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タペストリー15 「中間統括/その糸をずっと待っていた」

今回の織り方
・男と女で布を織ってきた。別に、男と女である必要はないけれど
・「理解ある彼女ちゃん」が話題にならないのは、いないからではなく……
・不自然に隠されていた糸、友が縒っていると信じていた

前回の織り方
・医者たちは「正解」をずーーっっっと言ってるのに。

イントロダクション


此紀

そろそろ「折り返しに入った感触」があるから、模様を改めて見直しましょうか。私の糸をあんたに解説もしたいし。

刹那

よっ! 説明的で親切。


和泉の分岐


和泉の性自認って、なんとなく……本来的には男に寄ってるのかと思ってたけど、あんたが抱いてやると女になるのね。

あ、そう? マジで?

他のルートでは一人称に「僕」が混在していた(それしか使わない編もおそらくあった)けれど、『蜂』では「私」に統一されているわよね。

男しか使わない一人称というわけではないけど、和泉は旧弊的な価値観を反映するタイプでしょう。

フッ……。
“大勝利”してしまった……。

あんたいつも誰と競ってんの?

今は、あいつと結婚した男と、典雅と、宣水に勝ったという喜びを噛みしめていた。

ホモソしぐさね。和泉ではなく、その向こうにいる男のことを考えるわけ?

トロフィーワイフ娶るタイプはな~、「トロフィー見せびらかす相手」を常に想定してると思う。それはまあ、絶対に男だ。

こんなに極小の社会でもそうなの? 美しい女だけじゃなく、それをうらやむ男がいなければ幸せになることもできない?

お前の世界は男と二人で完結するんだろ。俺の世界が三人とか四人乗りだとして、それは悪いことなのか?

和泉は悲しむんじゃないの? 白鷺は、そういうの気にしなさそうだけど。

女は「理解ある彼くん」一発で救われるが、男は「理解ある彼女ちゃん」だけ得られても、狭いアパートでセックスしながら、俺って何してんだろうと虚しさに駆られることだろう。男は女よりも二人の世界に酔っぱらう才能がないのだ。

注釈つけたら?

※個人差があります。


だけど、今のは何かにヒットしていた気がするわね。
もしかして性自認のガイドになりうる要素かもしれない。傾向として「二人で満たされるのが女」「それ以外に認められたいのが男」?

ママ友の「夫のスペックマウント合戦」みたいなのは、ホモソしぐさじゃないのか。

ああ、それはバッチリその通りね。見当違いなことを言ってしまったわ。
女だからってつがいを必ず求めるわけでもないし、一人や二人で満たされる男もいるわけだし。

何人で満たされたっていいじゃん、別に。

いいけど。
乱暴な男女論が出たついでに、あの重大なテーマを今もう一度論じたいわ。


セフレはフレなのか論 アゲイン


宇宙の果てのありかくらい深遠なテーマだから。

水たまりより浅いだろ。絶対違うんだから。語り幅ねーだろ。

確認するけれど。
あんたの主張としては、セフレって「フレ」の下位も下位、使い捨てであって、そんなはしたの者と、友情なんか育むわけねーだろということ?

そこまでは……………………いや、そう思っている。

男のその「(正式なパートナーを除き)セックスした途端、その女をめちゃくちゃ低くランク付けする」というのは何なの?

本能…………?

…………。

いやちょっと、聞いてくれ。

男にとって、女の話ってつまんないのだ。もちろん全部ではないが、だいたいの場合は。こういうので盛り上がっているの、俺にはまったく理解できない。

だから俺にとって、女って「友達」になりえないのだ。よほど話が面白いとか、恩があるとか、そういうケースを除いて。

それ以外で結ぶ価値のある関係性というと、正当なパートナーシップのほかは、つまり、セだ。
だからこれを果たしたら「用済み」となるわけだ。

だいぶ長文で言い訳したわね。
まあ大筋を理解はするけれど、なんで一回で用済みになるの? 二回目も三回目もやりたいでしょう。

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