タペストリー23 「メガネくんとの地獄ツアー」
今回の織り方
・蜂の残した針 21話の模様について
・ひとりならば孤独というわけでもなく、ふたりになるのは難しい
・此紀にはどんどん理解のある彼くんが出現しているが、結果は……
前回の織り方
・俺の虫に、殺虫剤に負けない力を与えよう。とんちで
横糸の仕事
ほらね。
物語に干渉する力がなくとも、友の心を救うことはできるか。
桐生みたいなタイプって、「同性によってしか補われない部分」を心に有しているのよね。梓土もそうなんじゃない?
潜在的に、典雅や西帝もそこに類する気がする。
女を「女」と思ってるから、心を開く対象としてないっていうか。あんたもそうよね。
うーん、言わんとすることはわかる。セフレと友情を築けないタイプってことだろ。
万羽もまた、「同性としか友情を築けないタイプ」と言える。
このタイプが原則的に異性を傷つけがちということを考えると、西帝は立派よね。
立派かなあ~。西帝は性欲が薄いだけじゃないか。
そこを立派だと言ってるのよ。自分の業を見切って、実在の女にはちょっかいを出さんようにしようと判断してるわけでしょう。
そいつをメッチャ色舞に焚きつけておいて、よく言うな。
色舞をひとりにしないことのほうが重要だと思ったから。また皇ギに取り込まれても、幸せになるわけないし。
ふたりとひとり
桐生の指す「ひとり」は、桐生の、私の、色舞の、そして沙羅のことね。
和泉を幽霊に変えてしまうものでもある。
そのへんは俺たちが測ることではないが、『蝶』における色舞の空虚さを現わす言葉だとは思った。
そうだな、沙羅が怖れたものも、きっとこの「ひとり」のことなのだろう。
これ……つまり「孤独」を、万人が恐れるとされるけど、たまにぜんぜん気にしないタイプがいるわよね。
松本と杉本は気にしないタイプだ。
そこは最初から「ふたり」じゃない。
いや、双子はセットではない。個と個だ。
失礼。それはそうね。
そういえば、蘭香もわりと孤独に強いような気がするけど。
うーん、孤独でおかしくなっちゃうタイプではないが、蘭香は寂しんぼなところもあるぞ。
男に依存はしないが、子供の頃は女友達に執着するタイプだった。今でもそうなんじゃないか。最近の交友関係はよく知らんが。
へ~。そんなかわいげがあったのね。
写真ないな、そういえば。あいつはネコみたいに弱みを隠すタイプだから、知られたくないのだろう。
よく考えると
孤独、俺もそんなに怖くないかもしれん。
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