーの表情がいいですね。王者としての威厳を感じました!

⚫︎ラファウ・マイカ(UAD)、アダム・イェーツ(UAD)
アダムのポディウムを死守するために駆け抜けるUAEコンビ。後ろを気にかけながら登るマイカは、アシストの鏡だなと思いました。

⚫︎カルロス・ロドリゲス(IGD)
イネオスの若きエース!まっすぐに前を見据えていますね。近くで見ると、本当にお顔がかわいらしかったです。

⚫︎セップ・クス(TJV)
ユンボのエースを支えてきた最強のクライマー、クス。今大会も素晴らしい活躍でしたね。ロズ峠でのタイムも一番速かったとか。

⚫︎ゲオルク・ツィマーマン(ICW)
きつそうに見えますが、早めに登ってきたツィマーマン。「少しでも早くゴールしたい」というガッツが伝わってきて応援したくなりました。

⚫︎ミハウ・クフィアトコフスキ(IGD) 
第13ステージで素晴らしい勝利を収めたクフィアトコフスキ。私が好きな選手の1人です!笑っている顔なのか、苦しい顔なのかが分かりづらいですが、多分後者ですよね。

⚫︎ティシュ・べノート(TJV)、マルク・ソレル(UAD)、タデイ・ポガチャル(UAD)
現地で見ていた時、ポガチャルがなかなか来ず、ドキドキしていました。顔色が悪く、あまり余裕がないように見えます。ロズ峠では大きく遅れてしまいましたが、今大会を盛り上げてくれた大スターであることには間違いありません…!


⚫︎ボブ・ユンゲルス(BOH)
ユンゲルスはサングラスをかけていないので、はっきりと顔が見えますね。声援を送ったところ、チラッとこちらを見てくれたような気がします。

⚫︎フェリックス・グロスシャートナー(UAD)
チームとしては難しい状況に陥っていましたが、左手を小さく上げて、ファンの声援に応えていました。


⚫︎ディラン・ファンバーレ(TJV) 
仕事を終えて淡々と登るファンバーレ。「座禅しているのか?」と疑いたくなるほど、上半身が動いていません。

⚫︎ワウト・ファンアールト(TJV)
奥さんの出産に立ち会うために、この日でツールを去ったワウト。もしかしたら見られないのかなと思っていたのですが、こんなに近くでワウトの走りを見られて幸運でした。

⚫︎ケヴィン・ゲニエッツ(GFC)、マティアス・スケルモース(LTK)、アレクセイ・ルツェンコ(AST)、ラルス・ファンデンベルフ(GFC)、トースタイン・トレーエン(UXT)
少し大きめの集団が撮れました。みんなでペースメイクしてるんですかね。


⚫︎ナータン・ファンホーイドンク(TJV) 
動画だと分かりづらいのですが、観客が「押そうか?」と聞いたときに、しっかり首を振っていて、誠実な選手だなと思いました。

⚫︎マッテオ・トレンティン(UAD)、クリストファー・ユールイェンセン(JAY)、クリストフ・ラポルト(TJV)
トレンティンを間近で見て思ったのですが、俳優の吉田鋼太郎に似ていますね!ユールイェンセンは知り合い?(ファン?)と笑顔でハイタッチしていました。

⚫︎プロトン
峠でもこれだけ大きな集団があることに驚きました…!

⚫︎シモン・ゲシュケ(COF)
調子を崩し、プロトンから遅れてしまったゲシュケ。それでも、クイーンステージを乗り切ったのが本当にすごいです。

ロズ峠では、かなり至近距離で選手を見ることができました。また、TTと比べると観客が少ないため、よりダイレクトに選手に声援を送ることができたのが良かったです。

ロズ峠から下山

すべての選手がロズ峠を通過したので、第17ステージの現地観戦は終了です。クールシュヴェルの街に向かって下山していきます。

現地観戦の帰り道って、「楽しかったな」という気持ちと「終わってしまって寂しいな」という気持ちが交錯しますよね。今回は寂しい気持ちが特段に強かったです。やはり、登ってくるのが大変だった分、帰るのが惜しく感じるのでしょうか。

さらば、ロズ峠。

さすがに疲れが溜まっていたのか、途中転んでしまい、半べそをかきながら下山しました。

ホテルのフロントに預けている荷物を取りに行こうとしたところ、なんとホテルの駐車場にモビスターとトタルエナジーズの車両が止まっていました!

山岳部はホテルが少ないからか、チームとかぶりやすいんですね。ロビーでモビスターのスタッフとすれ違いましたが、夫はユンボ、私はアルペシンのジャージを着ていたため、ジロリと見られて気まずかったです(笑)

その後、我々は車でクールシュヴェルから100kmほど離れたアヌシーという街に移動しました。やはりクールシュヴェルに多くの自転車ファンが集まっていたからか、道路がひどく渋滞しており、ツール・ド・フランスの人気を肌で感じることができました。

おわりに

第17ステージ観戦後、擦りむいて腕は痛いし、目は充血しているし、脚に疲労が溜まっているしで体はボロボロでした(笑)しかし、心は120%満たされていました!

実は、計画の段階では、私は第17ステージのロズ峠での現地観戦には反対でした。この旅は、ハネムーンでもあるため、「無理せず見られそうなステージをまったり観戦したい」と考えていたためです。第16ステージのフィニッシュ地点コンブルーから第17ステージのフィニッシュ地点クールシュヴェルへの移動が大変な上に、クールシュヴェルからロズ峠への移動もとなると、かなり頑張る必要があるため気が進まなかったのです。一方で、夫は「第17ステージで勝負が決まるはずだから、絶対に現地で見たい」と考えていました。1月末の段階で、フィニッシュ会場付近のホテルがほぼ埋まりそうだったので早めに結論を出す必要があり、夫の押しに負けて第17ステージを現地観戦することに決めました。

結果的には、第17ステージを現地観戦して本当によかったと思っています!「第17ステージが正真正銘のクイーンステージだったから」というのもあるのですが、「絶景の中でレースを見る」ということの非日常感が最高でした。自分の足で登って見に行ったからこそ、その価値をより感じやすかったように思います。

長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました!少しでも現地の雰囲気を感じて、楽しんでいただけたら幸いです。

では、また次の記事でお会いしましょう〜!

ゆるり


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