鬼様のブランチ32 「これは食っていい弁当か?」
今回の鬼ブラ!
・ディベート回。もはやフィクションでも「危険信号」とされるテーマに挑む。
前回の鬼ブラ!
・ディベート回。その家族サービスは本当に家族のためなのか? 今一度考える。
鬼たちのディベート
テーマ1 「彼女ではない女が突然くれた手作り弁当、アリかナシか」
なんてしょうもないテーマなんだ。
まあ、割り振る。2:2と審判だな。
アリ派/此紀、典雅
「見ず知らずの女」を想定されたら絶対に勝てないし、その弁当はセキュリティ的に肯定してはいけないから、条件を設定するわ。
「会社の同僚/料理がヘタではない/美人でも醜くもない」。これはアリ派に最低保証として付けてよ。
妥当だ。いいだろう。
それにしたって厳しい戦いだな……。私は嫌だし……。
バカタレッ! 不利に傾くことを言うんじゃない。
ナシ派/万羽、西帝
なに入ってるかわかったもんじゃないじゃん。
正直、彼女の手作り弁当だってけっこうイヤなのに、いきなり弁当渡してくる同僚なんて、絶対に距離感イカれてるヤバい女ですよ。食ったらしんどい未来が開始するの見えてる。
ジャッジメント/刹那
俺は「うれしい気がするな~」と思っていたのだが、西帝の言葉でハッとした。確かにうかつに食ってはいけない弁当かもしれない。
「すでに作られて、そこにある弁当」を拒絶するわけ? そのほうが面倒なことになるんじゃない?
その攻め口アリなんですか?
審判が最終的にどう判断するかだ。
「いきなり弁当作ってくる同僚がいる」ことは確定してるのよ。それはもう、いるんだからしょうがないでしょ。
理不尽なことだけど、女のストーカーに狙われる男はあまり同情を得られないものだから、よほどスーパーホワイトな職場でない限り、周りもヒューとか熱いねーとか言うわけ。食わないと極悪人にされる可能性がある。
目に浮かぶようなつらさだ。
異議あり! 「女からのセクハラは男が我慢すれば丸くおさまる」論は、マジで非倫理的です!
それに、食ってしまうと既成事実となって、その後に振ると「付き合っといて捨てた男」と認知される可能性があります!
それはあると思う。警察だって「はっきり拒絶した事実」がなければストーカーとして扱えないもんね。お弁当食べたら「まんざらでもないんじゃん」とか言われる余地が生まれるわよ。
あんたは誰よりもストーカーついた経験あるから、詳しいのよね。
なにも、弁当を作ってきてくれただけの同僚を、いきなりストーカーと認定することはないと思うが。素朴な好意なんだろうし。
いや、この議題は好意では勝てない。
「いつも弁当を持ってきてる女が、今日は同期にランチに誘われたから」とくれた弁当ならどう?
ああっズルい!
アリ派の勝ち。その弁当は絶対に食いたいから。
もともとアリ寄りだと、こう来られるとそうよね~。
俺だってその弁当は食いたいです。女が自分のために作った弁当って、「その女の小さな部屋」みたいなもんだから……。
味方がキモいから次はシャッフルしてほしい。
万羽はジャッジメントに回して、刹那を議論に参加させる。
テーマ2 「白鷺、アリかナシか」
えーっ、特定個鬼はどうかなあ。色んなハラスメントじゃないですか?
本鬼から許可を得てるらしい。
「あとでアリ派の意見だけ聞かせてください!」だそうだ。アリ派は頑張ってやれ。
アリ派/刹那、此紀
言っとくけどあいつ、先入観なしで見ると芸能人みたいな顔してるからな。
その芸能人は男だと思うけど、「中性的な美人」だから、男にも女にもウケるでしょう。スラッとしてるし。
ナシ派/西帝、典雅
俺は「きれいな女性だと思った上で、ナシ」ですね。そもそも俺に好意的な女があんまり好きじゃない。
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