鬼様のブランチ「未知のブロック体を生んでしまった」
今回の鬼ブラ!
・料理上手も、未知の料理をこしらえてしまうことがある。
前回の鬼ブラ!
・蘭香の手紙見た? それより、最近ずんだもんにハマッててさぁ~。
夏のブロック体
畑で大量に穫れた枝豆をどうにかしようとして、緑色の未知のブロック体を作っちまった。
食いやすいようにと思って、ゆでた豆を刻んで、粉でつないでまとめて、焼いたんだが……。
一見、和菓子風だな。
そうか! これ構成としてはきんつばだ。
いや、塩味なんだけどさ。食う?
…………。
別にまずくはないな。枝豆の味だ。好んで食いたいわけでもないが。
「枝豆の味のまま、食いやすい形状」になってねえ?
微妙だ。枝豆は「皮からプチッと出すエンタメ性」で成り立っているところがあるから、そこを省かれて味だけを見ると、こんなに多く食いたいものではない。
辛口だぜ。
あっ、塩味だけに?
うるさい。
翌日
黄色い未知のブロック体ができてしまった。
畑で大量に獲れたジャガイモをどうにかしようとして、ケークサレ(塩味のケーキ)を勘で作ろうとして、目測を誤った。
別に、ケークサレって言われたらそう見えるが。
完全な無味になってしまったんだ。
どれよ。食わしてみ。
……オッ、すごい! 芸術的に何の味もしねえ! なんか色々入ってんのに、全部が奇跡的に打ち消し合って、布団食ってるみたい!
そう、なまじフカフカに焼けてしまったのが、布団感を出してしまっている。
これは「生地」と考えて、薄くスライスして敷き詰めて、トマトソースを塗ってチーズを振って焼いて、ピザ風にするか。
作るもんもリメイクの仕方もオシャレだな。
さらに翌日
黒い未知のブロック体ができてしまった。
これは、焦げたパウンドケーキです。そこまで未知ではありません。
未知性に厳しい。
これを食べられるようにする方法はないかな……?
焦げたものをリメイクする術はありません。何かを足しても「焦げた味」の総量が世界に増えるだけです。
焦げた部分を削いで、中の方だけ食べ……中までキレイに黒い。これはダメです。捨てましょう。
しゅん。
卵を生んだニワトリに申し訳ないことをしてしまった……。
ニワトリはケーキがおいしく焼きあがれば喜ぶわけではないと思いますが。
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