【不妊治療記録vol.11】FT手術を受けた話(前半)
人生最初の手術がまさかの卵管?
31歳、女性。今まで健康優良児として生きてきて、大きな怪我もゼロ。もちろん手術経験もゼロ。麻酔経験…歯医者で数回。そんな私の人生最初の手術がまさか卵管の手術だなんて(!)
「卵管が左右とも狭窄ですね。FT手術をしましょう」ー激痛だった卵管造影のあと先生から告げられたのはまさかの結果だった。生理が毎月ちゃんときて、生理痛がなければ、毎年の婦人科検診で異常なければ、卵管も何もかも健康だったと思った私。しかしその考えは専門クリニックで崩されることになった。
「来週、早速手術しましょう」、「先生、私不妊なんですか?」いきなり手術と言われても頭の整理が追いつかず、一旦家に帰って夫に相談することになった。夫からはシンガポールに行く前に潰せる原因は潰すべきだと言われ、翌日の予約をとって手術する旨を先生に伝えた。手術同意書をもらい、いよいよ手術当日を迎えたのであった。
緊張で寝られない
お恥ずかしい話、緊張で前日夜はほとんど寝られなかった。youtubeや検索サイトでFT手術について調べまくり、インスタやXで手術レポを見ては自分と重ねた。また静脈麻酔が手術よりも怖かったので静脈麻酔の死亡例も検索して自分がもし目覚めなかったらどうしようとあれこれ考えているうちに当日の朝になったのだ。
病院に到着後の流れと不安
当日は朝のみ絶食、お水は病院に到着する朝10時までは可能、それ以降はNGとのことだった。「お水飲めなくなるからたくさん飲まないと…」と謎の危機感からたくさん飲み、案の定何度もお手洗いに悩まされて後悔。
私の番号が呼ばれ、奥のベットのある部屋に通された。ラグジュアリーな保健室のような部屋は、いくつかのベットがあり、それぞれカーテンで区切られていた。卵管造影の時と同じように検査着に着替え、横たわって待っていると看護師が入ってきた。麻酔をするため、コンタクトやアクセサリーもNGだった。
看護師「静脈麻酔をするので、まず抗生物質点滴しますね」
私「は、はい…」
完全に顔がこわばっている。緊張しかない。でも看護師が優しい。何事もないように点滴をしてくれて、「また順番が来たら呼びますね」とカーテンを閉めていく。
自分の順番はいつなのか、手術はうまくいくのかなど考えていたら私の近くのベットから声が聞こえた。
看護師「ご気分悪いですか?顔色少し悪いですね」
患者「吐き気が…ふらふらします」
看護師「麻酔明けで気持ち悪いかもしれませんね。もう少し横になってください」
聞き耳を立てていると、彼女は気分が悪く血圧もちょっと良くなかったみたいだ。その会話を聞いてますます「私も麻酔したら気持ち悪くなるのか?」「目覚めなかったりするの?叩き起こしてくれるかな?」など不安が募るばかりであった。
やや震え出したところで「ゆるりさん、手術室行きますよ」と看護師に呼ばれ、点滴を看護師が持ちながら手術室へ案内してくれた。震えはもちろん止まっていない。