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鬼様のブランチ 「従者は妻か小間使いか」

今回の鬼ブラ!
・大事にするとは何で、責任を取るとは何なのか? それぞれの従者観。

前回の鬼ブラ!
・密着シリーズ、不景気知らずの女。

たそがれ美少年


刹那

フゥ………。

此紀

よっ、セックスレスの大将。
辛気くさいツラしてるわね。回春マッサージしてあげましょうか?

刹那

き……昨日レスを解消したかもしんないだろ! 失礼な決め打ちをするな。
マッサージもいらん。無駄打ちしてプラマイゼロになっちゃうだろ。

此紀

無駄て。失礼しちゃう(#`3´)

刹那

若者は絵文字を使うから、顔文字はすでに中年のものらしいぞ。


それでェ☹❓


此紀

そんで、何をたそがれてたのよ。金のこと? 赤字を私財で補填するのはもうやめなさいよ?

刹那

わかっている。それは百害あって一利なかったから、反省している……。
いや、金ではなく………そう、白鷺のことを考えていた。

レスとかレスじゃないとかを置いといても、あいつが基本として年中無休で仕えてくれることに対して、俺は充分なことをしてやっているのかなあ、とか。

此紀

わりと「無償の愛」タイプの従者なんじゃないの? 典雅のとこの小娘たちと同じで、あんたのそばにいられたら幸せなんじゃないの。

刹那

そうかなァ。


待たれい待たれい


典雅

立ち聞きをしてしまって失礼。けど言わせてくれ。
「無償の愛」というのは、血縁以外にはあまり恒常的に宿らないよ。発生しても、長持ちさせるにはメンテナンスが必要だ。

刹那

ほんとそう。そう思っている。
女の無償の愛というのは、俺たちが思っているよりも頑丈だから、つい「意外と強いな? じゃあ大丈夫かな」と思ってしまい、そう思った時点で賞味期限が切れ始めるのだ。
「男が調子をこいたせいで無償の愛が終わる」のは、世界中で起きている現象だと思う。

此紀

ほう………。

典雅

「この娘は私のことが好きだし、来期も勤めてくれるだろう」と思っていたら、きっちり五年(一期)で契約を切られたことが何度もある。

刹那

いやいや、ホントそう。
女の健気さはある日ぷっつり切れるから、俺たち「調子こく男」には予兆も察せない。青天の霹靂。

此紀

愚か。

刹那

自分の愚かさをわかっているから、愛を失わないためにどうすればいいかを考えていたのだ。

典雅

「夜の生活を満足させる」のが手堅いのもわかっているんだが、それができたら見捨てられていないわけだ。

刹那

お前はどんどん若い娘を交換すればいいが、俺はもう新しい従者など迎えたくないからな。かといって従者なしでは立ち行かんし。
「夜・弱男」であっても、なんとか今の妻を繋ぎとめておきたい。

此紀

感心して聞いてたけど、わりと打算なのね。

刹那

俺、ひとりじゃ何もできんタイプのジジイだぞ。車の運転だって体調の悪い日はキツい。白鷺に去られたらすごく困るのだ。
感謝しているし、愛……愛しているか? まあ愛していると思う。だから今後も上手くやっていきたいなあ、という話だ。

此紀

あんたのところなら、その旨を話すだけで上手くいく気がするけど……。

典雅

いや、女は口だけの男に厳しい。おべんちゃらを言って、日頃の不義理を帳消しにしたつもりになっていると思われたら、もう愛は薄れる一方だ。

刹那

そうそうそうそうそう。

此紀

意外と多くのことを俯瞰しているのね。年取ってるだけある。


従者に対しての責任とは


此紀

ちょっと「断章」の話をするけれども、今のところ上がっている三篇は、すべて従者に対して責任を取り切れなかった師の話よね。

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