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鬼様のブランチ 「なんで俺がアイロンがけを」

今回の鬼ブラ!
・美少年の愚痴と、話題のピラミッド。今の自分に満足してる?(←危険な話題が開始する合図)

前回の鬼ブラ!
・弘法も筆の誤り、料理上手もブロック体をこしらえ。

師のジャケットにスチームアイロンをあてながら


桐生

こんなに顔が可愛くて、理系の勉強もできる俺が、どうしてアイロンがけをしてるんだろう……?

西帝

……けっこうヤバいこと言ってると思うけど、実際、お前のスペックが反映されている業務ではない。
不満なら辞めたらいいんじゃないか?

桐生

チッ、愚痴のひとつも許されないのかよ。

西帝

えっ、お前そんなこと言うの?
反抗期……?


親戚の判決


白威

まあ、それは西帝君が有罪だ。

特に言い添えることもない。桐生君の言った「愚痴のひとつも許されないのかよ」がすべてだ。

西帝

でも俺だって、「辞めたくても辞めることのできない立場」のもんには言わないですよ。遥候さんとか梓土さんとか。
桐生は「辞めたきゃ辞めていい立場」なわけじゃないですか。父親もいるし、金もあるし。

白威

その通りだね。
桐生君は元々その立場を有しているから、君の許可は必要ない。

西帝

ああ、確かに……。
意思決定はすでに行われてるんだから、「決定すりゃいいじゃん」は的外れな回答ってことか。

白威

的外れというか、二度くらい翻訳を挟むと「その愚痴を俺に聞かせるな」になるからね。
「愚痴を言う」で解決していることを、別のやり方で解決しようとするのは、余計な世話かな。

西帝

それは解決してんの?

白威

この話は割り勘論争と同じくらい、息が長いのにまったく進展しないテーマだから、掘り下げてもあまり得るものはないと思うよ。

西帝

うーん、愚痴を言うな! とは思ってないんだけどな。
「目の前で愚痴を言ってるやつ」じゃなくて、「金に困ってない高スペックの甥」に対して、嫌なアイロンがけをすることはないと思ってるんですよ。

白威

なるほど。
そんな男とは離婚しろと言う、花嫁の父親の気持ちか。

西帝

そう? かな。
ああ、そうか、確かに余計な世話すぎるな。けっこうわかった気がする。


結論だけを要するタイプ


皇ギ

それで納得したわけ?

西帝

納得っていうか、実際そういうことなんだろうなと思って。
夫の愚痴をこぼすたびに「離婚しろ!」って言われたらウザいじゃん。

皇ギ

離婚するべきよ。愚痴を言わない結婚生活の方がいいから。

西帝

極端すぎる。得ようと思って得られるもんじゃないだろ、100点の生活なんて。

皇ギ

桐生は夫じゃなくて、「雑用をする自分」に腹を立ててるんだから、それは悪い結婚なのよ。

西帝

え?
今すごい情報量のこと言った?

皇ギ

別に、ワンセンテンスでしょ。

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