ブラペストリー 「英国貴族っぽい優雅なティータイム。俺たちならこう織った」
今回の鬼ブラ!
・優雅なお茶会。お菓子をどうぞ、後出しジャンケンはお帰りください。
前回の鬼ブラ!
・小盛りの無料回。ハガキ職人もVtuberのラジオを聞いとるのか
お疲れさまでございました
お茶をどうぞ。お菓子もございます。
お茶は濃く煮出したアッサムのミルクティーに、カシスの香りを淡くつけてございます。
クッキーは二色、白いほうはレモン、黒いほうはバターを焦がして風味を出してございます。
イギリス文学の翻訳みたいな、優雅で物堅い文体で茶を出してくれて感謝する。
お好みかと思いましたので……。出過ぎたことでしたでしょうか。
いやいや、その通り、こういうの好きだ。アガる。
俺はイギリス文学も、茶と菓子の話も好きだからな。
「海外の上流階級っぽい世界に憧れていてウケる~」とか思われたくないから、従者にもあんまり言ったことないが。
宣水ほどじゃないにせよ、あんたも充分ヨーロピアン趣味よね。
悪いんだけど、私にはコーヒーをもらえる?
かしこまりました。
こらぁ~
出されたもんを飲めよ。今そういうのパワハラだぞ。
白威は「主や客の満足」を重視するタイプの従者なんだから、しぶしぶ飲む方が失礼というもんじゃない。
クッキーはおいしいわ。イギリス式だとビスケットと言うんだったかしら?
日本では見かけによるそうだが、イギリス人にとってこういう菓子は原則「ビスケット」だ。
そんで、ソフトタイプのアメリカっぽいやつを別枠として「クッキー」と呼ぶ。
あー、カントリーマァム系の。
あれ好みが分かれるわよね、大好きか嫌いか。私はダメだわ、ああいうもちゃもちゃした甘いもの。
マリファナにはサクサク系の菓子のほうが合う。
やめなさい、変なマリアージュを披露するのは。
Bonjour
いい香りだ。
なんか、凝ったミルクティーらしいわ。
飲む? 口つけてないから……いや、紅茶やコーヒーを飲まないのよね。
コーヒーと、スパイスフレーバーのルイボスティーをお持ちいたしました。
こちらのサンドウィッチは、薄切りのローストビーフとチシャの葉を、ライ麦パンに挟んでございます。召し上がりやすいよう、小さくカットいたしました。
よくわからないが、最高のもの出てきた。
チシャというのは、レタスのことか。最近どこかで聞いた呼び方だな。
人魚が食う葉だったか?
なんで水棲生物が野菜を食うのよ。
ラプンツェルは、チシャと訳されることがあるわね。そっちの話でしょう。
この葉は、サラダ菜なのですが、チシャと呼んだ方がしゃれているかと思い、そういたしました。
ソースは巫女の愛したバルサミコをベースにして、辛みを抑えてございます。
ヨーグルトやフルーツのご用意もできますので、いつでもご用命ください。隣に控えてございます。
いいねえ
毎日この暮らししたい。
俺が辛いもん得意じゃないのも知っていたのかな?
あー、うまい。サラダ菜というのを知らなかったが、フワッとしてサクッとして、赤身の肉に合うなあ。ソースも甘酸っぱくてうまい。
アフタヌーンティーに出てくるキュウリのサンドイッチより、こっちのほうが嬉しいな。
正式な型よりも、俺たちの好みを反映してくれる従者か。得難いな。
此紀、お前の従者か?
今日のあんた、隙が多いわね?
あれは神無の従者よ、常に。どちらかというと刹那寄りの縁者と言える。刹那の従者の子だから。
「気を利かせること」は、未来視に似る。
神無にあの従者は、機能が重複しているな。
あそこの主従は一体化しているから、能力がダブッているんじゃないの。知らんけど。
缶コーヒーを手に登場
飲めないものが多いのに、「どう見ても茶を飲んでるテーブル」につくのは、あまり気遣いがあるとは言えないわね。
手厳しいな。
そこはいいでしょ。従者には「客の要望を汲み取る喜び」というのもあるんだし。
缶コーヒーなんか携えてくるほうが、マナーを無視した行いなんじゃないの。
仕事中なのよ、あたしは。
のんびり茶を飲みに来たわけじゃないから、用件に入るわよ。
織り上がったタペストリー、確認
俺も、本来はその話をするために寄った。
どうせ事後諸葛亮やるんだろ。
さすがにそれは不快だから、その間、俺は席を外したいのだが。
違う、お前たちの作ったものに文句などつける気はない。
いくつかの答え合わせを頼みたかっただけだ。
あたしもそうよ。
職務として聞き取りをするだけだから、やましいことがないなら、協力してくれる?
せっかくのコーヒーが冷める前に終わらせてほしいわね。
あたしが聞きたいことはひとつ
富が権力とイコールになるのに、なぜ「沙羅に宝くじを買わせる」という模様を織らないの?
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